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2022年9月1日木曜日

涼を求めて奥日光(切込み・刈込湖探訪記)

 コロナ・コロナと喧騒な世のになって早2年有余、ガンマだのデルタだのオミクロンだとか、はてはBA5とか、飛行機の機種じゃねえっつうの。もう訳がわからん。

最初のころのコロナは罹患しにくいけれど重症化になりやすい。今のBA5は感染力が大だが罹患しても循環器系の損傷が少なくて軽症で済むとか。あたかもコロナめに知能があり生き残り戦略かけて人類と共存しようとしてしているのではないか?、と思うのは山爺だけかなあ。

そうであれば水疱瘡ウイルスのように早いとこ人体潜伏型になって大人しく人間の体内に潜り込んでひっそり暮らしてもらいたいものである。

第7波のコロナ感染が高止まりの今日日、とてもじゃないが人ごみのなかに出かける気が起きない。さりとて日がな家にこもりきりで、座して寿命を迎えるのは口惜しい。

山歩きとゴルフだけが密を避けられる活動と山爺は信じ、今のところこれだけは止めるつもりはない。

かつて一度だけ歩いた谷川連峰の仙ノ倉山2026mと平標山1983m(画像上)にもう一度行きたいと予てより思い都度、機会を狙っている。この山々2000mをちょいと越した程度だが豪雪地帯に位置しているので3000m級の山々に引けを取らない風貌を備えておりは7月~8月は高山植物も咲きそろう。

これまでは7月半ばに梅雨が明けて後半からお盆過ぎまで晴天が続くのが日本の気候だった。が、今はどうだろう。6月末に気象庁観測史上最も早い梅雨明け宣言が出たと思ったら数日を経て再び梅雨のような日々が続いている。

東北・北海道では線状降水帯現象で記録破りの大雨災害が何度も発生している。これまで”梅雨のない北海道にいらっしゃい”が観光の目玉だったものだが最近は毎年のように北海道各地で梅雨前線による洪水の被害、件の伝説も消え失せた。

今回の梅雨明け宣言は気象庁のフライイングではないかと山爺は思っている。

山行きの下調べで事あるごとに2週間天気予報を見ているが晴天は2日と続かない。そのくせ気温は35℃超が連日続く。こんなことは昔は起きなかった。暮らしやすかった日本の夏よ、どこに行った。

コロナ感染拡大と天候不順、これをいいことに連日怠けてぐうたらしていたら、散歩に出ただけで息が上がるようになってきた。これはいかん。なんとかせねば、でも連日35℃超えの今の時期に低山を歩くのは自殺行為だ。どうしたものか?そうだ、涼しい奥日光でも歩いてみるか。

山爺、体力メーターがゼロに限りなく近い。白根山や男体山はとてもじゃないが登れそうにない。湯元温泉の近傍に神秘の湖と言われている切込み
・刈込湖というところがある。山奥深くにあるので物見遊山の観光客は入れない。

ここなら、ハイキングコースだから平坦な道だろう。湯元温泉からこの湖へ。余裕があったら光徳牧場に抜けてアストリアホテルの立ち寄り湯で汗でも長そう。と、迂闊にも軽く考えた山爺であった。

かねてより奥日光には東武鉄道が便利な周遊券を発売していることを知っていた山爺は最寄駅でそれを購入して列車に乗り込んだ。

周遊券は下今市から鬼怒川・日光の区間がバスも含めて4日間乗り放題で¥4580だ。もちろん最寄駅からの往復運賃も含まれている。普通に乗車券を購入して湯元温泉まで乗り継ぐと往復¥6330だから日帰りで利用してもずいぶんお得だ。

東武日光駅に9:18分着、ここから9:45発の路線バスに乗り換え一路、湯元温泉へ。勝手に1時間くらいで着くだろうと思っていたが1時間30分もかかって現地着、いやあ湯元温泉、遠いなあ・・ってきちんと調べたまえ。これだからB型はやんなっちゃう。

トイレはどこだ?バス停に無いんかい。まあ、トイレまで遠いこと、遠いこと、一般駐車場にそれはありました。

トイレ往復で10分以上かかってしまった。こうして用便やらペットボトル購入やで時間をロス。歩き始めたのは11時30分を回っていた。おいおい、まもなく昼食タイムじゃあないか。早くも先行き不安。

旅館の前の小道をすり抜け硫黄の匂いが漂う平らな道を進む。楽しい気分だったのはここまで、目の前にいきなり急なつづら折れの道が現れた。
登り出してあっという間に息が上がってぜいぜい、はあはあ、。何なんだこの急登は・・・30分ほど苦しむと、ぴょんと車道に飛び出た。金精峠へ通じる道路だ。ここを横切り再び山道へ・・・


少しはなだらかな山道になったが岩や木の根がゴロゴロ、時々山爺の短い足では届かないほどの段差があるところが何度も出てくる。

そんな歩きにくい登りが延々と続く。こんなところが家族向けハイキングだとう?

周囲は鬱蒼とした森林。こんなはずではと思いながらも仕方がないからトボトボと重い足を前に進める。バス降車時の、るんるん気分はとうにすっ飛んだ。


ようやく小峠というところにたどり着く。ここで大休止を取る。

コースタイムではここまで約1時間だが山爺は2時間近くかかってしまった。小峠だからここからは下りと思いきや、しばらくアップダウンが続く。

『峠じゃないじゃん、嘘つき!』とたわいもないことをつぶやきながら前に進む。なぜか脳裏にタレントの小峠のハゲ頭が浮かんで思わず苦笑。

目の前にでーんと大きな岩が行く手を塞いでいる。どこから来たのかなあ、あんな大岩。邪魔だなあ、あの上を越えなければならないのかなあ?。恐る恐る近づくと迂回路が作られていました。

この辺は白い花の群落だ。なんという花だろう。


やっと山道が下り出した。やれやれ楽ちんだわい、と思ったのも束の間、怪しげな階段が現れた。

こんな階段がいくつも続き湖に向かって急降下して行きます。上りもキツイがこんな急な下りこそ慎重に行動しないと、すっ転んだらそのままゴロゴロころがり奈落の底へ、大怪我必至だ。およそ山での事故の大半は下りで起きている。慎重に・慎重に・・て、疲れるなあこのコースは・・・


ようやく湖が見えてきました。ふえ~ぇ やっと着いた。


おお、湖面が青い、さすがは神秘の湖だ。
♫霧に抱かれて静かに眠ぅる~・・古っ!

疲れもすっ飛ぶ光景だなあ・・とは言わない。疲れたなあ。

平日だったこともあり道中、数人しか会わなかったので湖畔も誰も居ないかなあと期待していたのだが、やはり休憩ポイントだけあって7~8人がそれぞれ思い思いに休んでいました。

中にはプロのカメラマンがスポーツの撮影に使うような大きな望遠レンズで湖に狙いを定めている人も・・・。重いだろうなあ。ご苦労様です。山爺は横着して愛用のニコン一眼は置いてきた。(COOLPIXP500で撮影)

もう2時を回っている。腹が減ったなあ。急ぎコンロを引っ張り出しお湯を沸して昼食の準備だ。

今日の昼食は山崎の調理パン2個入り×2袋と顆粒のミルクコーヒー。





湖を眺めながらの喫食の旨いこと旨いこと。ようやく人心地ついて気持ちも穏やかに。

食事を採りながら飽きずに湖面を見続けながら考えた。

山頂ばかりが山登りじゃないなあ。こんなところを探して歩くのもありだなあ・・・と。


さて、時刻は2時30分、今から光徳牧場へ抜けると3時間以上は有にかかる。

夕方6時過ぎたのではバス便が多分ないだろう。ここは引き返すしかないか。

先ほど通った急な下り階段を今度は登るのかと思うとうんざりだが仕方がない。荷物を整え、いざぁ、と重い腰を上げた。
出たあ、急階段。手すりにつかまりながら喘ぎ喘ぎ、最後の力を振り絞る。

脳内麻薬が出たのか、帰路がわかっているせいなのか来る時よりも何となく体が楽に・・・違うな、帰路だから下り道が多いせいだな。

4時過ぎに金精峠の車道に出て、最後の急斜面を下りきり温泉街に戻ってきました。野生鹿の親子がお出迎え。

夕方の湯本温泉は静寂そのもの、と思いきや前方に人の輪が出来ています。聞き慣れた漫才師の定番ギャグ『ゴメンネ・ゴメンネ~』の声が。

やけに声色の上手い人がいるものだなあと感心して近づいてみたら、なんと栃木弁を売りにしている人気漫才師その人たちではありませんか。修学旅行中の高校生相手にインタビューの最中でした。旅番組のロケみたいです。山歩きの最後に思わぬ光景が待っていました。

【川柳】
・湖畔なら 楽かと誤解 地獄旅
・神秘湖は 安には見せぬ 地獄道
・声色が 似るも道理の 本芸人

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