これにより関東一円の山へ向かう交通機関はずたずたになり密かに計画していた山歩きを実行する気が失せた。・・・八ヶ岳・笠取山・八海山・木曽駒ケ岳・七ツ石山・会津駒ケ岳など、行きたい場所ならたくさんあり計画書も作成済みだ。
近年、真夏は命に関わる猛暑が襲うようになってきたのでこの季節での山歩きは自粛、そんなこんなで山爺にとっては9月末から10月は山歩きには絶好のシーズンなのであるが未曾有の大災害の影響で今年は行けそうもない。山爺は好齢の身の上、来年の体のコンデションが読めない。後がなくなってきた。・・・困った~ぁ、困った。(大滝秀治の声色で)
散歩はたまにするが平坦地の歩行ではぜんぜん筋力鍛錬には繋がらない。坂道を日頃から歩かなければ息が上がってしまうのである。最近体力がめっきり落ちてくるのを実感している。
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はや、11月も半ば近く、さてどこに行こうか?。
以前から気になっていた山がある。東武足利市駅のそばに100mくらいの浅間山という小山があるのである。山頂には城址もあるようだ。この城址は以前登った足利の両崖山にあった長尾氏の足利城の出城のようである。
また付近には八幡山古墳群もあるようなので史跡満載、ここを散歩してみよう。
(下画像の山塊が浅間山で左端ビル群に東武足利市駅がある)
11月16日(土)好天に誘われて早朝最寄駅から足利市駅に向かう。30分足らずで駅に着いた。本当に足利は我が家から近くて良い地域だ。
市内にはリーズナブルなスパ銭湯もあるので山歩きには絶好の場所なのだ。当然、帰りはスパ銭湯に立ち寄るつもりだ。
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駅の改札を出て驚いた。いつもは土日の早朝に降りる客はまばらで山爺だけなんて日もあるのだが、人がわんさか、居るではないか。『無料バスの乗車する方は列にお並びください』なんて殺気立ったアナウンスも・・・ん、ん何なんだこの賑わいは。
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なんと今日・明日(11/16~17 )は足利の郊外にあるココファームワイナリーの収穫祭なんだそうです。
それにしてもすごい賑わいだなあ。一瞬、山歩きやめて列に並んで収穫祭に行ってみようかと思ったくらいです
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( ^ω^) 毎年11月の第三曜日に開催するみたいですよ。
駅前の喧騒を抜けて渡良瀬川の土手に上がり信号を渡って森高千里さんのご当地ソングで有名な渡良瀬橋方面へと向かう。正面に小山が見えてきた。女浅間山だ。標高は30mくらいだろうか。信号を渡ると山道(石段)が見えたので登りだす。
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傍らに高札があった。この神社は6月1日にぺたんこ祭りというものが催され賑わうらしい。赤ち
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この神社は富士浅間神社の系統なのでご祭神は木花開耶姫だ。お参りをすませてぐるり一回りして下山する。
次は男浅間山を目指す。男浅間山は標高106m、20分もすれば登頂出来る、楽勝だなあ。
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なだらかな道を息が上がらないようにゆっくりと歩く。
10分も歩くと眼下に
足利市駅や渡良瀬橋が見え、駅の方から列車の着メロに使われた森高千里さんの渡良瀬橋のメロディーが流れてくる。
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だろう。
以前なにかの山のエッセイで読んだが人類が類人猿から袂を分かちジャングルから平原に降りた。・・山爺の私見ですが人類は頭でっかちで運動神経が鈍い。したがってすばしっこくて腕力のある猿どもに縄張りを追い出され、仕方なく平原に降りたと思ってますが・・・(^。^)
平原はライオンやらの捕食動物がウヨウヨ、足の遅い人間は襲われたらひとたまりもない。用心だけが身を守る術だ。視界を確保するため、まずは2本足歩行へと進化した。
それでも十分に視界を得ることができなかったので事あるごとに高いところに登り周囲を見渡して安全を確保した。つまり高いところの眺めは人にとって本能的に安心するのだそうです。
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そうだったのか。だから山爺は山に登るんだ。本能じゃあ、しようがない。納得、納得。
20分ほどで山頂に着きました。祠があります。先程登った女浅間山の神社の方がはるかに立派です。やはり浅間様は女上位のようだ。
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朝、コンビニで買い求めた大福をほおばりながら休憩をする。うまいなあ、どおしてお日様の下で食うと何でもうまいんだろう。山爺至福の時です。
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と、高齢とおぼしきお二人が登って来ました。二人共、空身である。地元の人だろう。『こんにちはどちらから?』と聞かれたので『〇〇からです』と答えた。
『私の家はあの川の向こうのあの屋根の先です』そして年齢が80歳だとも教えてくれた。さらに相方を指して、この人は90歳だとも紹介。相手が年齢を明かしたので山爺も70歳になりました。もう身体がしんどいですねと答えると
『なにを言いますか、70歳なんて私からみればひよっこの若造ですよ』・・ありがたいお言葉をいただきました。
80歳と90歳でシャキっとして毎日のように100mの山を登り降りしている。山爺もかく有りたいと胆に銘じた。
爺様たちに別れを告げて富士山城址と胎内洞窟へ向かう。後で調べて知ったのだが今いる山頂も含めこの浅間山全体が足利長尾氏の出城なんだそうです。本城は去年登った両崖山がそうです。
【山爺の一言メモ】
両崖山城と足利長尾氏
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まずは、富士山城址へ登ってみよう。浅間山頂から5分も下ると右は南参道、左は富士山城と胎内洞窟と標識が出ているので富士山城跡へと向かう。
5分も登ると富士城址に到達。出城だけに防御は甘い。
空堀も障子堀の痕跡もない。これでは大群に囲まれたらあっという間に落城だなあ。
こういう出城に派遣された兵隊は気の毒というほかはない。一旦事が起きればあっという間に全滅だろう。
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障子堀とは右画像のような作りの畝で北条氏が考案したそうで小田原城の支城のあちこちにその遺構が見られるそうです。いずれ見学に行こうと思ってます。
実際、兵隊がここを歩かされたらたまりませんなあ。同一方向へしか動けないから鉄砲や弓矢の格好の餌食になってしまいます。
底には念入りにトゲトゲの杭が打ってあったりしたそうで落ちたら串刺し。
人間はよくもまあ、こういった殺人の知恵を思いつくものである。業の深さに呆れかえる。
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城址山頂は小さな祠があるだけ、強者どもが夢の跡である。
ついで胎内洞窟へ、この山のご祭神、木花開耶姫が修行をした場所とされているようだが怪しい伝承だ。
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さて時間がなくなるので先を急ごう。南参道という標識にしたがって下山すると5分くらいで車道に出る。
反対側は坊主山と呼ばれた砦
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一箇所それらしき踏み跡があったが相当の藪こぎを強いられそうなので諦めた。
車道を右にとってどんどん降りてゆくと5分くらいで家並みが出てくる。
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『すいません、古墳の遺跡はどの辺に?』
『この辺一体が古墳らしいですよ』
八幡山全体に小さな古墳が点在する。ここは古墳の集合住宅のようです。
古墳群に納得したので下山して再び浅間山へと山道を戻る。
坊主山を右に見送りながら車道を真っ直ぐに進むと八雲神社に降りられます。このあとは今日のもうひとつの山塊であるJR足利駅の先にある助戸地区にある東山ハイキングコースを訪ねます。
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定番のサンドイッチ・おにぎりをほおばりながらカフエオーレを喉に流す。
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腹ごしらえも完了したので一旦足利市駅に戻り中橋を渡って右に折れ土手沿いを田中橋方面へと歩く。先ほど登った浅間山の山塊がよく見える。
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田中橋の先を左に取ると足利駅の南口に着きます。その先のトンネルをくぐって足利市のど真ん中をしばし歩いていたら向こうから猫ちゃんが歩いてくる。
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困ったなあ。早足で離れると恨めしそう
ごめんな猫ちゃん。里山や観光地を歩いているとよく猫たち
に遭遇する。
今度から猫餌持参で歩かなければいかんのかなあ。
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東小学校を右に見ながらさらに進むと登山口があります。
案内板でルートを確かめて登り出します。
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どれどれ、
『戻ることのない時間。今をもっと大切に』・『この世の中で無駄な人など誰もいないあなたの命がその証』・・楽山、楽山って誰だ?。
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含蓄のある言葉がずらりとならんでいます。
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含蓄のあるお言葉を読みながらあるいていたらあっという間に尾根道に出ました。立派な神社が建っています。
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東側に展望が開けており、低山と言えどなかなかの眺望が得られます。
傍らには猪注意の看板も、足利地区はクマ注意よりも猪注意の看板の方が断然多い。それだけ切実な現実があるというこ
とか。・・気をつけたいが気をつけたからどうせいというんじゃ!。
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これより北側に歩くとほどなく東山ハイキングコースの最高峰115mに到達しました。
西の方が開けており午前中に散策した浅間山の山塊が挑めました。
山頂の祠は山道の岩陰に隠れるように鎮座しております。いたずら防止のためかな?随分と奥ゆかしい祠です。
下山途中で重装備の人とスレ違いました。東山で唯一の登山者との遭遇です。重装備なのは訓練登山に違いありません。
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のんびりとお湯に浸かって心身ともにお洗濯だ。
【ことわざ】
・山高きが故に貴からず、樹あるを以て貴しと為す。
好齢の身上と致しましては心にしみる戒めのお言葉でございます。はい。
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