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2020年2月2日日曜日

20年度新春富士塚詣


18年の1月に気まぐれ酔狂から東京の品川にある富士塚を訪れたがこれが結構面白い。去年は千駄ヶ谷の鳩森神社にある富士塚に詣で1年間の登山・旅行の無事を祈願した。お陰さまで齢70歳にして残雪の谷川岳山頂に立ち、無事帰ることができた。

こうなると今年もどこかの富士塚に詣でなければなるまいとの強迫観念が起きる。

HPで調べてみると都内には沢山富士塚があり当分選択には困らない。今年は池袋の近くにある護国寺の塚を訪ねよう。

護国寺という名称だから国を守るために発起したのだろう。創建は鎌倉時代以前かな、と勝手に思っていたら意外と歴史は浅く、5代将軍の生母桂昌院により建立されたのだそうです。

桂昌院といえば3代将軍家光の側室お玉の方で5代将軍綱吉の生母である。京都の二条家の家司出身とされているが、元は京都の八百屋だか畳屋の娘であったらしい。家格をつけるために公家の養女となってから家光のもとに、よく言うところの玉の輿に乗るとはこれに由来する。

庶民の出だけに何かに付けて権威が欲しかったのかなあ。のちに女性としては破格の従一位の官位まで登り詰める。あの家康さんだって生前は従一位(征夷大将軍の位)止まりだ。従一位となってからも桂昌院さんの欲望には限りがない。仏教に深く帰依し、いろいろな政務に口出ししている。護国寺の建立もその一環である。いきなり思いついたようにぶっ建てたもんだから檀家なんかいない。運営費用は幕府持ち。この建立が、のちのち幕府の財政の足を引っ張る存在となる。

山爺の一言メモ】

護国寺

東京都文京区大塚にある新義真言宗豊山派の寺。神齢山悉地院と号する。1681(天和元)年、5代将軍徳川綱吉の生母桂昌院の発願により、上野国(群馬県)碓氷八幡宮の別当、大聖護国寺の亮賢僧正を招き開山とした。1717(享保2)年神田にあった護持院が焼けたのち、護持院と称したが、明治になって護国寺という名に戻った。


地下鉄有楽町線のその名も護国寺駅で降りて地上に出ると護

国寺の正門前に出られる。桂昌院の怨念の成せる技か?すこぶる地の利が良い。



山門をくぐると右手に鳥居が見える。

あの鳥居の奥に目指す富士塚がある。


鳥居のそばに歌碑があった。

からすの赤ちゃんなぜ泣くの?何なんだ、この歌碑は?

海沼実、作詞作曲と刻んである。

のちほどHPで検索して調べたところ、この先生がここ護国寺で『音羽ゆりかご会』という童謡合唱団を創設した、とありました。昭和8年の出来事です。

ははあ、為になるねえ。これだから積極的に外を歩かにゃならんねえ。

さて、鳥居前で目礼してから、いよいよ富士登山だ。

一丁前に1合目の標識まである。

標識の側面に文化14年と刻んである。(1817年)200年以上の歴史がある富士塚のようだ。高低差は7mだそうです。



随所にある岩は、ほかの富士塚と同様、富士山から運んだ溶岩です。


1分もすると山頂です。こんな楽な登山はない。(^。^)
 

山頂からの眺めです。

お賽銭をあげて木花開耶姫のご機嫌を伺う。





山頂の裏にはこんな山道もありお寺の境内まで続いていますが途中に柵があり境内には直接入れません。


山茶花が一輪遅れ咲き・・でもないか、蕾があるわ。


あっという間に富士登山も終了。ここはお寺なので社務所はありません。

さて、本来の目的は終了ですが、せっかくだから護国寺の境内を覗いてみよう。




長い石段を上がると左に多宝塔がありました。

雰囲気は誠によろしいのですが石山寺にある国宝の多宝塔を模して昭和13年に建てられたものです。

 
ということは、この辺はあの大空襲から難を逃れたということになりますね。












 右手には地蔵さまが6体鎮座ましましております。傍らに説明書きが・・消えかけて読みにくいのですが、人は亡くなると六つの世界に行くのだとか・・いわゆる6道輪廻で六つの世界とは『地獄』『餓鬼』『畜生』『修羅』『人間』『天上』だ。


もしも輪廻があるのなら、また人間やりたいな、今度はうまく世渡りするぞ。


天上人も良いけれど、かしこまって良い子でいなければならないから退屈そうだ。地獄・餓鬼・畜生道は御免こうむりたいものだ。修羅とはなんだろう。いまのシリアみたいな世界かな?


 本堂に行こうと駐車場を横切ったら乗用車がえらい勢いで山爺めがけて進んでくる。どけどけと言わんばかりの勢いだ。

中を覗くと運転しているのは坊さんではないか。仏に使える身でありながら、なんて運転をするんだ。途端に参拝する気が失せ護国寺を後にした。


【川柳】

・老いぼれめ そこのけそこのけ 坊さん通る・・・盗作

20年度新春富士塚詣での項・・・(完)




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