桜が咲き終るまでが寒暖の分かれ目とはよくいったもので桜が散り始めたとたん上着を脱いでも快適な季節となった。
昨年の12月から2月にかけて体調を崩してひどい目にあい体重も5~6kgも激減し相変わらず今でも喉に違和感があり体調がイマイチだ。それでもゴルフがラウンド出来るまでに体調が回復した。栃木市に大平山~晃石山~馬不入山の尾根歩きができる格好のハイキングコースがある。
登山道がよく整備されているので歩きやすく眺望も抜群だ。ゆえに家族連れや中高年ハイカーに人気が高い。
今頃は尾根道に桜・山ツツジが咲き誇っているに違いない。晃石山と馬不入山の鞍部(低いところ)に桜峠という洒落た名前の峠がある。文字通りその付近は山桜の群落がある。そこに行ってみようではないか。ザックにいつものようにヤッケ・雨具・携帯コンロ・昼食を放り込んで4月3日(土)家を出た。草花が咲いていることを期待して重いけれど愛用?のデジタルニコン一眼も持っていこう。JR大平下駅を8時25分に到着、鉄道模型にあるような小さな無人駅だ。駅を出たら右の道を進むとほどなく踏切が見える。そこを越して道なりにゆくと倉庫のようなものが見え、自販機が置いてある。ペットボトルが¥110から、安っ!この先に自販機はないのでここで飲み物を補給するとよい。道が二股に分かれるので右に取ってのんびりと歩く。お日様がまぶしい、良い天気だ。歩けることのありがたさを神様に感謝・感謝だなあ。ん、丈夫に産んでくれたお袋さまに感謝かなあ。前方に今日登る山々がデーンと待ち構えている。右はじのぐみの木峠に登りそこから左側の尾根道をひたすら登り晃石山まで行く予定だ。ふえ~あそこまで登るのか、大丈夫かな~、一抹の不安がよぎる。まあ疲れたら引き返せばいいや。心の奥のサボろうくんが頭をもたげてきた。小一時間も歩いたろうか、大中寺の門前にある大池に到着。
やあ、桜が満開だ。菜の花も綺麗だなあ。これで今日の出かけ甲斐があったと言うもんだ。大中寺周辺を撮影して山登らず帰ろうかな・・またまたサボローくんが囁きかける。
今から登る晃石山が菜の花越しに間近く見える。晃石山への直登の道もあるが(既に歩いたことがある)今日は大中寺の境内を通ってぐみの木峠に上がり其処から尾根伝いに登頂しよう。
大中寺の山門です。いつ来ても重々しい雰囲気があります。さすがは禅寺です。門の右側になにやら石碑が!不許葷酒入山門と書いてあります。くんしゅさんもんにいるをゆるさず。葷(くん)は、にら・ねぎ・にんにくと言った香りの強い野菜・・つまり精力剤ですなあ。さらに酒を持ち込んではならない。との戒めが書いてあります。修行僧は辛いのう。日本一厳しい修行で有名な永平寺の修行僧は今はともかく栄養学の知識に乏しかった頃は蛋白不足で短命だったそうです。
修行を終え高僧になると内緒で色々食べられるようになるので皆さん長寿だそうな。
御所車の意味?中に君(黄身)がおわしますの洒落です。
ここ大中寺には有名な『大中寺の7不思議』という話が伝承されています。7不思議の内容については去年訪問時にブログで述べていますが、根無し藤だけ現場を未確認だったので今回確認をしました。
本堂の左側に回り込むと墓地が見えます。その一角にそれは解説板付きでありました。よく考えたら藤の木は挿し木できるから不思議でも何でもないけれどねえ。右画像が根無し藤の画像です。根無し藤、デカっ!
さて、いよいよ山道へ。境内の左側にぐみの木峠に続く山道があります。小さな沢沿いのなだらかな山道をのんびり歩く。沢の流れる音が心地よい。山中いたるところで山桜が咲いており桜吹雪が頭上から降り注いでます。こんな贅沢な山歩きは滅多にありません。
山道の傍らにすみれの仲間が咲いてます。(後に調べたらタチツボスミレだったようです)山中に山吹も咲いてましたが薮が邪魔して近づけない、望遠でパチリ。うまく撮れませんでした。
小一時間も歩くとぐみの木峠に到着です。ハイカーが多数休んでました。形通りの挨拶を交わして傍らのベンチに座り大休止です。アンパン食べてペットボトルで水分補給をする。いい気分で休んでいると、どすどすと無粋な音を立てて大平山方面から晃石山方面へ走り去る輩がいます。ムーディ勝山ではないが、『♫何かが、何かが右からやってくる~。それを僕は左に受け流すぅ~っ』て、洒落にならないゾ。
トレイルランニングとかやらの無礼極まりない種族です。
奥多摩の山々は彼らに占領されて情緒もへちまもなくなりましたが、とうとう我が故郷の神聖な山にも無粋で無礼極まりない輩が現れたか、情けない世の中になったものだ。
晃石山の登りの途中のビューポイントで筑波山が秀麗な姿で見えました。トレイルランナーはこのような景色なぞに感動することもなく、ドタドタと靴音高く走り回る、まったく嫌になっちゃう。
11時すぎに晃石山山頂に到着です。山頂には鳥居と小さな祠があり周りにはベンチが4~5箇所ありますが、土曜日で晴天とくればハイカーで満席、それぞれがお弁当を広げて昼食タイム中です。単独者の山爺など座る余地がありません。
頂上直下にある晃石神社ならベンチが空いてるかな?という訳で祠にお参りを済ませるとさっさと下山開始。
こうなると単独者は肩身が狭い。神社にお賽銭を放り込み家内安全を祈願して次なる休憩ポイント桜峠へと急ぐ。それにしても腹が減ったなあ。
12時ちょい過ぎに桜峠に到着しました。ここでもハイカー達でいっぱいですが東屋がありベンチの数も多いので幸いちらほら空席があります。急ぎ1席を確保し荷下ろし、撮影を開始する。山桜は明石家さんまのように歯が先に出るので(もとい葉
が先にでる)派手ではありませんが峠の周りは山桜でいっぱいで風が吹くたびに桜吹雪が舞い込みます。
桜峠の由緒書きの看板がありますが小田原合戦時敗軍の将、だから皆川氏勢?がこの峠に宝物を埋めたとかなんとか、とまれこの峠は栃木・佐野方面から葛生に抜ける交通の要所だったことは間違いなく故に桜が植えられたのでしょう。
写真撮影も一段落したのでさて、昼食だわい。携帯コンロを取り出し素早くお湯を沸かす。足利両崖山の火災があったばかりなのでちょいと気にしながら着火したが別に視線は感じられない、よかった。
まあ、病み上がりだし無理は禁物、ここから下山して清水寺を散策、林道(車道)沿いに大中寺まで戻り大平下駅に戻ることにした。下山道も桜の絨毯だ。下りは早い、30分も歩くとガードレールのある車道に出た。ここを左に取れば清水寺だ。
ガードレールの下にモクレンの花が咲いてました。
車道を歩くこと5~6分もすると清水寺に到着です。いきなり菜の花としだれ桜がどーんと出迎えてくれました。綺麗だなあ~。誰だこんなところにバイクを停める奴は、無神経も甚だしい奴だ。せっかくの景観が台無しではないか。
お堂にしだれ桜、よく似合うこと。
お寺からの景観も誠に良い眺めです。この山選んで大正解でした。
今回の山歩きはここが終点です。
帰路はここからJR岩船駅に出るか大平下駅に出るかだが、どちらに行くにせよ1時間30分は有にかかる。
大平下に出たほうが近いようだし待ち時間によっては15分先の東武新大平下から帰ることも出来るのでこちらをチョイス。
何しろこの時間帯のJR両毛線と来たら1時間に1本だ。乗り逃がしたら最悪1時間近く待たなければならないので岩船駅はその点不利だ。何もない駅前で1時間待つのは何とも情けない。
林道(車道)を左に取って一路大中寺方面へ歩き出す。老骨に鞭打ち、頑張んべえ。
3時10分大平下駅到着、3時18分発の電車に乗ることが出来ました。
家に帰り歩いた歩数を確認したら2万8千歩、頑張ったなあ。・・翌日から二日間は全身痛で唸ってました。
【狂歌】
・三密を避けて 山入り 休憩で 口角泡のおばさま連
【川柳】
・3密も コロナも知らず 桜咲く
・山門の 葷酒に似たり コロナ自粛
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