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2020年11月9日月曜日

足利の廃道と温泉

 10月中旬が過ぎても長雨が終わらない。従前10月10日は晴れの特異日とされて体育の日として祝日にもなっているがこの神話も崩れつつある。温暖化により明らかに我が国の気候は変わってしまった。

コロナ渦と相まって連日の雨模様で外出する気も起こらず連日WOWOWの映画を見てお茶をすすってばかりでいる。植木等ではないが

『♫これじゃ、体にいい訳ないよ。わかっちゃいるけど止められない。』

てなわけで2kg体重が増えたままである。その影響なのだろうか首が痛い・めまいがする・右肘が痛い・腰痛だって疼いて油断がならない。

そんな体調でありながら、晴れの特異日を当てにして10月9日(金)に栃木のゴルフ場(オリムピック都賀)に出かけた。

天候はあいにくの雨模様、これに体調不良が重なったので結果は散々で、60以上の大叩きをしてしまった。(´ω`) 

おまけに大叩きで気が動転したのかコース内に道具(PW)を忘れてくるという失態までやらかした。幸い後日PWは見つかりゴルフ場から郵送されてきてはいるのだが当然ながら料金着払い・・・気分はうつ状態だ。

10月下旬になってようやく天候がよくなる兆しが見えたが同時に気温が急降下、夏から一気に初冬へ、せっかく揃えたキャンプ道具だがキャンプには不向きな陽気になってしまった。
酔狂な人は冬こそキャンプにふさわしいと出かけるようだが山爺はそんな根性は持ち合わせていない。

さて、どこへ行こうかなあ。

足利の山に大坊山という標高285mの低山があり以前登ったことがある。この付近に越床峠(こしどことうげ)というところがあり、この峠から少し下ったところに廃道になった旧国道がある。国道名は293号線。

佐野と足利の境に位置する重要な峠越えのルートだったが平成8年(1996年)にトンネルが出来て峠越えが不要になり廃道となった。

ちなみにGoogleでググってみると心霊スポットやら事故やら怪しげな情報がヒットする。これは行かねばなるまいて。

10月24日晴天に誘われて早朝に家を出た。足利市駅で電車を降りて7時50分発の富田駅行の市営バスに乗車し足利病院前で下車する。

病院前を抜けて山道に入ると40分位で越床峠に着いた。ここから反対側へ下ること20分で木々の間から黄色いセンターラインが見える。旧国道293号線だ。

まもなく落ち葉に覆われた国道に降りることが出来た。

おお、周りは鬱蒼としており熊やら猪やらがいつ出てくるかもわからない雰囲気が漂う。もちろん人っ子1人としていない。なるほど心霊スポットと言われるのもうなずける。

平成8年といえばついこの間のような気がするが24年の時が流れている。

24年も経つとこうも荒れるもんですかねえ。
そのうち飛んできた土埃が堆積して土となり草が生え木々が生い茂り道路が見えなくなるのだろう。

どれくらいの時間が過ぎればもとの自然に帰るのかなあ。50年?100年?。

確かに現地を訪れたという動かぬ証拠写真を載せます。



さて、元来た道を戻り峠へ。峠から登ること15分?で休憩ポイントに到着。ここにどういう言われか知らないが、かえる神社という祠があり周りには茶店やら展望デッキもある。

かえる→無事帰るの洒落のようだがなぜこのようなものを建てたんだろう。

通称番屋と呼ばれるところらしい。夏期には茶店がオープンし飲料水やご当地グッズなども販売しているらしい。不思議なスポットです。

ここで休憩し甘味を食べエネルギー補給を試みる。

さて次なるポイントは番屋から続くピーク、つまり山頂へと向かう。山頂だが国土地理院の地図には名前が無い。

このピークは通称展望所と呼ばれている所だが、展望所とは何とも安易な命名だこと。鉱山とも呼ばれているみたいですが・・・なぜ鉱山なのかなあ?

歩き出して息が上がる頃、展望所へ着いた。名前のとおり展望が良いが南側だけ木々が生い茂り展望はよくない。

木々の間からわずかに眺望が望め遠くに高層ビル群が認められた。山頂に居合わせた数人の人々とその所在について話し合った。
某ご仁:『あれは大宮のビルでは』
山爺:(磁石を取り出し方向を見て)『真南になるので都内のビルでは』・・・この時点では結論は出なかった。

西側にはゴルフ場が見える。オリムピックスタッフ足利コースだ。あの狭い芝生の中で大金を払ってチマチマと『ナイスショット』なんてやっているんだなあ。ここから見るとそんな行動が虚しく見える。

北側は崖が迫っており危険注意の看板があった。実際過去に何人も落ているそうです。ここから落ちたら無事では済まないだろうなあ。

大体人間の重心は6kg近くある重い頭が上の方にあるので常にアンバランス状態にあると言って良い。故にこういった絶壁に不用意に立って覗き込んではいけないのだ。特にファインダーを覗いての写真撮影は絶対やってはいけない。この行為により多くの方々がバランスを崩して転落等の災難にあっている。山爺は撮影するときは崖に座るか、腹ばいになって撮影をしてます。

足利一帯の低山は岩峰がいたるところに有りそれが魅力でもあるのだが魅力と危険は表裏一体、このあと立ち寄った天然温泉の鹿島園で耳にしたのだが、最近でも人が落ちてヘリで運ばれたそうだ。

山での遭難は高山ばかりとは限らない。100mの低山でも険しい山は沢山あるので注意して歩かないと災難に合う。


北側に目をやると崖の下でなにやら採掘をしているようだ。あれが鉱山なのかなあ?砂利も鉱山のうちなのかなあ?・・・建築用の砂利でも採掘しているのだろう、とそのときは単純に思った。

家に帰りHPで検索してみたところ何とマンガン鉱床で二酸化マンガンを採掘しているそうな・・驚いたなあ。

【山爺の一言メモ】
HPで検索するとなんと矢筈鉱山(やはずこうざん)という名称がヒットした。層状マンガンの鉱床があり、二酸化マンガンが産出するらしい。この付近の両崖山(りょうがいさん)でも同様の鉱山があるようです。この近辺は鉱山地帯なんですねえ。そういえば近隣の葛生地区では石灰鉱山もある。


下山途中で展望の開けた場所に出た。南側の地平線にビル群が沢山見える。こんなに多いんでは大宮ではないなあ。よく見ると左端にタワーらしきものも・・。おお、あれはスカイツリーに違いない。都心のビル群が見えた~!!。霞がかかった状態でもこれだけ見えるのだから真冬の視界が良い状態の時にはさぞやよく見えるのだろう。また来なくっちゃ。


ツツジ山分岐点で長林寺方面に降りてまもなく温泉のある鹿島園への下る分岐に着いた。ここから温泉へと下るとほどなく鹿島園の建物が見えてきた。ここで一風呂浴びるのも今回の山歩きの楽しみの一つだ。

温泉到着~って、土曜だというのに人気がないなあ。店構えも寂れているし・・やっているのかなあ。まあ、営業中の旗が立っているし・・恐る恐る入ってみると営業してました。

係かりのおばちゃんとしばし歓談(ここで最近この山での遭難によるヘリ出動の話を聞いた)入湯料¥600を支払い温泉へ。温泉は成分表が掲げてあり本物です。なかなかいい湯でした。

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