今年も山爺が卒業した高校のクラス会の時期がやって来た。2012年だったと記憶しているが軽い気持ちで引き受けたクラス会の幹事を皆から”幹事長・幹事長”とおだてられて今日まで引き受け続けている。
それまでは高校の所在があるT市に居残って住んでいる面々が交代で日帰り同窓会を開催してくれていた。そんな会合に時折顔を出しては楽しい時を過ごしていたが、ある日いつものようにいい気分で酒を呑んでいたら『たまには県外在住のお前たちも幹事をやれ』とのおしかりを受けた。酔っていたこともあり『おお、同じ会費で温泉宿泊まりで開催してやる』口は災いの元とはよく言ったものだが、日頃、旅行慣れしている山爺、格安温泉行き企画には多少なりとも自信があった。
翌年、念入りに二次会も含めたお泊り同窓会を企画し約束通り日帰りの会と同等の費用で開催した。宴会のさなか『さすが名幹事長、来年も頼むよ』のおだてに乗せられて翌年も幹事を任されてしまい爾後14年も経ってしまった。・・おいおい、お願いしますって挿絵が違うぞぉ。
PCがなかった時代であれば筆が苦手な山爺、2回目の幹事は当然辞退しただろうがその時は会社勤めで覚えたPCの技能が役に立ちインターネットでの旅館・カラオケ会場などの検索が容易に出来るようになったし、住所録などのデーターベースさえ作ってしまえば開催案内などの書類作成・発送まで2~3日もあれば完了するのでさほど負担にならない。そんな我々だが古希をとうに過ぎて全員が漏れなく後期高齢者の領域に達した昨今、ひとり・またひとりと彼岸側に川を渡ってゆく仲間が目立ってきたのが何とも辛い。去年も11月にK君が、12月にS君が川を越えてしまった。
K君はクラス1の好い男?で会参加の常連でもあった。カラオケも達者だから夜のお店ではずいぶんモテたらしい。
S君は山爺が20代初めの頃に良くつるんで遊んだ間柄だった。彼は新しい物好きで麻雀・ゴルフに手を出し山爺を誘ってくれた。
山歩きに熱中していた山爺を捕まえて『山男ならスキーが出来なくちゃあダメだ』『おお、やってやろうじゃあないか』と売り言葉に買い言葉。福島のスキー場でスキー初体験。やってみたら面白いのなんのって、こうして山爺をスキーにのめり込ませたのも彼であった。
麻雀は初心者同士だけでしばらくの間、安いレートで練習しているうちに上達したのでさほど授業料を払い出すことなく本格麻雀に入り込むことができた。会社での仲間内の腕前は勝ち組側だったと自負している。
スキーもゲレンデを飛び出して今流行りのバックカントリーの真似事も出来るようになり他人に教えられるほど上達した。ゴルフぅわ?・・こいつは難しいねぇ、今持って悩んでますわ。
そして現在、スキーはさすがにとうの昔に辞めたが麻雀はゲームで毎日のように遊んでおりボケ防止に重宝している。またゴルフに至ってはヘボながら今も月一ラウンドしており体力維持に役立っている。二つとも今となっては山爺の貴重な技能であり財産だ。教えてくれたS君には感謝を述べたいところだがその機会もなくなってしまった。
これらを教えてくれた当のS君は飽きっぽい性格だったのか、いずれの趣味も直ぐに辞めてしまったことを付け加えておく。
さて、同窓会はどこに行こうかなあ。幹事長なりたての頃『幹事長の決めたことならどこでも参加します』と殊勝な振る舞いだった面々だったが、さすが10年以上も地元から近い鬼怒川方面ばかり企画していたら『たまには県外で開催を』とついにクレームが出た。
そうは行っても山爺の好む鄙びた山奥の温泉でのんびり露天風呂に浸かって部屋では静かに酒を酌み交わし人生について真摯に語ろうなんて趣味を彼らが持ち合わせているはずもないしなあ。そういう場所なら山爺は何箇所も知っているんだがなあ。彼らが満足する条件としては①温泉宿で宴会しながら近況交換②カラオケのあるお店で2次会。これが①はともかく②のない催行では面々からの不満ブーたれが目に見えている。
さて、スナックがある温泉街で格安宿がある栃木県外での地域となると茨城・埼玉は望み薄、福島は何箇所かありそうだがT市からは遠い、おのずと群馬方面に目が向いてしまう。
群馬の伊香保あたりに見当をつけて調査開始、順序としてはまずスナック店を見つける。
①一見さんの団体を受け入れてくれる店・・出来れば貸切が望ましい
②料金を事前確定してくれて廉価・明朗会計の店であること
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GoogleMapで伊香保の地図を広げて検索すると出るわ出るわ、10軒近く出てきた。片端からクチコミを読みあさり5軒に絞り電話で様子見。
『もしもし、費用は』『1時間¥3000です』・・次・・ 『90分¥3500で女の子は一人につきチャージ¥1000』??意味不明・・次・・『女の子の連れ出しは出来ないんですよ』『??そんなこと聞いてないよぉ』連れ出してなにするんだ (゚д゚lll) ・・次・・
どうも意味不明の返答が多いなあ。調べてみると伊香保はいかがわしい店も多くて過去に何軒も警察に摘発されていることもあったみたいだ。・・物騒だなあ、伊香保は止めたほうがいいかなあ。
口コミを読んで良心的なお店と評判の店に電話・・『一人¥3500で2時間貸切でよいですよ』・・やった、ついに見つかった。スナックさえ決まればあとは近くの伊藤園の宿に団体予約すればよし、かくて宿泊場所+スナック店を確保し、25年度の同窓会、伊香保温泉の段がまとまった。
今回は山爺含めて9名が参加・・年々あちらが痛い、こちらがダメの故障者も増えて参加者が減り続けている我が同窓生。斯く言う山爺とて山歩きやゴルフの影響か膝痛・腰痛に加えコロナ後遺症の影響?で耳鳴り・めまいと満身創痍の状態だ。いつまで幹事長が務まるか先行き不明だ。同窓会もあと何回開催できるかなあ、毎回大事に催行しなくちゃ。今回はT市から西に向かうので途中のA市駅から山爺も車に乗せてもらうことにした。10時にA市で無事皆んなと合流、一路、群馬の渋川から伊香保へ・・と思ったら伊香保は通過して草津方面へ進出だと・・??時間があるので八ッ場ダム見学にいくとか。??八ッ場ぁ、ここから遠いぜえ、今からじゃあ3時までに伊香保に戻れないでは?・・山爺の心配なぞどこ

3時半に本日の伊藤園の宿にようやく到着、もう受付が始りフロントにお客の列が・・当然山爺は最後尾となるので入室は遅れるなあ・・・なんだかなあ。・・俺だけ伊香保で下ろしてもらえばよかった。と反省しきり。
良いこともありました。車2台に相乗りだから当然ガソリン代は全員で折半になる。取り決めた金額を支払おうと思ったら幹事長はいつも面倒な企画を催行してくれているのでガソリン代は免除というお言葉をいただいた。ありがたく皆さんの御好意に甘えることにしました。こんなことなら今後もT市より西よりの企画をし続けなければと密かに思う山爺でありました。 (^^♪
今日の夕食は伊藤園のバイキングでほかのお客と一緒の会食になるのが少し心配だったが、宿の配慮で団体はバイキング会場とは廊下を隔てた別の小部屋が用意されていた(団体は個人客に迷惑だからかな?・・我が会を含め2組)これはありがたい、これなら少し騒いでも大丈夫だわ。
さて我が会にとって初めてのバイキング会食、当然ながら開会挨拶も、乾杯もなし。めいめいがてんでんバラバラに飲み物や食べ物を取りにゆくので常に空席が目立つ。なんか盛り上がらないなあ。だめだこりゃ!!。バイキングは自分の食べる(飲む)分だけその都度取るのが大原則なんだよなあ。係員からの苦情がなくてよかった。
そんな雰囲気で静かに始まった会食だったが時が経つにつれ飲む奴は飲むし食うやつはどんどん食っている。まあ、こんなのも今後ともありかな?と幹事長ひとりごちた。とまれ90分の制限時間内で飲むわ食うわの満腹状態で夕食を終えて各自部屋に戻る。
休む間もあらばこそ次は館外でお楽しみの二次会だ。O君が体調が悪いとかで急遽欠席となったが残り8人は洋服に着替え伊香保名物の坂道をわいわいと登って二次会場のスナックへ向う。なぜ着替えたかって?酔って下駄履き浴衣姿で坂道歩くのは後期高齢者にとって剣呑この上ないじゃあ、あ~りませんんか。転倒→骨折→入院→寝たきり→認知症の図式が1番怖いです。こうなったら幹事長の寝覚めも悪いと言うもんです。
息が上がる前に目的のお店前に到着した。どんなお店なのか入るまでは気がかりだったが入ってみるとなかなか雰囲気の良さそうなお店である。これで2時間貸切なら文句なし。まずは乾杯で盛り上がる。