10月に入ってようやくうんざりする酷暑が一段落した。いつもなら運動不足を解消すべ近隣の足利・佐野へ秋の低山歩きを楽しむところなのだが両地区とも市街地まで熊が出没し警戒を呼びかけている。これではうかうか里山歩きも出来ない。この歳まで無事に生きてきたのに今更熊に襲われたのでは洒落にもならない。
里山歩きで熊出没の看板をよく見かけるがどう注意せいっちゅうんじゃ。交通標識のカーブ注意といった内容と訳が違うがな。
看板のイラストだって可愛すぎるゾ!もっと怖い絵にしろよ。 (^^♪ 大体に熊という生き物は元来恐ろしいものなのにどういうわけかイラストなどで可愛い表現で扱われる。これでは幼少期に熊の印象が間違って刷り込まれてしまう。ご当地キャラのクマモン今すぐ廃止じゃあ。現地(九州)熊生息していないくせにおかしいではないか。
これまでは山中でおとなしく暮らしていた熊だが近年堂々と里山に出没するようになった。さらに今年は熊による人的被害が多いように感じる。
熊出没の理由は多岐にわたるようで一言では言い切れない。
その大きな原因のひとつに温暖化によるどんぐりの凶作があげられているがそれだけではあるまい。山爺は近年、山に入って仕事をする人が激減していることが主な理由なのではないかと思う。
①3Kである林業に従事する人が激減、・・・その結果里山が荒れて熊の生息域と人の生活域の境目がはっきりしなくなった。・・・熊が隠れやすいヤブが多くなった。
②狩猟者の激減・・1980年代には狩猟免許所持者が50万人いたが2020年には12万人と激減している。これにより熊の駆除が減ったことはもちろん山中の鹿・猪が増加し熊の餌場を脅かしている。
③山裾を丸坊主にしてソーラー発電を開発。雑木林を刈り取り動物の餌場を破壊している。熊もこれらによる餌不足で最初は恐る恐る市街地に降りてきた。降りてきてみると市街地には果物や野菜など美味しいものがずらり、恐れていた人間もまるで弱くて恐ろしくない。母熊から子熊へこれが学習され今日の熊出没になったのではないかと思う。
山歩きは剣呑だから都内でも散策しようと思い、10月の初旬にカメラぶら下げ前々から行きたかった水道橋にある小石川後楽園を訪ねてみた。小石川後楽園の履歴は寛永6年(1629年)に水戸徳川家の祖である頼房が上屋敷に造った。そして2代目光圀により完成した庭園です。
総武線の水道橋駅で下車し西口改札を出て歩くこと5~6分もすると小石川後楽園の東門に到着する。都内の公園は交通至便なのが何よりだ。
奥に見えるのは東京ドームの屋根。江戸期の粋人に比べ現代人はなんと無粋なものを作るんだろうねえせっかくの庭園景観が台無しですわ。
唐門に近づくと極彩色の彫刻が施されています。池の中央にあるのが蓬莱島、中央に赤い祠が設けられています。後方のビルがなんとも邪魔ですねえ。
ここ小石川後楽園は広くて見ごたえのある庭園でした。都内には江戸時代に作られた大名たちの庭園が数多く残されています。なんといっても庭は家屋と違い爆撃にも負けないからねえ。次はどこのお屋敷の庭園を訪ねようか。
【川柳】
・町人よ そこのけ殿様 大庭園
・熊も出ず 安らぎ歩く 後楽園
あとがき
アルピニストの野口健氏が自身のX(旧ツイッター)で低山歩きは控えたほうが良いかもと以下のように述べている。
アルピニストの野口健氏が20日、X(旧ツイッター)を更新。頻発するクマ被害に言及した。
野口氏は岩手県北上市でクマに襲われたとみられる男性の遺体が見つかったことなどを伝える記事を引用。「ヒグマ化していると。余程、お腹を減らしているのかもしれませんが、これまでの常識からしたら異常事態。『大人数で山に入ればまず大丈夫』とは言い切れないのでしょう…」と異変を指摘した。
クマの出没により中止となったイベントもある。野口氏は「私が参加する予定だった山でのイベントも中止となりました。主催者からしたら当然の判断だったと思います」と理解を示した。アルピニストとは登山家のことだが、「私自身、特に低山への登山は控えたいと感じる程に今までとの違いを感じています」と専門家でもためらうほどだと明かした。「熊スプレーは絶対に持って行った方がいいですが、しかし、絶対ではない。なんせ背後から突然襲ってくることもあるでしょうし。いずれにせよ単独登山はやめた方がいいと思います」と注意を呼び掛けた。
やはり低山歩きは当面控えなければいけないのかなあ。それとも、もう歳だし良い機会なので山男は引退しようかなあ。




