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2019年5月23日木曜日

谷川岳目指して訓練登山(足利両崖山・雷電山トレッキング)

5月25日前後を利用して残雪の谷川岳に行こうかと思案中である。

山を知らない人は谷川岳と聞くと『あの谷川岳?危ないんじゃない』と聞いてくる。確かにこの山は1931年~現在まで805人の人が亡くなっており世界一遭難者の多い山なんだそうです。あのエベレストでさえ700人くらいです。

ですが、遭難した登山者の大半はロッククライミング中の事故および厳冬期に入山して亡くなった方々です。

なぜこの山は遭難が多いのでしょうか。それは山をこよなく愛した随筆家の深田久弥さんの言葉を借りるまでもなく『近くてよい山なり』で多くの登山者が押しかけるからです。

都心から2時間足らずで入山が可能です。また豪雪地帯なので2000mに満たない標高(1977m)でありながら稜線に木々が育ちません。北アルプス並みの風貌を備えているので快適な稜線歩きが楽しめます。また雪による侵食で群馬県側ではマチガ沢・一の倉沢・芝倉沢といった岩壁がそびえています。まさに山のデパートみたいな山なのです。

しかも天神平までロープウエイがあり一気に標高1320mの地点まで引き上げてくれます。ここからなら山頂まで残り657m、夏であればハイキング並みに日帰り登山が出来てしまうのです。

しかし油断は禁物、この山の唯一と言ってもよい欠点があるのです。それは上越国境にそびえる山塊なので日本海側の気流と太平洋側の気流が常にぶつかり合うので天候が急変するということです。このために夏山であってもガスに巻かれ道に迷って沢に入り込んで遭難することが希にあります。初心者ばかりでの入山は危険が伴うのです。

山爺も過去に何度か谷川岳に入ってこのガスに巻かれてひどい目にあいました。本当に数メートル先が見えなくなったり、ぱっと晴れたり目まぐるしく急変するのです。

今回も天候を見極め慎重に決断するつもりでいます。

今週から来週(5/23~29)の予報では近年稀と言えるくらいの好天気が続くみたいです。

天佑か?この時期にこんなに長期に晴れが続くのは記憶にありません。これは行かねばなるまいて。

行くのはよいが4月末からとんと山歩きをしていないので体力が相当落ちています。この先一週間も更にぐうたらを決め込んでいるとますます体力が落ちてしまい谷川岳登山が危ぶまれます。

よし、訓練登山に行こう。

というわけで5月19日(日)我が家から電車で30分もすれば着く足利市駅近傍の両崖山(251m)雷電山(223m)に出かけることにしよう。









8時ちょい前に東武足利市駅到着しました。



駅前のビルを横目に覗くとなにやら展示がしてあります。自衛隊勧誘の事務所みたいですがなぜか南極の石が飾ってあります。自衛隊と南極とどういう関係があるのだろう。


通常だとここから徒歩20分くらいの織姫神社から入山し緩やかな尾根伝いに歩くのが一般的なのですが、それは前回歩いたのでその尾根の山麓沿いに進むことにしました。まず中橋を渡ります。上流には森高千里が歌う『渡良瀬橋』が見えます。


山麓を歩くこと40分で大きな病院に突き当たります。

道標があり両崖山まで1.1kmの表示がありました。

道標に沿って進むとさらにまた道標があり右に曲がると雷電神社経由で雷電山。そのまま進むと両崖山頂まで0.7kmと書いてある。

雷電山への登りは等高線が狭くてキツそうなのでまずは、両崖山へ登ります。


『0.7km!楽勝じゃん』1時間もあれば山頂に着くだろう。

さらに進むと山道が見えてきました。いつもながら登山道に到着するとわくわくします。

ゴルフで言えばティーグラウンドに立ったようなものかな?いやそんな感情とは全然違います。


今回選んだルートは両崖山へのショートカット的な道です。

40分ほどで尾根道に合流することができました。ここまでくれば山頂は間近のはずです。・・が、ここから道が急なことといったらありません。ぐうたら決め込んだ体には答えます。

途中に綺麗な花が咲いてます。単葉植物だからラン科の花かなあ?(アヤメ科のシャガという花みたいです)



見慣れた鳥居が見えてきました。山頂へ通じる神社と大鳥居です。ここは城址でもあります。足利城址という山城があったそうです。


 立て看板を読むと1054年の構築で120年間使われていたがその後足利景長が修築した。1590年に北条氏に与したため没落とある。

時期からして上杉謙信により滅ぼされたのだろう。この辺一体は当時、北条氏と上杉氏の端境になるので地方豪族どもはどちらに付くか大いに悩んだんだろうなあ。その挙句滅亡、まさに強者どもが夢の跡である。

山頂に10時ちょい過ぎに着きました。さっそくザックからサーモスを出してドリップコーヒーを作る。

コーヒーブレイクしながら早めの昼食です。サンドイッチとミニ大福を頬張る。


いやあ、何度食べても晴天の下、大自然の中での喫食の旨いことと言ったら、・・・山爺至福のひとときです。


まったりしていると、ご老体が上がって来て山頂の祠からお賽銭を次々に開けて袋に入れているではないか。むむ!賽銭泥か!どうしよう、でも、余りにも大胆だ。横からご婦人のハイカーが『ご苦労様です』と声をかけている。ん、ん、知り合いか?

聞けば地元の人で年間300回以上(ほぼ毎日じゃん)登って、お賽銭を回収しているとか。そうしないと賽銭泥棒に盗まれてしまうんだとか。
『へえ、せこいねえこんな山にまであがってくる泥棒がいるんだ』
『鍵は掛けないのですか』
聞いたら鍵をつけても壊される。修理の方がお金が掛かってしまうんで止めたそうです。
それにしても神様にお供えしたお金を盗むとは罰当たりな奴がいるもんである。

さて大休憩も終わったので先を急ごう。多くのハイカー達はこの両崖山までで同じ道を引き返すみたいです。

山爺は今日の第一の目標、雷電山のピークを目指します。地図上では雷電山の分岐点まではすぐ近くだろう(と思いましたがこれは山爺のいつものいい加減な思い込み)と足を進めますがアップダウンがある道中でなかなか着きません。ヤマツツジはもう咲き終わって干からびています。慰めにはなりません。

はて、去年、反対側から両崖山を通ったはずだが、当時のことは全然覚えてません。ようやく分岐点到着です。青年とおぼしき1名が休憩していました。何処に行くのかな。両崖山?あるいは行道山方面かな。

雷電山などはよほど酔狂人じゃないと通らない(って俺のことか)だろうなあ。

と、その雷電山方面から山爺より明らかに年配者がゆっくりと確実な足取りで上がってきた。あらら、雷電山からあがって来る人もいるんだと感心しました。(山爺も雷電山方面から上がろと考えもしましたが等高線がキツそうなので敬遠し下山ルートにしました。)

お互い山の挨拶を交わしただけで会話もなくスレ違いです。さて、いざ雷電山へ。

雷電山への道は最初こそなだらかな下りで快適でしたが途中何度もピークを越えます。つまり上り下りを繰り返します。訓練だから良しとしますが奥多摩ならこういった無名ピークは迂回路が整備されているのだろうなあ。

見晴らしのよいところに着きました。ここが雷電山?なにも道標がないから雷電山はまだ先なんでしょう。晴れ間が出てきて日差しがキツくなってきました。ここで水分補給休憩です。ついでに残りのおにぎりをいただきました。

 さらにもうひとつのピークに到着、よい枝ぶり木が茂っていたのでその下に入って再び休憩です。

雷電山はどうした!。改めて地図で検索すると同一尾根上にあるようだ、ん、近いぞ、頑張んべえ。

歩いてほどなく祠が見えてきました。あれが雷電山山頂だな。

 石造りのりっぱな鳥居もあります。今日、第二の目標、雷電山(223m)に到着です。

お参りだけ済ませて下山開始。少し下ったところで江川町方面と雷電神社方面の分岐点に差し掛かります。


うっかり歩き良い真っ直ぐの道を選ぶと江川町に降りてしまいまい遠回りになってしまいます。ここは右に折れて雷電神社へ下ります。長い長い急な木道が続きます。

いやあ歩きにくいったらありません。木道は膝にとっては大敵です。膝に衝撃を与えないようストックでバランスを取りながら慎重に下山していきます。


いやあ、こんな急な木道をさっきの爺さんは上がってきたのかねえ。健脚だなあ、こちらから上がらなくてよかった、よかったとつくづく思う山爺でありました。

雷電神社到着です。思ったより大きな神社でした。

傍らに皐月が咲き誇っています。

皐月越しに足利市の眺望も望めます。結構なビューポイントです。





青木病院まで無事に降りてきました。
朝、もしもこの神社の鳥居をくぐっていたら、いきなり、あの急な木道を登ることになっただろうと思うと事前によく地図を見ておいてよかった、よかった。



 今日歩いた山のパノラマです。左のピークの奥に両崖山があります。両崖山から一旦ぐんとさがってから再び登り返して右はじが雷電山です。こうやって現物を見るとけ結構道中があるわ。



今から駅まで小1時間歩かねばなりません。今日は結局6時間も行動してしまいました。

こりゃ訓練しすぎたかな。明日足腰が悲鳴を上げるに違いない。来週の谷川岳が危ぶまれるなあ。

市内にある幸の湯でも立ち寄って湯治だなこれは。



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