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2025年10月24日金曜日

#小石川後楽園に行って記た。

 10月に入ってようやくうんざりする酷暑が一段落した。いつもなら運動不足を解消すべ近隣の足利・佐野へ秋の低山歩きを楽しむところなのだが両地区とも市街地まで熊が出没し警戒を呼びかけている。これではうかうか里山歩きも出来ない。この歳まで無事に生きてきたのに今更熊に襲われたのでは洒落にもならない。

里山歩きで熊出没の看板をよく見かけるがどう注意せいっちゅうんじゃ。交通標識のカーブ注意といった内容と訳が違うがな。

看板のイラストだって可愛すぎるゾ!もっと怖い絵にしろよ。  (^^♪ 大体に熊という生き物は元来恐ろしいものなのにどういうわけかイラストなどで可愛い表現で扱われる。これでは幼少期に熊の印象が間違って刷り込まれてしまう。ご当地キャラのクマモン今すぐ廃止じゃあ。現地(九州)熊生息していないくせにおかしいではないか。

これまでは山中でおとなしく暮らしていた熊だが近年堂々と里山に出没するようになった。さらに今年は熊による人的被害が多いように感じる。

熊出没の理由は多岐にわたるようで一言では言い切れない。

その大きな原因のひとつに温暖化によるどんぐりの凶作があげられているがそれだけではあるまい。山爺は近年、山に入って仕事をする人が激減していることが主な理由なのではないかと思う。

①3Kである林業に従事する人が激減、・・・その結果里山が荒れて熊の生息域と人の生活域の境目がはっきりしなくなった。・・・熊が隠れやすいヤブが多くなった。

②狩猟者の激減・・1980年代には狩猟免許所持者が50万人いたが2020年には12万人と激減している。これにより熊の駆除が減ったことはもちろん山中の鹿・猪が増加し熊の餌場を脅かしている。

③山裾を丸坊主にしてソーラー発電を開発。雑木林を刈り取り動物の餌場を破壊している。

熊もこれらによる餌不足で最初は恐る恐る市街地に降りてきた。降りてきてみると市街地には果物や野菜など美味しいものがずらり、恐れていた人間もまるで弱くて恐ろしくない。母熊から子熊へこれが学習され今日の熊出没になったのではないかと思う。

山歩きは剣呑だから都内でも散策しようと思い、10月の初旬にカメラぶら下げ前々から行きたかった水道橋にある小石川後楽園を訪ねてみた。

小石川後楽園の履歴は寛永6年(1629年)に水戸徳川家の祖である頼房が上屋敷に造った。そして2代目光圀により完成した庭園です。

総武線の水道橋駅で下車し西口改札を出て歩くこと5~6分もすると小石川後楽園の東門に到着する。都内の公園は交通至便なのが何よりだ。

入園料は一般¥300だが例によって山爺は65歳以上だから半額の¥150で入園できた。入るといきなり池があり池の向こうに立派な門が見えます。
唐門と呼ばれており当時の正式な入口だったものです。残念ながら当時のものは戦災で焼失し今あるののは2020年に再建されてものです。



江戸の初期に町民を狭い領域に押し込めておいて支配者階級はこんな広大な庭園を築造してはばからない。身分制度時代は嫌だねえ。

でもそれにより今日庶民が楽しむことが出来ているので身分制度もありか。 (^^♪

奥に見えるのは東京ドームの屋根。江戸期の粋人に比べ現代人はなんと無粋なものを作るんだろうねえせっかくの庭園景観が台無しですわ。

唐門に近づくと極彩色の彫刻が施されています。





園内は鬱蒼とした木々で覆われ巨木も沢山あります。




綺麗な小川が流れています。まるで深山幽谷のなかにいるようで都会のど真ん中にいることを忘れそうだ。

木々の合間から先程よりさらに大きな池が見えます。素晴らしい眺めです。
これが人工的に作られたなんて・・造園職人の技の妙ですなあ。






小川沿いを歩きます。ここなら熊も出ないから安心です。














得仁堂と呼ばれる建物。
光圀公18歳の時に中国の史記、伯夷列伝に感銘を受け、伯夷・叔斉の木造を安置したと解説板。




円月橋、名前のとおり水面に映る像と合わせると満月のように見えるので名付けられました。明の儒学者朱舜水の設計。









桔梗の花が一輪、秋ですねえ。







今回ここを訪れた目的のひとつ、彼岸花の群落の開花に間に合いました。













いつ見ても毒々しい花です。どうしてあのような不思議な花の形をしているのだろう。

この花はほかの花と違い茎と花だけが先に咲いて花が枯れたあとに葉が出てきます。なんで?・・誰か教えて~。

幼少の頃、大人達よりあの花は毒だから抜いたり触ったりしては駄目と言われました。

確かに根や球根にアルカロイド系の毒があり誤って食すると死ぬこともあるようです。なのになぜこの花は里山近辺に多く自生するのか。

そのままでは食べられないが手順を踏んで水にさらして毒気を抜けば食べられるのだそうです。(専門知識必要)画像は彼岸花の球根だ。おお、大きいねえ。これなら十分に食用になるねえ。

ゆえに里山の土手や墓地に対飢饉用に人為的に植えて子供らにいたずらされないように『毒だから触るな』と脅かしたと言われてます。その証に深い山中にはこの花は絶対に咲いていません。

そのままでは食べられないという物を飢饉用としたところが先人達の知恵ですね。
そのまま食べられるのなら、あっという間に引っこ抜かれて無くなっちまう。

土手に植え付けるのはモグラ避けのためです。

園内を流れているこの小川の説明書きに神田上水跡とありました。
江戸時代に神田上水をこの庭園内に引き込んだ名残りなのかな?







樹木の奥の方に朱塗りの橋が見えます。よく見たら絵に描いた餅ならぬ絵に描いた橋でした。再建途中の説明用?それとも昔こんな橋が掛かってましたという洒落なのかな。
分かりません。





光圀公が嗣子(しし)の嫁子に農民の苦労を教えようとして庭園内にわざわざ造った稲田だそうです。今も現役で作付けしている田んぼなのかな?






池の中央にあるのが蓬莱島、中央に赤い祠が設けられています。後方のビルがなんとも邪魔ですねえ。





ここ小石川後楽園は広くて見ごたえのある庭園でした。都内には江戸時代に作られた大名たちの庭園が数多く残されています。なんといっても庭は家屋と違い爆撃にも負けないからねえ。次はどこのお屋敷の庭園を訪ねようか。

【川柳】

・町人よ そこのけ殿様 大庭園

・熊も出ず 安らぎ歩く 後楽園

あとがき

アルピニストの野口健氏が自身のX(旧ツイッター)で低山歩きは控えたほうが良いかもと以下のように述べている。

アルピニストの野口健氏が20日、X(旧ツイッター)を更新。頻発するクマ被害に言及した。

野口氏は岩手県北上市でクマに襲われたとみられる男性の遺体が見つかったことなどを伝える記事を引用。「ヒグマ化していると。余程、お腹を減らしているのかもしれませんが、これまでの常識からしたら異常事態。『大人数で山に入ればまず大丈夫』とは言い切れないのでしょう…」と異変を指摘した。

クマの出没により中止となったイベントもある。野口氏は「私が参加する予定だった山でのイベントも中止となりました。主催者からしたら当然の判断だったと思います」と理解を示した。

アルピニストとは登山家のことだが、「私自身、特に低山への登山は控えたいと感じる程に今までとの違いを感じています」と専門家でもためらうほどだと明かした。「熊スプレーは絶対に持って行った方がいいですが、しかし、絶対ではない。なんせ背後から突然襲ってくることもあるでしょうし。いずれにせよ単独登山はやめた方がいいと思います」と注意を呼び掛けた。


やはり低山歩きは当面控えなければいけないのかなあ。それとも、もう歳だし良い機会なので山男は引退しようかなあ。



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