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2018年3月30日金曜日

阿弥陀岳滑落事故と三頭山遭難考

26日の朝刊を開いて見ると一面に八ヶ岳で滑落3人死亡の記事が目に入ってきた。
内容は以下の通りだ。21日に三頭山でハイカーの遭難騒ぎが冷めやらないうちの事故である。

滑落事故の内容】
25日午前(8時35分頃)長野県にある八ヶ岳連峰で、7人が滑落する山岳遭難があり、男女合わせて3人が死亡した。25日午前8時半すぎ、長野県の八ヶ岳連峰にある阿弥陀岳の南側の稜線(りょうせん)で、「7人が滑落した」と登山者から警察に通報があった。


全員、長野県警ヘリコプターで救助されたが、兵庫県神戸市の会社員・亀石安央さん(48)、兵庫県伊丹市の建築士・中澤恒雄さん(63)、京都府京都市のアルバイト従業員・山下貴久子さん(39)の3人が、搬送先の病院で死亡が確認された。
また、大阪府吹田市の会社員・宇野聖さん(47)が左足の骨を折る重傷のほか、男性2人、女性1人が打撲などの軽傷。
7人は同じ山岳会に所属しており、立場岳から阿弥陀岳に向かっている途中で、搬送先の病院などによると、全員ザイルでつながっていて、先頭の人が足を滑らせたことで滑落したという。

場所は南八ヶ岳の阿弥陀岳南陵で起きた。山爺は若い時に阿弥陀岳山頂からこの南稜を傍観したことがある。もちろん夏季だが。険しそうな尾根が続いており魅力的ではあったが地図で見ると一般ルートではないと明記されていたので足を踏み入れるつもりは現在に至るまで毛頭ない。
この南稜はバリエーションルートと呼ばれ洗練された人々以外は足を踏み入れる事は出来ない難易度の高い地域だ。
ましてや冬季である。今回入山した方々も大阪の山岳連盟に所属している山岳会のメンバーでアイゼン・ピッケル・ヘルメットを装備し前日入山し野営しているのであるから冬山経験は豊富な人達だったのだろう。




山爺の冬山への入山は雪面が安定する3月以降からおっかなびっくりに管理人が常駐の山小屋をベースに踏み跡のしっかりしているところしか行けない”へたれ”登山者だ。

そんな者が今回の事故についてうんちくを垂れるのは甚だおこがましいのであるがこの事故には疑問点が多々ある。

事故当時は天候も良く快適な条件で7人全員でアンザイレンで繋がりスタカット移動ではなくコンテで活動していたようだ。

このルートはP1(岩壁)からP4まで難所があるが事故は最大の難所と言われているP3で起きた。この地点は去年も冬季に滑落で死亡事故が起きているところだ。上図がP3の岩壁で通常は直登せず左に迂回して下図のルンゼ(溝)を登攀するそうです。 




【山爺の一言メモ】

アンザイレン(ドイツ語:Anseilen):、滑落のおそれがある岩場や急な斜面で、仲間の相互安全確保のために、2人以上でザイルで体を結びあい、1人が墜落した時に、他者がザイルを持って墜落を止めることを目的とした方法。

スタカット:音楽用語にあるように切れ切れにという意味です。一人が行動しているとき、もう一方は滑落に備え動かないで確保態勢を取る。(ハーケンや立木にロープを固定する)これを交互に繰り返して登攀する。当然登攀スピードは落ちる。

コンテ:余ったザイルはコイル状にして手で持ち、2人以上で同時に歩行するのがコンテ。コンテニュアスの略でアンザイレンした状態で全員が連続移動する。
どちらがより安全な方法かは読者の皆さんが考えてね。


なぜ経験豊富なパーテイでありながら最大難所を通過するのに7人全員がロープに繋がったままで登ったのか。尾根の左右は60~70度の急傾斜となっている最大難所だ。ザイルを解除し固定ロープを張るとか、2人1組でスタカットザイルワークを組むとか(最悪落ちても2人で済む)なぜしなかったのだろう。コンテ登攀のままで万一滑落しても確保できると思っていたのだろうか。確信もなく漫然と大丈夫だろうでアンザイレンのまま登ろうとしたのなら誠に情けない話である。

事故はP3で先頭の人が滑落し2番手が支えきれなかった。こうなると更に加速度がついて3番手以下は支え切れるものではない。結局7人全員が数珠つなぎ状態で60度の傾斜を300mも滑落してしまった。4日前に降り積もった雪により小雪崩を誘発したのか亡くなられた方全員が窒息死だったことを考えると新雪さえ降っていなければ、あるいは怪我だけで済んだのかもしれない。


体重60kgの人が1m垂直に落下した時の加速度及び衝撃荷重はどのくらいになるのか試算してみよう。

中学の時に習った落下の法則を思い出してもらいたい。1m落下した時の速度は次式で求められる。

V(落下速度)=√(2gh)  g:地球では9.8m/s2   h:落下距離 

hに1mを代入すると4,43m/Sec 時速に直すと16km/hとなる。たった1m落ちただけでも猛スピードの自転車並みの速度になる。また1秒間落下したとすると V=gtだから9.8m/sec 、時速に直すと35.3km/hと車並みのスピードが発生するのである。

またその時起きる運動エネルギーは W = 12mv2  この式を使って計算すると
1/2×60kg×4.43m×4.43m=589kg・m/s の衝撃がザイルにかかることになります。

ただし登山用ロープは工事用ロープと違い伸び率を高くしてこの衝撃力を吸収するように作られています。(伸び率は動荷重で27%~37% つまりそれだけビョーンと伸びて衝撃を和らげる構造になっているのです)

垂直に落下したのではなく斜面を滑り落ちたとした場合はsinθの分散力が働くことになるので当然衝撃値は低くなるが今回の滑落時の傾斜が60度とするとsin60°は0.87だからあまり軽減には作用しない。ちなみに垂直落下はsin90°(1.0)となり分散力は0です。


ど素人が摩擦係数等を無視して適当に計算したので間違いだらけと思いますが、要はたった1m滑落しただけでも、とんでもない荷重が2番手にかかってくるということです。

登山者は例外なく10~15kgの荷物を背負っているので数値は更に上乗せされる。

これが2m落ちてから制動をかけたら?3mでは?と再計算すると更に恐ろしい答えが帰ってきます。暇な人は頭の体操になるので計算してね。(専門家が計算した文献を読むと制動条件が良くても150~200Kgの力が作用するとか・・ただし条件設定が複雑に絡むので正解を出すのは難しいとか)

http://square.umin.ac.jp/miura/essay.dir/rope-miura.pdf

こんな状態で落ちてくる人を2番手の人が人力で支えきれるものか?如何な怪力無双の男でも到底支えられるものではない。ましてやパーテイ員のなかに女性が混じっているのである。

アンザイレンをしながら登攀する人々はこの物理の法則を知っていてコンテ登攀をしているのだろうか。


専門家に言わせると、このような危険な場所では多人数アンザイレンでのコンテ登攀は危険だからやらないという。それでは多人数のアンザイレンはいつ、どんなときに必要になるのだろうか、安全な場所ならアンザイレンはする必要がないのでは?。何のためにリスクのある多人数のアンザイレンをするのだろうか?疑問は尽きない。専門家の意見を聞きたいものだ。

普通アンザイレンは2人1組で行い、多くても3人までという専門家もいる。3人以上のアンザイレンのメリットは?と問われて遭難した時に皆んな繋がっているので発見しやすいと皮肉る専門家もいるくらいだ。皆んながやっているから”何となくアンザイレンしてみた”では事故で死んだ者が浮かばれまい。


もう一つ考えなければならないことは事故の起こった4日前の21日に関東地方を含め季節外れの大雪が降ったことであった。山爺は直感でこの雪が滑落事故に影響したなと思った。

直前に降雪さえなければ雪面は固く安定しておりアイゼンの効きもよかったはずだ。ベテランであろう先頭の人なら滑落することもなく無事に登りきりアイスハーケンを打つなりして確実な確保態勢を取ることにより安全にパーテイメンバー全員を引き上げられたのではないか。

降雪により根雪の上に新雪が降り積もり不安定な斜面になっていたことは容易に想像がつく。踏み込んだ雪面が割れて足場が確保できなくなりそのまま落ち出したのではないかと思う。

事実、翌日の新聞で21日に降った大雪で雪壁の上に雪が積もり不安定で滑りやすい状態になっていた可能性がある報道している。このコンデションでは滑落時の確保用アイスハーケンも打てないだろう。

山爺が言いたいのは季節外れの大雪が降り積もった直後に何故難易度の高い南稜に足を踏み入れたのか、ということである。より安全な通常ルートの御小屋尾根の登攀に何故切り替えなかったのか。もしも所属山岳会の登攀記録に箔をつけるための登攀だったら余りにも悲しいことである。そんな事のために掛け替えのない命を失うとはなんともやるせない。

去年も今頃(3/27)那須の茶臼岳での山岳訓練中に高校生等が痛ましい雪崩遭難に遭遇している。山にちょっとでも精通している人に言わせれば今頃降る雪は季節外れでも何でもない、当たり前のように毎年降るのである。
八ヶ岳・奥秩父・奥多摩や大菩薩嶺・丹沢、および日光・那須連山といった関東一円の山々の月間降雪量が一番多いのは3月に入ってからということを皆さんご存知だろうか。

里には桜が咲き世人が花見で浮かれていても1500m以上の山岳はまだ冬だ。従って冬山の装備(最低でも軽アイゼン・ストック・スパッツ)は必携、それを怠ると21日に発生した奥多摩三頭山(1528m)でのような遭難騒ぎが発生してしまうのである。

3月も中旬すぎれば三頭山あたりなら根雪も消えて普通ならハイキング程度の足拵えでも問題なく歩けるのだが、雪が降ると様子は一変する。傾斜のある山道では軽アイゼン(足につける鉄の爪)とストックがないとまったく動きが取れなくなる。

彼ら中国人を混じえた一行は大雪警報の予報に怯むことなくハイキングスタイル(中にはスニーカー程度の足拵えの人も)の軽装で出かけ、ほかのパーティのあとをノコノコついて入山した。しかし山頂付近で大雪により動きを阻まれてしまった。全員アイゼンもない状態で下山を始めたがそこは山道、平坦なところは一つもない。途中で雪によりメンバーの一人が滑落、怪我をして進退が極まったのである。

ただしこのパーティで唯一褒められるべき行動があった。無理せず全員が同じ場所に留まりビバーク(非常野宿)したことである。パーティの中に山に精通した者がいたに違いない。だから全員無事に下山することが出来たものと思う。これが烏合の集団であったら、めいめいが自分勝手に行動し凍死者が出たかもしれない。

【三頭山、遭難】

東京都奥多摩町で登山中の男女13人が積雪の影響で下山できなくなっていたトラブルで、警視庁と東京消防庁は22日、三頭山(1531メートル)とヌカザス山(1175メートル)の山道付近で全員を発見、救助した。いずれも意識はあり、命に別条はないという。警視庁青梅署によると、下山できなくなっていたのは10~40代の男性6人と女性7人で、中国人も含まれていた。このうち少なくとも男女6人が凍傷などを訴え、病院に搬送された。同町には21日、一時的に大雪警報が出ていた。

この二つの山岳事故についてマスコミ報道は阿弥陀岳事故は技術的難易度が高い故の避けられない出来事、三頭山遭難は天候を無視した無謀登山、的な報道をしているようだが山爺の考えはまったく逆で阿弥陀岳の事故のほうが天候無視(4日前の降雪無視)と技術過信の無謀登山、三頭山は天候急変によるやむおえない遭難だったと思っている。

こうも頻繁に山での遭難が起きたのでは家族に心配されて山爺が山に出かけにくくなってしまうではないか。全国の登山愛好の皆さん。慎重の上にも慎重な行動をお願いしますよ。

多くの山行記録やブログ記事を拝読していると、どこそこを征服したとか何座制覇したとか、アタックポイントは、とか”北東稜をやる予定”とか、まるで戦に行くような勇ましい言葉がポンポン出ているのを見かけますが戦闘用語はいけませんなあ。

どんな低山にも木花開耶姫ほかの女神様がおわします。神様相手に戦を仕掛けるのは無謀というものです。

山の神様のご機嫌(天候)を伺いながら登らせていただくといった謙虚な姿勢で登山に望んでください。お願いしますよ。


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②作者以外の方による無断転載は禁止で行った場合、著作権法の違反となります。

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2018年3月27日火曜日

新春、初ゴルフ腰痛で涙のリタイア(上野花見報告)

山爺が運営しているゴルフの会『首都圏孔球親睦会』は健康上の理由により例年、冬季の12月中旬~3月中旬、夏季の7月下旬~9月上旬の間は会の開催を自粛している。

今年の開幕戦は3月17日(土)栃木の真名子CCで開催予定であった。厳しかった寒気もようやく緩みその日が来るのを指折り数え楽しみにしていました。

【山爺の弱点】

山爺には持病の腰痛があります。7~8年前に勤務先でマンホールを開けようと持ち上げた時に痛めた右大臀筋の肉離れ?が原因でそれ以来時々腰痛に悩まされています。

このマンホールは手作りのため板厚が世間の常識を超えて分厚かったのです。山爺はそうとは知らず見かけで判断し身構えることなく軽い気持ちで引き起こしたので腰に過負荷が掛かってしまいビリリ!!誰だこんなマンホールを作った奴は!と激怒しても後悔先に立たずでありました。それまでは腰痛とは無縁で山歩きやゴルフに何の支障もなかったのにそれ以来ガラスの腰と向き合わなければならなくなってしまいました。


2~3日前から右腰に違和感があったので万全の態勢で大会に臨もうと腰の体調を整える目的で低周波治療器を右大臀筋にあてがい念入りに何度もマッサージを施しました。これがいけなかった。施術直後は快適だったのですがお昼ころよりにわかに右腰が痛くなり出しました。筋肉に余計な負荷を掛け過ぎたので疲労で筋肉組織が壊れたようです。

夕方になると痛くてコタツから抜け出るのも大儀です。それでも痛みを我慢して翌日のゴルフの準備で着替えやら大会商品の準備やら準備して『明日になれば痛みも和らぐだろう』と思いながら就寝しました。

ところが痛みは引くどころか益々悪化、寝返りさえ出来なくなり起き上がるのも激痛をこらえなければならなくなりました。翌朝は杖を頼らなければ歩けない情けない体になってしまい断腸の思いでゴルフ断念。我が家に迎えに来てくれる友人に無念のリタイア電話をしました。

当日は晴天に恵まれ他のメンバーは予定通りゴルフをしているかと思うと情けないやら悔しいやら、とんでもないことになってしまいました。古人曰く、”過ぎたるはなお及ばざるが如し”と・・皆さん低周波治療器を舐めてはいけません。使用はほどほどにしましょう。えらい目に遭いますよ。

土曜~水曜まで絶対安静、木曜日より杖を頼りにようやく何とか歩けるように回復しました。世間では桜の開花便りの真っ只中です。山爺は毎年この時期になると都内の名所に桜を愛でに行く習慣があります。今年もリハビリを兼ねて上野にでも行ってみよう。

25日(日)にまだ少々痛みの残る腰を労わりながら、まずはこの前に購入したオリンパスの高級カメラ用のメモリーを購入するため秋葉原へGo!。8GBのマイクロSDメモリーが¥520也、ホームセンターの半分以下の価格です。2個購入したので¥1000以上お得でした。

ついでニッピン(登山専門店)で山用のドライフードも購入しようとお店に立ち寄ってみて驚いた。店の前に何やら張り紙がしてありシャッターが下りている。”永らくご利用頂きましたがビル老朽に伴い当店を閉鎖いたしました・・云々”の文言が。あら~閉店かいな!この店とは山爺が20代で登山を始めた頃からの長い付き合いだったのに残念である。

当時は登山ブームで若者の大半が山やスキーに行く時代だったが山の専門店と言えばその数も限られて〇井スポーツ店が全盛だった。しかし、山爺が大宮にあったそのチエーン店で山靴を買おうと相談に行くと店員(登山ベテラン風)にあれこれ登山経験を聞かれた挙句”ここはあんたら素人が来るような店じゃないよ”的な今では到底信じられない生意気な接客態度に不愉快な思いをさせられた。

当時は売り手市場だったので売ってやるゾ、買わせていただきますでも商売が成り立っていたのだ。今でもそういう雰囲気の店を有難がるお客もいるようですが山爺はそんな店まっぴらごめんだ。そんな時、広告で秋葉原に登山専門店があることを知り訪問してみた。接客も親切で品揃えも前述の店よりも割安だった。以来山用品の全てをこの店で調達してきた。

その当時のニッピンブランドは前述の横柄店員のような登山通振る所謂”山屋”達からは2流扱いで小馬鹿にされていたことは事実でしたが山爺はノンブランド思考なのでまったく気にしませんでした。

いまは目利きさえ出来ればネットで専門店の2~3割の価格(2~3割引きではないですよ念のため・・注)で格安品が手に入る良い時代になりましたねえ。登山専門店さん。いつまでも殿様商売していると今に手痛い目に会いますゾ、ご用心召されい。(^O^)

買い物も済んだので上野のお山に行ってみよう。山手線で上野駅に移動し公園口から下車しようとして驚いた。人々、人々の群れである。

駅で入場制限は見たことはあるけれど出場制限しているのを見たのは初めてだ。ロープで出口まで誘導路がくねくね出来ており並ばないと出られない。ご丁寧に”最後尾”のプラカードまで掲げてある。宝くじ売り場か!ここは。

毎年、土曜日に来ており日曜日は初めての訪問だ。日曜だからこんなに大勢来るのかなあ?それとも今日は天気が良いか
ら特別?、とにかく凄い人の群れで田舎もんはびっくりである。





 人をかき分けて何とか公園内にたどり着いた。いやはやなんともである。こんな所をイスラムテロ集団に狙われたら完全にお手上げで被害は・・・一瞬不吉な考えが頭をよぎった。



よくTVニュースで報道される場所へと移動する。ここも凄い人の群れであるがお行儀よく人々が流れている。

テレビクルーを2チーム見かけた。1チームは明らかに東南アジアらしきクルーだ。山爺もどこかで撮されて報道されちゃうのかな。人の群れは多くてうんざりだが、ここの桜は見事である。やはり毎年くるべきであろう。継続は力なりを実践しなくっちゃ。




 コスチュームで仮装した若者が楽しそうに桜の下で酒宴を開いている。若いっていいなあ!。山爺も仲間に入りたい。


さて、ずいぶん歩いたので喉が渇いてきた。花見といえばお酒を抜きには考えられない。

一人でも飲めるとっておきの場所が上野公園にはあるのである。だからつい上野のお山に足が向く。

動物園の左横にある上野東照宮の参道沿いに隠れ茶店が数件並んでいるのである。え!隠れていないって!












またもや人の群れをかき分けながら急ぎ足で東照宮を目指すが人が邪魔でなかなか近づけない。







 やっと東照宮の門が見えてきた。目指す茶店はあの中である。人の群れを押し分けながら飲みたい一心で前進をする。









ようやく茶店前に到着。缶ビール¥500山小屋の価格設定並だなぁ、高けぇ!。焼きそば・おでん¥500なんでも¥500均一だ。お釣りを渡すのが面倒なための価格設定は見え見えだ。こう言ういい加減な設定でいいんですかね。公正取引委員会の皆さ~ん。要チェック、チェック。






購入するにも並ばなければならない。ようやく焼きそばと缶ビール1個購入し店の裏側にあるにわか作りのテーブル席に移動する。ここも人で一杯だが山爺同様一人で来て飲んでいる男もちらほらいるので安心する。

空いている席を見つけて着席。缶ビールをプシュー!ゴクリ!旨いねえ。どうしてお日様の下で飲むビールは旨いのかねえ。





あっと言う間に1本飲んでしまった。しまった、最初から2本買っておくんだった。席離れると焼きそば片付けられちゃうし。焼きそば持って買いに行くのも間抜けな図柄だし・・・結局焼きそば全部平らげてからもう一本買いにゆくハメに。
≧(´▽`)≦アハハハ










飲んだあと公園を北上し鶯谷まで歩いてみることにした。







途中上野本覚院の門前に見事なしだれ桜と椿が満開で見事に咲き誇っていました。

【川柳】

・¥500均の 店としなされ 桜茶屋
・2個千円と 書けば釣りなし 露天茶屋
・花よりも 団子よりも 酒がよし
・花見客 百円取れば 如何程に

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2018年3月10日土曜日

暖かさに誘われて・・足利・大小山登山

厳しかった寒さもようやく緩むようです。天気予報では今度の土日(3/3~4)は気温が16℃を超えるとのこと、すっかりだらけ切った体にムチを入れなければなるまいと我が家の近傍にある足利の大小山に出かけることにしました。

さっそく、ザックを引っ張り出し雨具・ウインドブレーカーやガスコンロ・やかんを放り込みました。さらにスーパーに出かけミニ羊羹・モナカ・チョコといった甘菓子を購入しザックに放り込み準備を整えます。水は1・5Lもあれば十分かな?500mlペットボトル2本とアルミ水筒800ml?を準備しました。


【山爺の一言メモ】

大小山は足利市富田地区にある標高313.6mの低山。山頂付近の崖に大きな大小の文字(7m×7m)が掲示してあり、両毛線や国道からも視認できるのでご記憶の方も。

二つのピークから構成されており文字のあるほうが大小山(282m)隣のやや高い山が妙義山(313m)と呼ばれてます。登山口にある阿夫利神社は天狗がご神体で山のピークを大天狗・小天狗の化身として崇めたから大小山と名付けたとも伝承されているみたいです。
大小山は古くは鷹之巣山とも呼ばれておりその名称は地域名として今も残っています。昔々、八幡太郎義家の三男・源(足利)義国が鷹狩りをした時、肩に止まった鷹をこの山に放したことから名付けられたとも。

3月3日(土)6時前に起きて朝食を採り身支度を整えて早朝に家を出る。こんなに早く起きて家を出たのは今年初めて・・って自慢にならんか!コンビニでいつものサンドイッチ・梅握り・ミニアンパン(5個入)を購入し駅へと向かう。7時台始めの電車に乗ると7時50分には富田駅に着いた。

深田久弥の言を借りると桐生~栃木の山々は『近くて良い山なり』である。近いから総費用も交通費とおやつ・昼食代を含めても¥3000に満たない。これで大の大人が1日遊べるのである。健康維持にも役立つのでやはり山は最高!。



大通りまで出てから右折して踏切を渡るのが普通だがGoogleの航空写真で下調べをしてみると線路沿いに細い抜け道があるようだったのでその道を辿ってみる。

うまく抜けられて踏切前にポーンと出た。登山口までもGoogleストリートビュウで事前検索してあるのであまり迷うことなく阿夫利神社下の駐車場へ到着した。ここまで30分弱だ。とかくプライバシー云々が叫ばれるストリートビュウだがこんな時は役に立つのでありがたい。

駐車場にはすでに車が多数、駐車している。千葉No.なんと横浜No.もある・・横浜から来た?嘘だろう。ちなみにこの下にも大きな駐車場があります。知らない人は下の駐車場に車止めて歩き出し上の駐車場を見つけてがっかりするのかな?

ここの山の守護神、阿夫利神社はこのすぐ上にあります。例によりお賽銭を奉納し安全登山を祈願する。


鹿よけの柵だろうか。登山道が鉄柵で遮断されています。注意書きに”マムシに注意”とあるが蛇君はまだ冬眠中だろう、今日とりあえずは安心だ。施錠はされていないので簡単に開けられます。猫じゃないのだから開けたら締めましょうね、皆さん。

一歩一歩足を出して一人山道を登ってゆく。久しぶりの感触だ。いいなあ。いつまでもこの体力が続いて欲しいなあと切に願う山爺であります。

しばらくゆくと男坂と女坂の分岐に到着です。山爺は男だから男坂を登らなければなりません。・・って銭湯じゃないのだからどちらを選択しても良いのですが男坂の方が岩場が多くて面白いことが多いのです。

やがて階段が現れますが、人に優しい段差のあまりない階段で歩きやすい。どっかの山にあるような非人道的な段差のひどい階段や木道とはえらい違いだ。作った人偉~い!!(^-^)

20分?も歩くと仙間神社という名前の社にに到着しました。阿夫利神社とこの神社の関連性はよくわかりませんんがとりあえずお賽銭の奉納です。富士浅間神社の亜流なのかな?

さらに進むといよいよ急な岩場が現れました。低山ながら侮れません。油断すると落ちてしまいます。ハイキングコースにしては、なかなかの岩場が連続して続くので面白いがこんなところで落ちて遭難しては世間の笑いものです。3点確保で慎重に登ります。

【山爺の一言メモ】

3点確保
岩登りの基本姿勢。四肢のうち三肢で体を支え、一肢だけを自由にして次の手がかり・足場へ移動する技法。絶対に落ちない方法は4点確保だが、これでは永遠に前に進めない。
≧(´▽`)≦アハハハ

横着して両足だけの2点確保で移動しようとするとバランスを崩した時に落っこちる。

足場の取れない場所では時として2点確保で岩場をクリアーしなければならない(手だけを使い懸垂でよじ登る)こともあるが滑落のリスクが高いので非常時以外はやめた方がよい。

展望の開けた場所に出ました。足利の街並みが一望です。東屋があったので休憩します。頭上の崖には大小の看板があります。この看板は国道や電車からよく見えるのでこんなエピソードも・・・。

ある日この絶壁をロッククライミングしていた人たちがいました。これを麓から目撃した人が警察に通報。大騒ぎになったとか。通報の内容!『お巡りさん。誰かが崖よじ登って大小山の看板盗もうとしている』だって。笑えるねえ。駆けつけた警察官を見たクライマーさぞやびっくりしただろうねえ。まあ岩さえ見ればどこでも登る方が悪いのですが・・(`・д・)σ メッ。


大股広げ卑猥な格好したふざけた二股の木がありました。その奥に怪しげな階段があります。
ここ登れってか?正月以来鈍った体に次から次へと山登りの訓練難所が現れます。大小山は本格登山の訓練場所としては最適な山かもです。

グングン登ると尾根筋に出ました。大小山の山頂はもうすぐでしょう。

最後の登りも岩場が急で危ないしキツイ事おびただしい。天狗(修験者)が好むわけです。修行にはもってこいの場所だったのでしょう。阿夫利神社から小一時間で大小山山頂(282m)に着きました。

山頂にはすでに数人が屯しています。撮影依頼者には事欠きません。で、お願いして記念写真をパチリ。やはり人に撮ってもらうとよく撮れますわ。

まだ9時30分だ。昼食には程遠いので水分補給と好物のミニ羊羹を頬張って次のピーク妙義山(313.6m)へ急ぐことにします。

せっかく登ったのに急降下です。下りも岩場で剣呑・剣呑です。遠くに見えましたが二つの山の鞍部(一番低ところ)はすぐに下降できました。やれやれ、また急な登りですが岩場なので緊張して疲れが出ません。

人間の体は実に良くできています。危険な場所に遭遇すると疲れは後回しになるみたいで息切れもせずにパワーが出ます。いわゆる火事場の糞力的なアドレナリンが出るのでしょうね。

あっと言う間に妙義山山頂に着いてしまいました。
山頂からの眺めは抜群でした。足利市の街並みが一望です。北の方角には赤城山・日光白根山・男体山・女峰山といった北関東お馴染みの山々が2日前に降った雪をまとい勢ぞろいです。こんな景色をタダで拝めるのも山歩きの醍醐味です。本当に山爺は日頃の心がけが良いからお天道様に好かれているみたいです。オホホ (^0^)








南に目をやると平野の真ん中を横に茶色い筋が見えました。なんだろうあれは川かな?まてよ、あの方角は!庶民の味方の足利渡良瀬ゴルフ場ではないか。

【山爺の一言メモ】

足利渡良瀬ゴルフ場
9ホールの河川敷コース。平日¥3900土日でも¥6120食事付きと格安なのが魅力なゴルフ場である。1番から9番ホールまでを縦列で配置。全体に見晴らしの良いコースでビギナーの方も安心してプレー出来る!ドライバーを思いっきり振れる450ヤード越えのロングホールも1ホールあります!


ついさっき登った大小山が間近に見えます。
この山頂も多くのハイカーが休んでいました。

単独のご婦人や女子2人連れ、単独オヤジも数人。先ほど写真を撮っていただいた人も休んでいたので再度撮影をお願いしました。聞けば桐生からやってきたとか。年齢は山爺と同じか少し上くらい?

ここでザックからコンロ・やかんを取り出し本格的なドリップ珈琲でお茶タイムです。写真を撮っていただいたので桐生の方にもお勧めしました。

山頂で飲む珈琲のうまいことと言ったらあなた!堪りませんなあ。アンパンも誠に美味だ。頑張った人だけが味わえる至福のひとときを堪能です。







のんびりしていると重装備で5~6人の男女団体が山頂で休むこともなく越床峠方面に降りて行きました。先は長いのでしょうがこういう余裕のない登山は嫌だねえ。ご苦労様です。




山爺も当初このコースを縦走しようとも考えたのですがいきなり負荷を掛けすぎるとガタがくるので自重です。

さて景色も堪能したしそろそろ下山するか。手早く荷造りを終え下山することにしました。

下山には桐生の人もついて来ました。下りも急峻な岩場の連続で気が抜けません。鎖が要所、要所に取り付けられていますが緊張の連続です。

これが1箇所ではなく何ヶ所も続きます。眺望は素晴らしいのですがこれが逆に危険です。景色に見とれて油断すると真っ逆さま。油断できません。

 頂上からも見えましたが眼下にゴルフ場が見えます。東松苑ゴルフ倶楽部です。

こちらは名門コースで高嶺の花、山爺には縁のないゴルフ場です。ここまで降りるとプレーヤーも見えます。頑張れ~下手くそ共。ってか。




すばらしい岩峰を通過しました。とても300mの低山に居るとは思えません。人一人入れる岩穴もあります。昔、修験者がここに篭って修行したのに違いありません。

ようやく岩峰群を下り終え安全な普通の山道に変わりました。下山口までもうすぐです。

鹿よけ柵がまた現れてそこを通過すると朝登りだした阿夫利神社の駐車場へ戻ってきました。

ベンチに座って残飯整理(昼食)をしながら桐生の人と雑談を交わしました。お住まいは桐生でも赤城山寄りの方に住んでいるそうで健康のためハイクをしているとか。・・山爺と一緒じゃん。

この方は車で来ていたので富田駅まで送っていただきました。ラッキー!!
またご一緒しましょうと言いメール交換して別れました。

【狂歌】
・重装で 低山、頂き 通過せり 楽しからずや 爺婆の群れ
・北アさえ 行ける装備で低山を 休まず通過 熟年男女 
【川柳】
・団塊は ハイクといえども 重装備・・団塊世代は幼い頃から常にクソ真面目
・低山も ブランド自慢の 重装備・・皆んなに道具を自慢したくてたまらない
・岩山で 4点確保の 金縛り ・・・取り敢えず安全だがこのままでは先がない。               
・Googleビュウ 山にも欲しい ここはどこ
・山路来て 急に連発 こんにちは・・・普段はろくに挨拶もしないくせに。
・良い景色 眺める素振りで 息をつぐ・・本音はつかれたビ~



いやあ~次々と句が浮かぶわい。(^凹^)ガハハ


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