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2020年12月1日火曜日

那須岳登山敗退記


コロナのおかげで今年は目立った山に登れないでいる。なんたってあなた、北アルプスや八ヶ岳などのメジャーの山小屋は軒並みコロナウイルス対策と称して宿泊費をべらぼうに値上げしている。

一時は食事の提供がないせんべい布団支給の素泊まりでありながら¥9000の値が付いた山小屋が散見されて山爺を呆れさせた。

さすがに価格を釣り上げ過ぎたと反省したのか今は¥7000~¥7500位に落ち着いたようだが、今持って素泊まり¥8000と強気の値をつけている小屋もある。

値上げの理由はコロナの感染リスクを避けるためタコ部屋営業が出来ないからだろう。だからといって簡単に値上げしてよいものか。旅館や飲食店がコロナ対策でソーシャルディスタンス対策を施しても値上げには踏み切れないでいる。値上げしたら客足は確実に遠のくからだ。

一方の山小屋はどうだろう。コロナ流行にも関わらず相変わらず登山愛好者はメジャーな山岳へせっせと足を運ぶので一部の山小屋経営者は売り手市場をいいことに平然と値上げをしている。なかには料金据え置き、今までの料金で経営を続けている良心的な山小屋もあることを付け加えておきますが・・・

物の価格を決める場合、バブルの頃は材料費+人件費+諸経費+利益の合計、いわゆるかかっただけを請求する商売をしていたのだが、デフレ基調の今の世の中はそれが通らない。消費者も賢くなった。初めに販売価格ありきなのである。いわゆる値頃感というやつだ。世間が求める値段に原価が追従できない業者はやがて経営破綻する。ゴルフ場の経営が良い例だ。経営が破綻して続々とソーラー発電所に様変わりしている。

山小屋の経営も我々団塊世代が山へ入れるうちはなんとか持ちこたえるだろうが、あと7~8年も経過したら足腰が弱りどうなるかわからない。多くの山小屋が経営破綻し無人化、テント持参の山登りスタイルに様変わり・・・わはは、偉そうなことを述べてしまった。爺の戯言と思って聞き流してくれたまい。

¥8000の予算があれば、I社やO社が経営する格安温泉でお酒付きのバイキング料理に舌鼓を打ち、温泉入り放題、広い部屋を1人で占有しふかふか布団に就寝できる。どちらが有効なお金の使い方かは皆さんの判断にお任せします。

山爺は今の異常な価格設定の状態が続く限り、そういった山岳地域には足を向けられそうにありません。しかしながらこのままでは例年、友人に送る年賀状の挿絵(山爺の自慢しいの登山勇姿画)が今年は撮れないでいます。

で、10月末日にGOTOキャンペーンを利用して那須岳に登り記念写真を撮ってからふもとの温泉に宿泊する計画を立てた。

久方ぶりにザックを荷造りし早朝に家を出て10時に那須のロープウェイに到着した。紅葉はもう終了で枯葉状態、ありゃあちょいと遅かったか。

ロープウェイは動いているようだが猛烈な風が吹き、流れ雪が吹き飛んでいる。迂闊にロープウエイに乗ると山頂駅で運行停止し動きが取れなくなる恐れがある。

仕方がないから登山口から徒歩で茶臼岳山頂を目指す。強風が吹き荒れるので体感温度がぐんぐん下がり、とにかく寒い。
もともと峰の茶屋(峠)を吹き抜ける風の強さは天下一品
冬期は風で吹き飛ばされて多数遭難者がでているくらいだ。

潅木帯を抜けると更に風が強くて恐怖心さえ起きる。いよいよ進退が極まった。上から続々と登山者が引き返してくる。傍らには飛雪が積もり始めた。だめだこりゃ、ここで山爺も撤退を決意する。温泉じゃあ、温泉じゃあ。とつぶやきながら下山。

とっととバスで湯本温泉まで引き返して徒歩で目的のO温泉に向かう。

ここまで下りてくると風雪がぴたりと収まった。癪にさわるがしかたがない。枯れ残った紅葉がせめてものなぐさめだ。

30分も歩いたら温泉宿が見えてきた。さっそく露天風呂に入り(かけ流しなので微温っ)冷えた体を温める。夕食はうなぎとすき焼きが主食でお刺身が少々、副食をバイキングで自由にチョイス。おまけにお酒が1杯ついている。2杯目からは¥100だって。安くて涙が出るわ。(^ω^)

GOTOキャンペーンの恩恵に預かったのでこれで¥5000なにがしの料金だ。帰りには地域クーポン¥1000までいただいた。これじゃあ、浴衣も歯ブラシも出ないせんべい布団の素泊まり山小屋へは当分行く気がしないあ。


【川柳】

・山小屋よ さらば当分 温泉へ

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