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2016年8月20日土曜日

雲取山縦走 後編

昨日の寝不足でぼ~うっとしながらも、6時15分、それなりに楽しかった七ツ石小屋を後にする。小屋の人によれば昨日の混み様は本当に珍しいとのこと、であれば秋に再度、訪れてみたいと思う。
早朝の山道を再び一人とぼとぼと歩き始めました。早朝の山道は森の木々の香りや木漏れ日の当たり具合と言った独特の雰囲気が気分を和らげてくれる。心なしか元気も回復したようだ。20分ほど歩くと七ツ石神社に到着。荒れ果てた神社である。

ここの神様の風体は髭や髪ぼさぼさの御仁に相違ないと一人ごちた。

神社を過ぎるとすぐに大石が二つころがっているところが現れた。

これが七ツ石の片割れかなと思いながら通過、6時45分、七ツ石山の山頂に到着。




山頂には昨日の山小屋の若者たち数人がすでにいた。聞けばヘリを待っているとのことである。着陸は出来ないがここでホバリングしロープで荷降しをするのだそうである。

なるほど爆音が聞こえる。ほかに頂上にいるのは、さっき私を追い越していった親子連れが一組だけである。
この親子とお互いに登頂記念の写真を撮りあった。

先を急ぐので早々に別れを告げて一路雲取山方面に下る。石尾根は眺めもそこそこあり快適である。

山道を一気に下ると再び登りとなる。頭上をロープを垂らしたヘリが一機通り過ぎてゆく。石尾根はなだらかな広い道との情報だったが、なるほど広い道である。

んん!広すぎるなこれは!ヘリポートに到着だ。やけに広いはずである。先ほどの小屋の人によれば、このヘリポートは人の昇降専用だそうな。ええ~いくらで乗せてくれるのかな?ここからなら雲取山も楽だなぁ。と思いつつ、ここを過ぎると、まもなく奥多摩小屋に到着した。

当初はここに宿泊する予定でいた。口コミがいまいちだったので今回は遠慮したが泊まってみたい雰囲気ではある。










ここからはいよいよ雲取山への登りである。天候もまずまずで左側の視界が開けている。位置的には飛龍山だろうか?その奥の小さな三角山は次の登山予定の笠取山かな?。
寝不足のわりに今のところ快調である。
小雲取山を越えると目指す雲取山がついに視界に入りました。



もう少しです。頑張んべぇ!。

見えているのになかなか近づきません。山ではよくあることですが、これが何とも辛い。

避難小屋へやっと到着。山頂はこのすぐ上です。


小屋の中をチェック、なかなかきれいである。トイレも完備されており、いいじゃん。しかし今の私の体力ではここまで1日で到着するのは無理だろうなぁ。         ショボン!(´・ω・`)

9:20ついに頂上へ到達!実に47年ぶりである。山頂の記憶もほとんどない。ない、ない、あれぇ!雲取山の看板がないぞ。

見ると山頂でおじさんたち・・・
ってワシも同類のおじさんだけど、工事の真っ最中である。・・・『すいませ~ん。雲取の看板は?』・・『ああ、腐って落っこちたので今、交換中だよ、』・・『ええ~!そんなあ!証拠写真が撮れない!』!

仕方がないので、付近の方位盤の横で居合わせた登山者とお互いの不幸を愚痴りながら交互に記念撮影。プンプンヽ( `Д´)ノ 

昨日、小屋のお兄さんが『雲取山頂には落とし穴があるから気を付けて』と言っていたが、なるほど大穴が3個ほど掘ってある。

これだったのか。今その謎が解けた。えらいときに登ってしまった。まあこれも貴重な体験か!と納得する。

山頂で持ってきたフルーツ缶詰を開けて食べようとしたがスプーンがどこかに潜ってしまって見つからない。え~い!フタを丸めて代用。いやぁ、食いずらいこと。

景色を眺めようとしたがさっきまで晴れていたのが嘘のように周囲が雲だらけで視界ゼロ、さすがは雲取山だ!と妙に感心する。

ここから、いよいよ反対側の秩父方面への下りに入る。引き返すなら今だが予定通りGO!時間は9:40、ほぼ計画通りだったが、昨夜の寝不足が災いし、ここからペースが徐々にダウン、悲惨なことになる。

急な道をひたすら下山する。いやぁ、登りに使用しなくてよかったわい。まもなく雲取山荘に到着。47年前は素朴な感じの山荘だったと記憶しているが、皇太子殿下御用達になってから立派な山荘に変貌、個室、水洗トイレ(上履きに履き替えるので通過登山者の評判は悪い)だそうな。

この山荘を利用するには三峰口方面からが最短となるが延々ときつい登りが続くので大変だ。にも関わらず、山ガール・山姥に大人気だとか。こういう山荘は、おいらの趣味ではないなぁ!。

休憩も取らずに通過、更に下ってゆく。10:40、大ダワというところに到着。雲取山は人気の山だけに登山道はよく整備されており歩きやすい、確かに本格登山の入門に適しているようです。



さらに下降し芋の木ドッケに12;10に到着、このあたりから休憩する度に眠気が襲ってきて体がだるくなってくる。

人のせいにはしたくないが本当に昨夜はアンラッキーであった。睡魔に襲われ、歩きながらウトウトしバランスを崩し転倒、転落でもしたら大変なことになる。・・・私は過去に夜行列車で南アの広河原に明け方到着、そのままスーパー林道を歩き出し寝ぼけて転倒した経験があるので二度とそんな目には遭いたくない。

 そんな体の状態のときに白岩山のきつい登りに出くわす。

47年前の記憶だと下りばかりの楽な道と記憶していたのだが、それは若くて体力が有り余っていたからだったと今更、気が付いた。

改めて地図で確認すると、雲取山の標高が2017m、白岩山の標高が1921mで96mの差でしかない。『ええぇ~あんなに歩いたのにたった96mかいな』 三峰神社まであと921m降りにゃあ、あかん。とガックリする。

登ったり降りたり、を繰り返しながら先へ進む。『結局、登っているではないか!俺は下山したいんだぞう!なんなんだこの山は!』 腹立ちながら歩いていると、すぐそばの茂みでガサッと音がした。
『えっ熊!』一瞬そう思い体が凍り付く、明らか茂みからじっとこちらを見ている二つの目。茶色い模様の動物だ!なんだ鹿か、脅かしやがる。カメラを向けると逃げ出し一定の距離を空けてから悠々と葉っぱを食べ始めた。結局白岩山に着くまでに都合3頭の鹿に遭遇した。

白岩山の頂上はベンチもあり登山者の休憩ポイントである。ここに来れば食べ物の残りをもらえることを覚えたのであろう。人なれした鹿達と見受けた。
 
白岩山12:25分到着、疲れに暑さも加わりいよいよ予定より遅れだしてきた。昔勤めていた会社経営者の春闘回答時のセリフではないが、先行き不安!。

白岩山で記念写真を撮ってもらいました。また自撮りも!

旧日本兵のような帽子後部のひらひらは熱中症予防のアルミ布性のカバーで、これを付けていると後頭部が熱くなりません。優れものです。ワークマンで見つけて購入、山にゴルフに重宝しています。

ほかにも、ワークマンでは山で使えそうなものが廉価で沢山あります。ワークマンが我が家の近所にあることも手伝ってよく買い物しています。なにも高級スポーツ店に行かなくても仕事も山歩きも便利性と安全確保という共通の目的があります。ベストなんか、いいのが揃ってますよ。皆さん一度訪れてみてください。・・ワークマンから宣伝料振り込まれないかな。(^0^)/


白岩小屋の廃屋に12:50到着、計画より相当遅れている。15:30分のバスに乗るつもりだったが、ここからあと3時間はかかりそうである。絶望感が漂ってきた。これというのも昨夜の酔っ払いのせいである。ヽ(`Д´)ノプンプン
昼食もまだで腹が減っているので、ここで大休止を取る。ザック内にはカップ麺があるがこれを作るまでの時間はない。非常食のレーズンクッキーで間に合わせる。

休憩していると下から大荷物を背負ったボッカさんが上がってきて、ここで小休止を取った。『三峰根神社まであと3時間くらいで着きますか?』・『ああ3時間あれば十分だね』・・この時点で15:30のバス乗車は不可能に近くなった。

まあいいか、次のバス17:30があるさ。時間が余るから三峰神社に参拝も出来るしと、気を取り直し出発する。

またまた霧藻が峰へのいやな登りが始まった。『何でこのコースはアップダウンが多いんだ、巻き道、作れや、』と独り言!・・・東京都を越えてここは埼玉県、財源がないから整備も無理か?と妙に納得しながら歩き続ける。

実際、東京側は来客者が多いせいか道もよく整備されている印象を受けた。やはり財源が豊富なせいかなぁ。舛添さんも予算が豊富なので調子に乗っちゃったんかなぁ。(笑) (^0^)/

なんて馬鹿なことを考えながら歩いていると13:15、ようやく霧藻ケ峰に到着しました。

売店が営業していて人の声がする。サイダーのおいしそうな看板が目に入るが先を急ぐ身、のんびり立ち寄ることが出来ない、トホホ。

ここを断腸の思いでスルーし、階段を下りるとすぐに昭和天皇の弟君であられた有名な秩父宮様ご夫妻のレリーフが目に入りました。秩父の山をこよなく愛した人だそうで、だから秩父宮と言う・・って嘘だよ!

宮号創設の由来は秩父嶺が帝都所在の武蔵国の名山であり、雍仁親王邸の西北に位置したことにちなみ選定されたそうである。・・これ本当の話、登山が好きでマッターホルンに登ったりもしているようである。



現皇太子様もこの人に刺激を受けて山好きになったのかなぁ、と考えながら写真をパチリ!。








三峰神社まであと2kmの標識を確認した。山道なのであと1時間くらいか?。

ここまで来たらあと少しなので、気がせいて自然と早足になる。

いかん、いかん、ここで無理をして足・膝・腰を痛めたら大変と大事を取って、休憩を取る。・・・勝って兜の緒を締めよである。
・・あれぇ!勝ってないか、今回、負け戦。



小さなお地蔵さんが鎮座まします祠があったので残り道中の安全祈願をし、お賽銭を奉納する。さあ、ゴールは真近である。

三峰神社の奥之院のある妙法寺分岐を通過する。余裕があれば参拝したいところだが時間が押しているので諦めることにした。


妙法寺の方から手ぶら姿の若い女性二人が降りてきた。山ガールではない。観光スタイルだ。





やった、ついに三峰神社のエリアに到達した。見事に整備された杉の参道を下ってゆく。気分は凱旋ロードを行進しているつもりになる。

下の方が明るくなり車のエンジン音や騒音が聞こえてくる。今回の山旅もゴールは真近だ。

腕時計は17時ちょうどを指している。三峰神社参拝の夢はこの時点でぱあ~になる。

駐車場が眼下に見える。ほどなくバス停に到着した。ついにゴール!、時に17時10分、昨日6時間、今日は11時間、実によく歩いた。・・山爺もやれば出来るもんだ。・・なんだって!年寄りの冷や水!だとう。

下山後は立ち寄り湯に入るのも楽しみの一つだが今日は時間的に無理なのでザックから着替えのTシャツを取りだしトイレの洗面台で汗を拭きとり着替える。・・・公共機関には汗臭いまま乗りたくない。こういうところは昔から気を使ってます。エライでしょう。


最終バスであるが乗客は10人以上も待っている。定刻通りバスが到着し、ほどなく出発、一路三峰口駅へ!

三峰口駅へは18時15分に到着の予定で、秩父線は18時15分発があるが、これには乗り継ぎ無理だろうなあと思いながらウトウトする。もういくら寝てもよいぞ、よく頑張ったと自分に言い聞かせるが気持ちが高ぶっているせいか寝られない。

定刻通り18時15分に三峰口駅到着、小さな駅だからホームが見える。あらら、15分発の電車がまだ停車している。どうも連絡待ちしてくれている様だ。

いそいで券売機に適当な小銭を放り込み乗車券を購入、あたふたと乗り込む。ローカル線は親切だねぇ。乗客の皆さんもそのへん分かっているのか悠々と乗り込む人もいる。

定刻5分過ぎに電車は出発、一路熊谷方面へ。

無事に最寄りの駅にたどり着いたが、まっすぐ家には向かわない。山の帰りは行きつけの居酒屋に凱旋するのを常としており、今回も店の親爺に事前に山行を告げているのでなんぼ疲れていようとも寄らないわけにはいかない。家路までは日暮れてなお道遠しなのである。

雲取山縦走・・完