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2019年7月14日日曜日

愉快な仲間・・・実録19年度高校クラス会

月日は百代(はくたい)の過客(かかく)にして、行きかふ年もまた旅人なり。ご存知、松尾芭蕉の奥の細道の書き出し文だ。意味は言わずもがなである。

早いもので高校の同窓会の幹事長を仰せつかってから今年で8年目となる。まさに月日は百代の過客である。この間、参加の常連だった友が3人も鬼籍に入ってしまった。残念というほかはない。

幹事業(と言うかどうか?)を来年は譲ろう、今度こそはと思いつつも別れ際に来年も頼むよと言われるとつい言いそびれてしまい、あっという間に7年が経過した。

例年、3月末から会場選び、4月中旬には会場決定、同月末には案内状を送付しなければならない。毎度ながら会場が決まるまでは気が気ではない。決まってからも案内状の送付、開催後も写真編集作成・印刷、会計報告などの仕事が残り正直言って面倒だ。

さて、今年はどこにしようか。どこといっても山爺の行動理念として、遊びは常に格安予算がモットー、予算は二次会付きで1万5千円以下のこだわりがある。

このこだわりに叶う旅館は今のところ飲み放題プランが売りの伊藤園グループか、オオルリグループしかない。あとはわずかに民宿の利用もあるにはあるが、規模が小さく団体向きではない。

その庶民の味方であった伊藤園グループ傘下の多くの施設から宴会プランが姿を消した。宴会というアナクロ的な催しが若者から受け入れられなくなってから久しい。この事と伊藤園での宴会プランが消えた事と無縁ではあるまい。

少々レベルが落ちるが、オオルリグループを調べてみる。塩原には3軒の宿がある。山爺は3軒中2軒を宿泊した経験があるが湯量豊富で設備もそれなりに整っている。ところが本来湯治場的要素の強い塩原温泉街にはカラオケスナックほとんどない。数軒あるにはあるのだが電話を掛けてもうんともすんともで誰も受話器に出ない。

オオルリ館内にもセルフ・カラオケ施設はあるのだが、人件費のかかるクラブ的な施設は以前にはあったのだが、いずれも姿を消した。これでは2次会の開催ができない。

仕方がないので鬼怒川方面に目を向ける。鬼怒川のオオルリ施設は2軒、1軒は小規模で家族向き、開催に不安がある。もう一方のニューオオルリには以前宿泊したことがあり館内にクラブがあることも知っていた。

館外のカラオケスナックは出かけるのが面倒という会員の声も以前あったので、え~い!今回はここにしよう。

昔は会員の多くが勤め人で当然ながら土日開催が当たり前であった。

ところが一昨年あたりから仕事をリタイアした代わりに地域のボランテァ役員などに就任した人がちらほら、その関係で逆に土日は都合が悪い会員が出てきた。

このことについて去年の会合で話し合った結果、次年度より平日開催でも良いとの快諾を得たので今年は木~金の開催で企画しよう。

今時アナクロな往復はがきで開催案内を例年通りに4月末に送付し一段落。5月末にまとめると山爺含めて14名の参加を見た。

オオルリグループに電話予約(今時予約は電話だけとういのもアナクロだが)し4人部屋を4部屋確保で交渉する。帰ってきた回答が、部屋は3人部屋なので6部屋確保します。ということだった。

このホテルも以前ゴルフ仲間で1度泊まったことがあったがその時は広い部屋で快適だった。このことにより別に気にもとめず電話を切ったが、これが後で思わぬ悲劇に見舞われる。

さて、令和元年の記念すべき機友会が平日開催となった。これにより3名の参加増を見込んでいたが1人は不都合があり不参加となるも、これまでボランテァで来られなかった2名が参加してくれることとなった。慶賀である。

参加不都合の1人はさいたま西部?で飲食店を経営している。したがってこれまでの土日の開催日では繁忙と重なり参加が難しかった。

今回、平日に変更したので参加を期待していたのだが、私用と重なり駄目との返事。当人も自分のために平日に変えてもらったのにと思い込んだかどうか、詫び状とともに多額の寄付を添えて不参加の表明と相成った。去年に引き続きまたものご厚情、悪いなあ。と、思いつつもありがたく収めさせていただきました。

そのほか、これまで参加していた自称さいたまの五木ひろしことK氏が仕事で来られないという。いやはや、事は思惑通りになかなかいかないものだ。

そのほか、常連参加の2名が体調を崩して不参加、ゆっくり養生して快癒してくれることを祈りたい。

参加者の多くがT市周辺なので会場へは会員同士話し合って車相乗りで来るのが常套だ。ほかに他県から単身、車で来るものが2名。高齢者の自動車事故が多発している昨今、幹事としては気が気でない。近い将来なにか考えなければなるまいて。

伊藤園グループにしろオオルリグループにしろ客集めの目玉で首都圏周辺から激安送迎バスが出ている。

オオルリグループの場合は、さいたま新都心から鬼怒川まで往復¥500の激安送迎バスがある。山爺はさいたま地区の友人と2人でこのバスを利用することにした。

8時30分に新都心改札口で1年ぶりに友と再会、合流した。彼は一昨年・去年と2つの大病を患いながら治癒しての参加である。

9時に予定通り送迎バスが到着、お客の大半はかなりの高齢だ、我々が一番若そうだなあ。( ^ω^)

バスは混雑した大宮地区を通り抜け岩槻から自動車道に上がり佐野PAで各地から来る送迎バスに乗り換える。我々も鬼怒川方面のバスに乗り換えた。新都心から2時間30分かかり11時30分、会場に無事ついた。

受付開始は2時30分なので友と2人で昼食を兼ねて鬼怒川温泉方面を散策し2時にホテルに戻った。

ロビーの一角を借りて受付準備を済ませて会員の到着を待つ。2時30分になるとぞろぞろと懐かしい顔がやってきた。

購入を頼んでおいた缶ビールを1箱、受け取る・・って箱むき出しかい!。いくら持ち込み黙認旅館といってもこう露骨では困るなあ。

皆んなに頼んでそれぞれのバックに小分けしてもらった。いつもは遅く現れるG県からくるA氏も今年は早めに現れた。山爺と同室のKU氏を除いては全員が部屋に移動した。

と、O氏から携帯に連絡が入る。

『俺んとこ2人部屋で狭い、3人は無理』
『そんなはずは?』

部屋に急行、O氏以外の部屋でもワイワイ・ガヤガヤ、
『幹事長、こんな狭い部屋では3人は無理だ、踏んづけちまう』
『独房の方がマシだ』

クレームが、かまびすしい。

確かに狭い、8畳間?にベッドが2個、で~んと置いてありもう一つ布団を敷くと部屋いっぱいになり、くつろぐどころではない。寝るだけの部屋に変貌してしまう。置きっぱなしのベッドが悪いんだな。人員削減対策だろうけれど置きっぱなしはよくないなあ。

急ぎフロントに走り交渉、

『あの狭い部屋で3人寝るのは無理、あと二つ部屋を増やして2人で使いたい』
『十分布団は敷けるはず、皆さんそれでお過ごしになっているんですが』
『あれじゃ寝るだけでメンバーがくつろげない、久しぶりの会話が楽しめない』
『帰るという者も出ている』『幹事として収集がつかない』
と矢継ぎ早に交渉する。

交渉の結果ようやく二部屋増加となり、急遽、部屋割りを変える。

山爺は、これまで何度もオオルリ系統の旅館に泊まったがあんな狭い部屋を割り当てられたのは初めてである。料理はともかく部屋だけは立派だったのだが、これはどうしたことだ。出だしからつまずいてしまった。予約時3人部屋と言われたときよく確認しなかった山爺の落ち度である。反省、反省。

部屋騒動も一段落して各部屋を訪問して今日の予定やら連絡を兼ねて懐かしい顔ぶれと歓談、しかしながら全部で7部屋である。顔出しだけでも大変だ。


一次宴会は5時30分からである。1時間あるので一風呂浴びよう。大浴場に行くと我がメンバーが多勢入っている。皆んな腹が出たなあ。メタボの見本ここにあり、って人のことは言えない。山爺も一向に体重が減らないでいる。高値安定で困ったものだ。

時間になったので会場へ移動する。会場は広く舞台付きで中央にカラオケ機器も既に設置してある。料理もそれなりのグレードだ。ここまではまずまず。

そりゃそうだ、数年前、やはりオオルリ系統の湯西川温泉の旅館で開催した時、会員から料理がしょぼいとクレームがあった。その轍は踏まじと1ランク・グレードアップ(¥1100増)で申し込んでおいたのだ。

山爺は幼少より男は食物でガタガタ言うもんじゃないと躾けられ育ったので粗食でもなんら問題はないのだが、世間はそうは行かない。なんて言ったって食物の恨みは恐ろしいと言うからねえ。

料理もまずまずで、取り敢えず安心、記録用の写真を撮り始める。うん?なんか変だなあ、なんだろう。
ああ、分かった。会場の照明がなんか暗いのである。舞台映えさせるための演出か、節電か、恐らく両方だろう。

『幹事長、暗い!』

なんてお小言が出ないだろうなあ。なにせ古希も過ぎた面々だ、歯、目、マ〇、の例え通り、肉体が随分とくたびれているに違いないのだから。

なにはともあれ全員集合の記念撮影を実施する。O次会で既に酔いが回っている者も多々、いつものことだが、よく言えば和やかな笑顔、悪く言えばなんとも締まらない画像が撮れた。

1年ぶりの再会だ、それぞれ積もる話で笑顔がこぼれている。山爺はいつものことながら写真撮影と宴会進行で忙しく会話に参加出来ないでいる。

来年は会場選定と会計に専念し司会進行は誰かにお願いしようかなあと思ってしまう。

それでも酔うに連れて ♫:酔いが回われば~それぞれに歌の一つも飛び出して・・・高倉健:時代遅れの酒場より・・・めいめいがカラオケに歌を予約して歌いだした。山爺も宴会ソング日本全国酒飲み音頭を歌って盛り上げる。

あっと言う間にカラオケは6曲もリクエストが溜まって大盛況だ。皆さん飲兵衛で芸達者、この点で幹事は楽である。静かでお通夜状態なんて状態には絶対にならない、愉快な面々なのだ。

一次会も恒例のじゃんけん大会で幕、優勝はなんと同室で新都心から山爺と一緒に来たKU氏が勝ち抜けた。御慶だ。

この間に呑んだお酒はビールが16本、焼酎2本、日本酒4本だけだ。皆んな弱くなったなあ、それとも部屋呑みでやりすぎたのかな?とまれ、これなら今後飲み放題プランでなくともやっていけるかなあ?

さて、2次会だ。以前より会員から館外のスナックは出かけるのが面倒だ、館内にある宿がいいとの要望もあった。幸いここの宿は館内にクラブがある。2次会場を館内のカラオケクラブで行うこととした。

2次会場にワイワイ、ガヤガヤ言いながら浴衣姿の初老爺どもがぞろぞろと移動するさまは、いやはやなんとも凄まじい。


取り敢えず全員集合で2次会がスタートした。と、席を温める暇もなく、ちょいワル親爺のY氏から声がかかる。

『幹事長ここではなく、外の〇〇太郎の店に行こう』
『え~なんで、すでに始めたから無理だよ。テーブルチャージもとられる』
『だから、それは精算すれば良い、そして次、行こう』
なんか、ここが不満らしい、むちゃくちゃなことを言う。

そんな不満を漏らされても今日の今ではそれは無理というもの、要望として受け入れ聞き流し2次会続行。

それにしてもスタート直後にあんなことを言われたのでは幹事として気分がよかろうはずがない。苦労して企画したのにこれではお世話のしがいがない。良い機会だからもう幹事職は下りよう、こう周りに告げると、当然ながらそう言わず来年もと引き止められる。山爺のテンションは下がりっぱなしだ。

宴会を続けながら考えた。

カラオケ施設は勿体無いくらい立派である。広い会場で今日は我々で貸切、誰にはばかることなく宴会を楽しめる。カラオケ受付けや飲み物補充掛かりの女性(年増)もスタンバイしているし・・始める前から何が気に入らないのだろう?あの男は、と気になってしかたがない。

ほかの会員は次々とカラオケをリクエストし、それなりに楽しんではいるのだが、確かになんかいつもと違いイマイチ盛り上がらない。寝てしまう奴まで現れた。

どうしてだろう、分かった女だ!女がいない。これまでは2次会場は館外のスナックが主で若くはないが必ずママさんやチーママがいて我々に混じってデュエットしてくれたりで、それなりに盛り上げてくれた。

それが今日は居ないのである。係りの女性はあくまで飲み物その他のサービス係、我々の外で待機しているだけだ。ママさんと言う者は盛り上げ上手、それなりのプロなのだ。カラオケだって仲間内ではなく第三者が聞いていたほうが歌い甲斐があるのだろう。

それに加えて広すぎる会場(右画像)で舞台と客席?が離れ過ぎている。これでは、誰かが歌ってるなあ、で関心が薄れる。これらが宴会の盛り下がりに拍車をかけるのだろう。

ママさん恐るべし、また入場したとたんそれを見抜いたY氏も恐るべし。

そうこうしているうち、件のY氏は眠いと言って部屋に引き上げてしまった。いつもは時間が足りなくて歌い損ねる面々が多い2次会だったが、ここなら11時まで滞在可能で存分に歌えるはずだった。


しかし、中盛り上がりのまま、早、9時30分でお開きとなってしまった。

続いて恒例の部屋に戻って部屋呑み歓談の3次会が開始されたが部屋が細かく別れたこともあり例年通りには集まらない。ここでもシュリンク会合と相成った。


翌日はバイキングでの朝食、山爺が朝食をチョイスして席に戻ると、おやあ、2次会場に不満を言っていたY氏が山爺の席のお向かいに座っている。

彼は本来いつものグループの席に着くのが常だ。珍しいこともあるものだ。どうしたんだろう、また何か不満でもあるのかなあ。

いささか疑問に思いながらも朝の挨拶を交わして、お互い黙々と食べる。会話はたわいのない日常会話が二言、三言のみ。

それにしてもわざわざなんで俺の前なんかに?・・朝食を食べながら考える。・・ははぁ、わかったぞ、昨夜の詫びを言いたいんだな。だが彼の性格や置かれた環境からして簡単に頭を下げることができない。彼なりの精一杯の詫びなんだろうと解釈した。そう考えたら山爺のもやもや感が少しはすっきりした。

今日は予定では昨年実施して好評?だったパークゴルフを行う予定だったが、これまたY氏の反対に合い没となっている。会員の中にはパークゴルフをやりたい人もいるのである。今後の企画を立てる上で一工夫しなければならないなあ、と感じた山爺であった。・・・ってまだ、幹事やるんかい。

昨夜の2次会は小盛り上がりだったが良いこともあった。飲まない・歌わないだったので予算枠に対し実算が大幅に少なくてすんだのである。パークゴルフ代一人あたり¥500も浮いたので全員に¥1000の返金を決断した。

いつもの通り玄関前で記念撮影。このあとパークゴルフが没になったのでホテルから徒歩5分のところにある湯煙会館に向かい人情夢芝居を観劇することになった。

旅館宿泊者は無料で観劇出来る。幹事にとっては懐が傷まないので好都合だ。

なかば、冗談で提案した観劇だったが、そこはドサ回りとは言え、プロの役者により演じる人情劇だ。皆さんそれなりに興味を持って?観劇している。なかには名場面で拍手する者までいた。ふうん、皆んなこういった催しに馴染む年になったんだなあ。まさに光陰矢のごとしである。




【狂歌】
・古希も過ぎ 女不要と言いけるも いざその時は 不満出にけり・・・日頃、俺はもう枯れたから女に興味がないとは言うが・・・

【川柳】
・古希過ぎて なおも女気 欲しいとは・・・所詮、煩悩は死ぬまで消えないものか



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