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2019年7月31日水曜日

四万温泉に行ってきました。

7月18日~20日にかけて八ヶ岳連山を縦走しようと計画していた。主峰赤岳は若い頃何度か登った経験があるが岩峰で険しい箇所が多くあるのでさすがに単独では心許ない。

数少ない山友に声をかけて同意も得た。食料や軽量大型ザックなども購入し着々と準備を進めていたが肝心の天候が一向に良くならない。出発の4日前の7月14日過ぎても梅雨が明ける気配がない。18日からの八ヶ岳方面の天気予報は連日雨で風速15m、駄目だぁこりゃ。

とっとと山の計画は中絶し前々から訪れて見たかった四万温泉に行く事にしよう。四万温泉は素朴な温泉宿が立ち並ぶ静かな処だが国の重要文化財日向見薬師堂があったり、無料の公共湯があったりする。近年ではアニメ、千と千尋の神隠しでモデルとなった老舗旅館積善館があるので特に女性に好まれて一躍有名になった。女子の行くところ男子ありでまったく最近の男子の節操のなさと言ったら・・・

温泉行の説明をすると山友も喜んで賛同してくれた。宿は勿論、飲み放題プランがあり首都圏から格安送迎付きの宿を選んだ。

四万温泉にも伊藤園グループが運営する宿がある。さいたま新都心から往復送迎バスがでており平日はなんと無料で送迎してくれる。なんと太っ腹の宿だろう。早速HPを開いて空き状況を見る。18日はすでに満室だが19日に若干の空きがあるので素早くネットで予約を入れた。

夕朝食バイキングながら夕食は90分お酒飲み放題つきである。これで¥8250(税込)だから恐れ入る。ちなみに電話で予約を入れると一人あたり¥320ほど割り増しになるのでご注意を、ネット予約だと記帳の事務処理が省けるからだろうか、なかなか粋な計らいではないか。

伊藤園の往きのバスの出発時刻は遅い。さいたま新都心に10時40分集合、50分発である。この送迎バスは新宿始発だからやむ得ないだろう。

バスは金曜日だというのに8割方埋まっていた。新都心を定刻に出発し関越道を一路渋川へ、渋川で高速を降りて水沢にある上州物産館なる処に立ち寄り昼食をとる。

館内はわさわさと大勢の人が出入りしている。皆さん当然のように名物水沢うどんを注文している。

なんかほかのメニューを注文するのがはばかられる雰囲気なので我々もうどんを注文するがこれが、旨くもなんともない。冷凍または乾麺の方が余程旨い。まあ、こんな大勢立ち寄る店で味を期待するのは酷とは思いますが・・・

その後バスは伊香保温泉にある伊藤園経営の3軒の旅館に立ち寄って乗客の半数以上を降ろしてから四万温泉に向かう。四万温泉に14時40分着、予定到着は15時20分だから随分早めに着いた。

旅館は見かけは2階建て(実は3階まである)で無粋な鉄筋コンクリートのビルとは違い風情があります。

宿で受付を済ませて宿泊料を支払う。そう、伊藤園は前払いなのだ。お帰りは勝手にどうぞという訳だ。まったく世話のない運営システムだ。


夕食まで時間があるので宿から歩いて5分のところにある国の重要文化財に指定されている日向見薬師堂を見に行くとしよう。


宿を出て左に道をとります。道の右側の斜面に紫陽花が綺麗に咲いていました。ここ四万温泉は標高700mと高いので紫陽花も今が盛りです。


鄙びた小さな旅館を数軒過ぎるとほどなく薬師堂の山門が見えてきました。

【山爺の一言メモ】

 日向見薬師堂
現在の日向見薬師堂(本堂)は慶長3年(1598)伊勢国山田の鹿目喜左衛門が領主である真田信幸(上田城の城主真田昌幸の長男、沼田城の城主)の武運長久を祈願して再建したもので寄棟、茅葺、平入、桁行3間、梁間3間、外壁は真壁造り、素木縦板張、四方浜縁、出組や桁の形、板蛙又の絵模様、木鼻の渦巻等室町時代当時の建築様式である和様と禅宗様の折衷様式をよく残しています。日向見薬師堂は現存する群馬県最古の御堂建築として大変貴重な事から明治45年(1912)に国宝に指定され、昭和25年(1950)に法改正に伴い国指定重要文化財に指定されています。

群馬県に国宝なしとよく言われるのですがそういう意味ではこのお堂は貴重な史跡です。貴重な遺産のはずなのに消火栓・放水銃といった消防用設備が見当たらない。ちょいと心配な気がする。

お堂の横の広場には御夢想の湯という公共湯がありますがここが四万温泉発祥の地なんだそうです。

御夢想の湯に入れるのは9時~15時までなので今日は残念ながら入れません。また明日訪ねて入ろう。

宿に戻り夕食前に一風呂浴びるとしよう。お湯は単純泉のようだ。無色透明で硫黄臭がしない。温泉好きの山爺としてはちょっと物足りないが綺麗なお湯だ。入口に飲泉用のお湯が出ているので飲んでみたがクセのない軟水みたいな味だった。

大浴場は翌日の朝に男女の場所が入れ替わるからそそっかしい人は気をつけて入らなければなりません。


大浴場からちょっと離れたところに貸切湯が2箇所あるので行ってみる。途中、老夫婦とすれ違った。表示札が空きになっていて貸切風呂が1箇所空いていた。札を”入浴中”にひっくり返して中に入る。中は予想に反して広い浴場だった。脱衣場に10人以上脱衣カゴがありトイレまである。

おそらく旧館時代はここが男女の大浴場だったんだろう。
先ほどの老夫婦も何十年か振りで夫婦水入らず一緒の入浴をのんびりと楽しんだに違いない。実に良いことだ。

風呂から上がって部屋に戻ってしばしまどろんでいたら早、18時だ。さあお待ちかねの夕食タイムだ。


夕食券をもって会場へ。座席はめいめいが指定席だ。宿の細かい配慮が嬉しいね。嬉しいけれど我々の席は元宴会舞台の上(2組分)だ、目立ってしょうがないが、遅く予約したため条件の悪い場所が割り当てられたんだろうと諦める。

バイキングメニューは握り寿司あり牛鍋あり刺身も沢山、山爺の好きなものがずらりと並んでいる。締めのデザートにアイスクリームまであるゾ。堪らんのう。

同じ形式で営業している頭に鳥の名前がついた〇〇グループとは格段上の美味しいメニューがずらり。食事タイムも90分とたっぷりある。だから伊藤園は若い客層が多いんだろうなあ。今日も幼子を連れた家族や若い女性グループ、中年組そして山爺年代と多彩な顔ぶれだ。子供たちが小さな浴衣姿ではしゃぎまわっているのがなんとも微笑ましい。

一方の鳥〇〇グループの利用者は高齢者が多いからかメニューは豊富ではないし夕食タイムは60分。高齢者はそんなに食べられないから、あれはあれでいいのかと納得です。

その代わりあちらのグループはイベントをオプションに入れて宿の近隣の観光地に送迎したり直営の人情芝居会館などで客寄せをしている。あちらにはあちらの特徴があります。

いそいそと、料理の置いてある場所や飲み物コーナをせわしなく往復、今日ばかりはダイエットモードは休日、ビール用と食事用、胃袋が二つ欲しいと思う山爺でありました。

いやあ、食った、呑んだ、大満足のうちに夕食会場をあとにしました。しばし部屋で休憩して、さて次はカラオケだ。

伊藤園に限らず鳥グループにも館内にカラオケルームがあるのも特徴だがここホテル四万にはカラオケルームが1箇所しかなくお客達が仲良く利用することになっている。

覗いてみると先客が2組入っている(夫婦らしき初老カップル)山友が気後れしたので参加は諦めて、もう一度温泉に入ることにする。

翌日のバイキングも品数は豊富でダイエットモードは停止状態のままだ。うどん・温泉卵・パンにコーヒーといつもの3倍は胃袋に入れてしまった。いや、朝食のうどんの旨かったこと。昨日の水沢うどんより断然旨い。つい、おかわりをしてしまいました。

普通の旅館は9時~10時がチェックアウトだがここの旅館はさにあらずなんとチェックアウトが12時なのです。そんなわけで2度目の朝風呂にゆっくりと入ります。
しかも帰りのバスは15時30分発とゆっくりなので温泉街を散策する時間がたっぷりあるのが嬉しい。

11時に部屋を出て荷物をフロントに預かってもらい温泉街の略図をもらって、四万温泉街の散策に出かけます。

まずは昨日入れなかった御夢想の湯へ、がらりと木戸を開けて温泉内へ、先客が一人います。いやあ、湯船小さっ!大人3人も入ると満杯だ。お湯はかなり熱いです。いつまでも長居出来ないようにする策でしょうか。


次は、かの有名な積善館がある温泉街へ行こう。宿泊ホテルの前を通過して谷川の景色眺めながら坂道をゆっくり下ること30分で温泉街へ入る分岐点に、右手の温泉街に下る坂道を降りて行きます。

大きな沢を渡ると3丁目の夕日の 世界が目の前に広がった。・・レトロ溢れる路地を抜けると赤い橋が見えます。

ここが千と千尋の神隠しの舞台になり一躍有名となった積善館です。日帰り入浴も¥1200で受付けています。

山爺は、この先に公共の湯、河原の湯が待っているので外から眺めるだけにしておきました。



スマートボール場などがあるレトロ感満載の路地を抜けます。スマートボール場は若い女性でいっぱい、きゃあ、きゃあ言いながら玉を弾いてます。若いということのなんと素晴らしいことか。熟年親爺の割り込む余地がありません。

大きな温泉宿(四万グランドホテル)の渡り廊下の下をくぐると広場に出ます。左が四万グランドホテルの玄関先です。ここに河原の湯があります。



文字通り河原に作られています。建物の外観はまるで戦場のトーチカみたいな作りです。

中に入ると御夢想の湯ほどではありませんが湯船はやはり小さい。 幸い先客がひとり出て行ったばかりで誰も入っていない。早速、頂こう。お湯にザブ~ン! 郷ひろみではないが、あっちち!あっちぃ! やはり熱いや!。


旅館じゃないから脱衣場にクーラーなんかない。汗だくになって表に出る。表は涼しいのでしばし湯涼み。


こんなにのんびり過ごしたのにまだ12時ちょい過ぎだ。バイキングの食い過ぎで山爺も山友もお腹がすいていない。もうちょいと温泉街を下ってみよう。


ここから先は郵便局や信用金庫、雑貨屋といった実生活の匂いのする町並みだ。



でも飲泉場といったこ洒落た施設も整っている。道の両側には小さな旅館が何軒も商売を続けているようだ。各地の温泉街で大きな旅館がバタバタ倒産しているというのに、はてさて、商売というものは難しいものですねえ。


温泉街の外れについた、この先もしばらく歩くとまた温泉街があるようだが疲れたし戻る時間も計算しないといけないのでここで引き返し。


相変わらずお腹が空かない。河原の湯の側に温泉饅頭を製造販売しているお店がある。家に土産を購入したついでに1個¥80の饅頭を2個買い求めて小腹の足しにする。

元来た道を歩いて戻る事にする。途中の道路沿い大泉の滝と表示されたところまで戻ってきた。




まだまだ時間はたっぷりあるし、ここまでくれば宿までもう少しなのちょっと昇り降りが大変だが滝を見に行こう。

5分も下ると観瀑ポイントに着きました。なんだ思ったより近いじゃないか


落差こそ少ないが水量もあり、ななかなか見ごたえのある滝です。帰りがちょいと大変だけれど一見の価値アリでした。

2時前に宿に戻って来ました。ロビーはバス待ちのお客で一杯です。荷物を受け取りソファーに座って一眠りするとしよう。

定刻の15時30分にバスが出ました。往きと同じで帰りも伊香保温泉の3軒の旅館に寄ってお客を収容し一路新都心へ。新都心へ19時10分ころ戻ってきました。

いやあ、今回の旅は結局24時間も宿に滞在したことになります。3日も4日も旅したような錯覚に陥りました。これで1万円でお釣りが来る。山小屋では何も出なくて板の間に大勢でごろ寝で¥7000、お金の価値観について改めて考えさせられる旅となりました。

【狂歌】

・老いも 若きも幼子も 仲良く並んで 食選び ほっこり夕食 バイキング
とりわけ幼子の嬉しそうな顔には和まされました。アイスクリームを自分で取り放題、子供にとっては夢の世界です。

・いちどきに 並んだ料理に 目が泳ぎ 迷うて思うは 胃が二つ
料理食べれば酒が飲めない。酒飲めば料理が食えなくなる。いやあ、困った困った。

【川柳】

・熱くても 文句言えない 只のお湯 
なんで公共湯って熱いんだろう。タダだから文句も言えないが志と書いた募金箱があります。¥100投入。
・狭い湯に 男子(おのこ)同士は ちと恥ずい。
四万温泉の公共湯はなぜか湯船が小さい。大の男同士が入るのはなんかちょいと抵抗がありますねえ。


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