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2023年3月16日木曜日

中川の源流探訪

 関東を流れる川のひとつに中川という河川がある。一級河川で幸手・春日部・越谷・を経て東京湾に注いでいる。

右画像が幸手付近を流れる中川、まだ小川です。


越谷付近の中川、堂々たる大河に変貌。
最後は東京湾に注いでいる。

さて、その源流はどこにあるのだろう。






源流といえば普通、上流で急流となり沢となってイワナや鱒を育む。やがて細い流れとなり、いつしか山中に消える。そんな風景を連想するがこの河川はそれには当てはまらない。

なんと、街のど真ん中が源流とされているのだ。


春日部にある企業に勤務していた頃、山爺は水質関係の公害防止管理者を拝命、その業務に携わっていた。当該施設の排水規制値が中川水系という地域の値が適用になっていたので春日部付近を流れる中川については関心を持っていた。

しかし、中川の上流までは気にもとめず多くの河川と同じく秩父か水上あたりの山の中だろうと勝手に思っていた。

源流起点付近は桜の名所。山爺は花見時に訪れて偶然その標識を見つけた。ずいぶん昔のことだ。『え、あの中川?まさか同名の別な支流だろう?』・・でも説明書きを読んでみて魂消たのなんのって、東京湾に注いでいる紛れもないあの中川の源流だったのである。

今日はその源流を改めて探ってみよう。中川源流の最寄駅は埼玉県羽生市である。










東武伊勢崎線羽生駅で下車し東口に出て駅前の大通りを真っ直ぐ進む。
左手に居酒屋『美・美・・ミミと読む』が見える。タイ人の女将さんがやっているタイ風居酒屋です。本場の美味しいタイ料理が¥1000以下の安い料金で食べられます。よろしかったら立ち寄ってね。夕方から営業です。



ドラッグストアーを左に見てその先の信号を越えたらまもなく小さな川を渡ります。





この流れは葛西用水でこの辺は桜の名所です。

川渡ったら直ぐに右折。





葛西用水を右に見ながら200mほど進みます。


右側に小橋、左側に横断標識が見えてくるので横断歩道を左に渡り階段を降ります。降りたところが中川の起点です。



自慢げに一級河川中川起点と記した標識と説明書きが立ってます。
説明書きを見てみると幸手・春日部・越谷を経て東京湾に注いでいる図がある。


源流が平地にある川は多々あるがその多くは湧水が起点になる場合が多い。

しかしここは、ご覧のとおり澱んだ怪しい水があるばかり。綺麗な水が湧き出ている様子が見えません。
埼玉県のホームページにも中川の水源は定かではなくと臆面もなく・・・おいおい、埼玉県、それでいいのかよお。一級河川だから管理元は国土交通省かなあ?

埼玉県ホームページより抜粋

中川は、羽生市大字羽生に起点があり、延長80.8km、流域面積286.2k平方メートルの一級河川です。中川の水源は定かでなく、羽生市内の大小さまざまな農業用水路等が主な水源となっています。途中、庄内古川、古利根川など様々な河川の旧流路を経て東京湾に流れ込むまで平地のみを流れているのが特徴です。元々埼玉県内では「中川」という呼称がなかったのですが、昭和5年7月1日旧河川法の適用河川「中川」として告示されました。

水源?をよく見ると穴があいており、穴の向こうから微かに水が流れている様子が見える。
ちなみにこの穴の上を先ほどの葛西用水が流れていますが交差しているだけで中川源流には流れ込んでいません。水路が立体交差とは先人の土木技術は進んでますなあ。
反対側に回ってみると確かに水が流れ込んで向こうに抜けている。起点はここじゃないじゃん。

水路がさらに延々と続いています。
水もゆるやかですが流れがあります。






県がいい加減なら仕方がない。県民の山爺が調べようじゃあないの。
小学校の前を通り抜けて、

いやいや水路の中は空き缶がごろごろ・・・源流危うし?
大きな通りを抜けると
水路は塞がれて暗渠になってました。
もはやここまでか。








クネクネと曲がりながらも暗渠は続いてます。








おおっと、前方に線路が見えてきました。
暗渠はまだまだ続きます。








線路を越えると暗渠ではなくなり再び水面が現れました。流れは続いてます。水源はもっと先だわ。



ここで水路は90度方向を変えて北方に向きを変えました。


街の中を水路は続いています。

心無い人が廃棄品を水路に投げ捨てる。何を考えて捨てるのかなあ、何も考えないんだろうなあ・・お役人が水源として認めたくない気持ちも判るなあ。

スシローの迷惑冠者のように・・何も考えずに寿司舐めたり醤油差し舐めたりして動画をを世の中に公開・・刑事告訴や民事で大ごとに・・慌てて謝るも既に遅し。まさに、『ごめんで済むなら警察はいらん』を地でいく話だわ。日本人はいつからこんなアホな人種が増えたんだろう。

水の流れは続いてます。生活排水は流入していないようなので水そのものは比較的綺麗です。

温泉施設、スーパー健康ランド華のゆを通り過ぎました。水量から言ったらこの温泉施設から排水される水量が一番多いので?、ここに源流の標識立てたら笑えるのになあ。

(注:山爺の冗談です・・排水はこの水路にではなく多分本下水に流れ込んでますよ)



水路はさらに続きます。

♫水路は続くよどこまでも~
でも、ずいぶん幅が狭くなってきました。

いよいよ水路の終わりが近づいたかな。



と、水門が現れました。何のための水門でしょうか。

上流からの水流を調節するためでしょう。で、あればこの先が水源なのでは。



住宅地を抜けて水路は更に延々と続いており綺麗な水が上流から流れ込んできます。

疲れたので現地調査はここで終了。

あとはGoogleマップを利用して水源の出処ををつかみたいと思います。



後日、Googleマップを写真モードで上空から見てみると・・しかし便利な世の中だねえ。まるでセスナ機チャーターして調べるようだ。・・・水路は西羽生駅の左側をすり抜けて2方向に分割、西に向かって田畑の中を一直線、国道122号線を過ぎると直角に曲がって北上、埼玉用水路に継っているようです。この用水の本流は利根川です。






羽生・行田地区は米どころで明治以前より用水路の整備が進んでいた。埼玉用水や葛西用水がそれでその歴史は古く1660年の着工である。利根川より取水した用水を縦横に張り巡らして生産性を高めた。

利用を終えた水が寄せ集まり小川となり大川と成長、大河となり江戸湾に注いでいた。江戸時代の頃なら水源なんてどうでも良かったが明治以降、中川の水源はどこなのだと国土交通省や地理院の面子で水源を特定しなければならなくなった。

県のHPでも”羽生市内の大小さまざまな農業用水路等が主な水源となっています。”とあるように今でもよくわからないのが実情です。

当時の水源調査隊?が中川上流を遡り、羽生までたどり着く。あちこち田んぼ内をウロウロ、水源起点の選定に迷った挙句にこの辺なら花の名所で将来も地形が変わることないだろうと考え、え~い!『もうこのへんでよかんべぇ』と匙投げて標識を立てたのではないかなあ・・・(^O^)

中川水源の結論:中川の水源は今の起点にあらず、利根川でした。

【川柳】

・水源は いずこと地理院 羽生まで
・このへんで 中川水源 匙を投げ

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