南浦和で武蔵野線に乗り換え西国分寺駅に6:49到着、このころには車内は通勤客でいっぱいに、山爺としては肩身が狭くなる。なんの!ワシだってこれまで皆さんと同じに、いっぱい働いていたんだゾ、と自らに言い聞かせる。
ここからは7:09発の青梅行きに乗り換え青梅へ、下りなのでさすがに通勤客姿は激減、ちらほらと山姿のご同輩も乗っている。やっと安堵・・(^ε^;)
青梅から反対側に待機している電車に乗り換え8:38やっと奥多摩駅に到着!って、のんびりしていられない、バスが8:42発なのである。しかも手持ち切符は途中まで。精算所の駅員は、と見ると反対側を向いて客と商談中・・冗談じゃない。おーい!失敗したなぁ、西国分寺でいったん下車し清算しておくんだった。この後のバスは1時間後だ!思わず『すいませ~ん!』と声をかける。しめた話が終わり振り向いた。清算もそこそこに改札を出たが、もう42分過ぎである。あちゃ~!あかん!
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バス停に行くと人が何人か整列しているバスがあった。西鴨沢行だ。なんだ待っててくれるのか、やれやれである。乗車後しばらくしてから出発した。・・そうなら時刻表の時間変えてくれ!焦るじゃないかいな。まてよ!急いで乗せるためのバス会社の作戦かな?(のんびりと用便済ませてから出てくる輩、防止作戦)
バスは山また山の中をグングン高度を上げてゆく。天候もまずまずで気分が高まる、いいねえ。出かけるまではおっくうだが山に入ってみると『ああ!やはり来てよかった』となる。
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今回の山旅用にAmazonでザックを新調しました。おまけのストックまでついて¥5000は、まことにお買い得でありました。おまけ付きってのが笑える!・・・角のデパート・スポーツ店なら1万とはくだらない代物!今日はそれだけ頂きたいとは申しません。7千・6千・5千、えーいもってけ泥棒!
(寅次郎口上)ってなものです。ネット通販最高!。
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格安物件でしたが商品は安かろう悪かろうではなく、しっかりした作りでした。背中とザックの間に芯およびメッシュがあり体に密着しない構造となっているので背中が汗で濡れることがなく、まことに快適!。また、この芯のおかげで適当に品物を放り込んでも型崩れせず背中にきちっとフィットします。
昔のザックは、上手にパッキングするのに年季が必要で、初心者とベテランの区別がパッキングで判別できましたが、今は昨日から始めた人でも体にきちっとフィットして歩いているので身分けがつかない。困ったもんだ!。
おまけに入っていたストックは中にバネが仕組まれており地面を突くと10mmほど沈みます。いわゆるショックアブソーバー機能を備えており肩にかかる負担を軽減してくれる優れものでした。
話を山歩きに戻します。9:30いよいよ登山開始、バス停の横の階段を上り車道をしばらく行くと左側に山道が見えてきました。
熊注意の標識が!・・・ここも熊出るんかい!。今日日、どこにいっても熊注意の看板が・・看板出せば責任は回避出来るとでも思っとるのかいね・・どう注意したらいいのか具体的に注意
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『こんにちは今日はいい天気ですね。お手柔らかに』 ニコリ!てかぁ。
看板の下の方に『当地域で熊に襲われても当観光協会は一切責任は負いません』とも書く必要があるのでは?。熊注意だけでは記載不十分だゾ!。
またまた横道にそれるけど、あの熊さんの歌は発禁にした方がいいのでは?。・・♪ ある日、森の中、熊さんに出会った・・熊さんが言うのには・・お逃げなさい・・すたこらさっさ、・・そんなのんきな状況には、ならん!熊は原則凶暴だぞ!くまモンのような可愛いのはおらんて。子供が間違って覚える恐れがあるので教育上よろしくないと常々思ってま~す。(^0^)/
鴨沢~七ツ石の山道は・・はい!山の話に戻りましたよ。緩い傾斜が続くので登りやすいとの評判通りでアップダウンも少なく、ひたすら樹木の中の緩い登りが続きます。
樹木が夏日をさえぎってくれるので夏山登山としては老齢の身には、ありがたくもあります。
楽は楽ですが、だんだん飽きてきます。さらにだんだん腹が立ってきます。『なんだ、どこまで続くんだよ、この登りは、いい加減にせい!』。
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途中で私と同じくらいのペースで歩く年配者と何度か遭遇し2~3言葉を交わす。
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ここではそれで別れ、気にも留めなかったが事件はこの後、起きることになる。
堂所(どうどころ)のポイントで休んでいると下から巨大な荷物を背負ったお兄さんが上がってくる。『こんにちは、小屋の方ですか』・『そうです』・『小屋まではあとどれくらい』・・たわいもない会話をかわす。・・あと1時間ちょいだそうだ。・・『今夜お世話になります』と声を掛けておく。お兄さんはあっと言う間に私の横をすり抜け登っていってしまった。
さあ大変だ、小屋の関係者に声を掛けてしまったぞ。1時間ちょいと言われて2時間も3時間もかかったら恥ずかしい。頑張らねば!。老骨にむち打ち、ひいひい言いながら登りだす。いつの間にか傾斜も急になってきた。
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息が上がったころようやく山小屋が見えてきました。いつになっても山小屋が視界に入ったときのうれしさは格別と、確か日本100名山の著者、深田久弥がエッセイで述べていましたが本当に 同感で、この感激は今も昔も変わりません。
上から小屋の若い人が『どうもお疲れさま』声をかけてくれる。いやあ、まったく、お疲れ様である。
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小屋に入ると結構人が居る。聞けば今日は、ほぼ満席だそうである。傍らにさっきの年配者もいる。『あれ、どうも』・『疲れちゃったのでここまで』・・なんでもテントを張ろうとしたらフライシートを忘れたので断念。小屋宿泊にしたとか。
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皆さん受付待ちでロビー?(小屋のストーブ周り)で、たむろ。いつの間にか山の雑談会と化してしまいました。
受付も無事済みましたが、雑談会は、それぞれが持ち寄った焼酎やらお酒やらで徐々に宴会ムードへ、ランプも点灯し演出も最高潮!
いいね、いいね。これだから山はやめられまへん。
くだんの年配者(と言っても私と同年代)も自分で持ち込んだ焼酎のいいちこ、1Lを皆んなにふるまってご機嫌に動き回っている。
私はまだ夕飯も食べていない。あわててバーナーでお湯を沸かし夕食の準備、今日はレトルトカレーとイワシの味噌煮。んん!どこを探してもそれらがない。酔っていることも手伝って、見つからない。なにせ似たような買い物袋がごろごろしているので誰かの荷物に紛れたようである。あきらめて、ご飯に醤油を掛けただけの悲惨な夕食となってしまいました。
夜も更けてきたので(と言ってもまだ9時)、お開きとし寝床に移動する時間となりました。ここで事件発生、あの年配者が酔っ払って表で腰が抜けて動けなくなり小屋の若い人に背負われて戻ってきました。
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今日はやや混んでいるので寝床は布団2枚で3人、私の隣が、あの酔っ払いである。いやぁな予感がしてきた。
くだんの男、寝ぼけながら『すいません・すいません』『はい・はい』とブツブツ小1時間連呼している。うるさくて寝られない。・・・あげくに突如、うわぁと叫び出した。・・・もう我慢の限界!『うるせい!いい加減にしろ!』と怒鳴り飛ばしてやった。・・『すいません』と小さな声がしてその後やっと静かになった。
やれやれこれで寝られると思ったのもつかの間、今度は大いびきと寝返りの波状攻撃!・・・なんなんだ此奴は・・・そうでなくとも年寄りは寝つきが悪いのに、おかげで夜通し寝ることが出来ませんでした。
明け方4時頃ようやく、うとうとしたがそれもつかの間、5時には起床!最悪の一夜となってしまいました。
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5時に起床、ほとんどの人が行動を開始しています。気温は表で18度もあり、さほど低くない。下界はさぞや気温が朝から高いんだろうなぁと思う。
トイレは小屋から数m高いところにある。夜間にも2度ほど小用に来たが疲れた足には堪える。ドアーのところにアイゼンを脱いで入ってくださいとある。・・なるほどこの傾斜では冬季アイゼンも有か!・・トイレに行くのも命がけだね、こりゃ。
寝不足で頭がぼ~うっ、としている。あの男のせいである。今日の行動に一抹の不安がよぎる。
朝食の準備をしていると、くだんの男があちこち謝罪して回っている。私のところにも来た!。『昨日はご迷惑をお掛けました』 『ああ、お酒はほどほどにね』ニコリともせず不機嫌そうに低い声で答える。・・謝るくらいならそんなに飲まなければいいのに。
今日は三峰口まで長丁場、支障なく踏破出来るか心配だ。・・と内心思っているので笑顔で許すことが出来ない。
朝食も済み、水をペットボトル3本補給し、朝6時15分いざ出発。
目指すは七ツ石山経由で雲取山、白岩山、霧藻ケ峰を経て秩父の三峰口へと抜ける長丁場のコースである。
後編に続く。