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2021年6月10日木曜日

梅雨が始まる前に山歩き(京路戸山から唐沢へ)

 天気予報をみると連日の傘マーク。いよいよ梅雨入りなのかなあ?天気予報に見入っていると6月1日(火)だけ曇りになっている。これはチャンス。鍛錬山歩きにでも行く事にしよう。

さて、どこに行こうかなあ。6月5日(土)は仲間の月一ゴルフがあるので競技に影響するようなハードな山歩きは避けなければならない。

国土地理院の地図にアクセスし足利~佐野~栃木方面の地図を眺めてみた。

数年前に行った佐野の田沼地区にある諏訪岳が目に入る。諏訪岳は小ぶりながら形の良い山だ。麓からそれを見つつ京路戸峠に上がってそこから唐沢山方面を歩いてみよう。

朝7時30分ころの電車の乗ると8時30分前には登山口のある東武多田駅(葛生線)に降り立てる。近くてよい山である。多田駅はマッチ箱をひっくり返したような小さな無人駅駅である。

何もない駅前商店街?を道なりに歩くと左にカーブ、まもなく一昨年に大洪水を起こした秋山川に差し掛かる。前方に見える工業団地を突っ切ればまもなく京路戸峠に至る登山口だ。

京路戸峠とは馴染みのない優雅な名称だがこの由緒については以前ブログ(2018-5-31)で述べている。

駅から20分ほどで登山口に着いた。3年前は静かな山域だったが今日はなんか騒がしい。



トラックやら作業員やらがウロウロしている。あたりの山域に電動工具の音がけたたましく響く。見れば山道の両側では巨大なソーラーパネル敷設工事の真っ最中である。

何なんだこれは、再生可能エネルギー政策の錦の御旗のもと、小金目当てでこうして自然がどんどん破壊されてゆく。狭い日本もう少し工夫というものがないのかねえ。

尾根伝いの山道を歩き出すと登山道の両側すぐそばまでソーラーパネルが迫ってきている。左側はかつて西尾根コースという岩伝いのルートがあり2年前に山爺が恐る恐る下山体験したことがあった。が、それも今や霧散した。

傍らに2年前にはなかった熊出没注意の看板が、これだけ樹木を切り刻んだら熊さんの食料も無くなるわけだ。己の欲のために他の生物の生域なんぞ無視、己の欲望に切りがない。なんと人間とは強欲な生き物であることか。老子曰く『足るを知る者は富む』は理解の外です。

登山道から30分もすると京路戸峠に到着、平日にもかかわらず先着の若者が一人ベンチに座っていた。居たのは構わないがラジオを聞きながらの休憩だ。ここでも静寂ぶち壊し。

なんで俗な環境をここまで引きずるかなあ。いつの頃からか多くの人々が何かを聞きながら勉強や運動をすることが当たり前になってしまっている。やんなっちゃうなあ、山爺の思惑が古いのかなあ。

やがて若者は諏訪岳方面へ、山爺の進む方向は反対側(唐沢山方面)なのでよかったわい。ラジオの音声に追いかけられながらの山歩きだけは御免こうむる。

峠で一休みしたあと唐沢山方面に向けていざ、出発。

30分ほどで京路戸山(292m)に到着。大きな岩が1個あるだけで展望は開けていない。地味な山頂でした。
一服したあと、下山開始。急傾斜で岩がごろごろしているので慎重に足を進める。転倒でもして動けなくなったら誰にも行き合わない。こんな低山で遭難騒ぎになったら恥ずかしいったらありゃしない。

元の尾根歩きに戻る。尾根道自体はよく整備されており歩きやすい。どうか、トレラン賊(筆者注:誤字にあらず。彼らに族の字はもったいない、賊がふさわしい)のような無粋な人が来ませんようにと念じつつ歩く。

右側に目を向けるとソーラーパネル設備が山頂間近にまで迫ってきている。なんだかなあ。
今しがた登った京路戸山が望めます。そのうちにあの山も坊主にされてソーラパネルが占領してしまうのかなあ。なんとも寂しい限りです。

6月ともなると低山の尾根道の花は咲き終わっています。ヤマツツジの木が道の両側にたくさん生えているので4月に来れば賑やかだったのかな。

山爺の嫌いな木道が現れました。山で疲れない登り方の基本は歩幅は靴幅くらいとし極力持ち上げないで歩くことなのですが、木道というやつはこの山歩きの原理原則を考慮せずして作られています。幅はあるは高さはあるはで人間工学を全く無視、疲れること疲れること。

先をみるとうんざりするので下を向いて1歩1歩足を進める。

僅かに赤い実がなっている樹木がありました。食べられるのかなあ?なんという植物なんだろうか。
分岐点に差し掛かったので休憩とする。傍らに小さな木彫りの仏様?が・・・誰ぞの自作かなあ?あまり出来はよくない。
唐沢山まであと2kmの地点までやってきました。ずいぶん進んだぞ。

今日はハードな山歩きは避けるので唐沢山まで行かず途中で田沼方面に下山する予定だ。

尾根の左斜面に目をやると何やら1つの葉っぱだけがやけに揺れている妙な光景に出くわした。TVでよく放映しているインチキ心霊現象によく似ている。

こんなもんでも投稿すればTV局は取り上げるのかなあ。多分あそこだけ風の通り道ができているんだろうなあ。(遠方なので解像悪くよく見えませんが・・・m(_ _)m )




只今11時30分、それにしても腹が減ってきたぞ。左右の分岐点に差し掛かる。左が巻道の本道、右が休憩所へ向かう登り道なので休憩所に向かいお昼を摂ることにしよう。
休憩所にて昼食、そばに大きなマイクロウェーブ設備所がある。多田駅から見えたアンテナだ。ずいぶん進んだぞ。昼食は定番のサンド・梅握り、保温ポットからお湯を注ぎミルクセーキを作る。ごっくんと一口、熱っ!・・だけどうまいなあ。
腹も膨れたので先を急ぐ。唐沢山への登りと東京農工大学演習林方面へ下れる分岐点に着いた。農大方面への警告看板がある。”ここから先は東京農工大学敷地内なので施設内の立ち入りは厳禁、林道のみ通行可”と書いてある。

まだ余力があるので唐沢山経由で帰ろうかと思ったが今週末は首都圏孔球親睦会コンペが控えているのでここは大事をとって演習林方向へ下山開始。ところがこれが裏目になってしまった。

幅の広い林道を快調に下ってゆく。・・と思ったのはここまで。このあと山爺の迂闊により地獄を見ることになる。15分も歩いたろうか。何やら建物(農大管理棟)があり進入禁止のロープが張ってある。
よく見れば写真左上に通り抜けられる道(赤丸)が見えるのであるが小心者の山爺はこのロープを見てあっさり進入禁止と思い込み反対側の林道をさらに下ってゆく。
このロープは赤丸方向の道から上がって来た車がこの先の演習林道に入らないようにと張ったロープであることは能天気な山爺、この時点では気がつきません。
尾根道では見られなかった野いちごやホタルの袋などの草花が傍らに咲いているのでそれらに気を取られ道を間違えていることに気がつきません。写真を取りながらどんどん林道を下ってゆきます。我ながら呆れたもんです。
下るというより山裾を平行のまま道が延々と続きます。普通林道というものはいずれ必ず農道やら車道につながるものなのですがここは東京農工大学の林業の演習専用林道なので下界とはつながっていないのです。(地図上には降りられるようになっていたのでそれを信じて下山しなのですが実際は見当たりませんでした)
小一時間も歩いたでしょうか、降りるどころか山道が登りになってきました。さすがの能天気山爺も??おかしいなあ。ここで漸く地図を引っ張り出してチェックをする。・・・もう少し早くチェックせんかい。・・・もと来た道をとぼとぼ引返します。
『あ~あ、バカやっちゃったなあ』『今頃駅に着いたなあ』後悔先に立たず。・・・持ち前の思い込みにより往復2時間もロスタイムを費やしてしまいました。B型気質の欠点ここにあり、大ドジを踏んでしまいました。

管理棟まで戻りロープを超えて敷地内に入ると反対側に林道があるではないですか。

管理棟を抜けて5分も下ると下山目標だった公園に降りることが出来ました。

ここから田沼駅までは30分くらい。山歩きが好きな者にとっては、普段何でもない距離なのですが今日はその長いこと長いこと。

家に帰って携帯の万歩計を確認すると2万9千歩・・・あちゃあ歩きすぎたわ。これで翌日から筋肉痛(というより骨まで痛くなる)必至だなあ。

【川柳】

・熊公に 無断で木々切り ソーラーに
・空腹に 耐えかね里に出 射殺(いころ)され 
・省エネの 陰に消えゆく 絶滅種

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