去年の秋にPCでSNSを読みあさっていた時に右画像のような面白い五百羅漢の画像を見つけた。
なんなんだ、この坊さん達は・・PCを操作している者や腕相撲している者、果ては酒徳利ぶら下げて酒飲んでいる奴、およそ修行僧には似つかわしくないシュールな所作の羅漢さん達が所狭しと鎮座している。
その表情がまたユーモラスなので思わず見入ってしまった。
どこにあるのだろう、この寺は・・と調べてみたら東京の南西域、百合ケ丘の先にある柿生(かきお)というところにあるようだ。
正式名称は浄土宗のお寺で麻生山寿光院浄慶寺と呼びます。創建は安土桃山時代の1584年とも江戸時代の1621年とも言われているようです。
神仏混合の名残か境内には秋葉大権現も併設されているようです。
柿生駅は私鉄沿線を絵に書いたような小さな駅だ。駅前を出てすぐに右折して道なりに進むとやがて下り坂に・・
坂を上がるとすぐに紫陽花に囲まれた浄慶寺の案内板がありました。
さらに坂道を登って行くとやがて山門にたどり着きました。傍らに石仏が、やあ羅漢さんだ。ん!!何しているのだ、この羅漢さんは?。ミシン掛けだ・・笑える。しかも丁寧にマスクまでしている。コロナが流行りだした以降に設置された羅漢さんに違いない。笑えるなあ。
こちらはすでに出来上がっているお二人のようでおどけて踊っているしょうもない人達です。
百合ケ丘なら近いなあ。すぐに行ってみようと思ったが、ここ浄慶寺は紫陽花の名所としても知られているようだ。ならば撮影の好機は梅雨時の6月か。
とうわけで出かけるのを半年間我慢、紫陽花の咲く今( 6/15)ようやく訪問することとした。北千住で千代田線に乗り換え、代々木上原駅で小田急線の急行に乗り換える。このルートは登山で丹沢に行くときによく利用するので勝手は先刻承知之介。急行で新百合ケ丘駅まで進出、ここで下車し各駅停車に乗り換えると1駅目が柿生駅だ。
お寺までの道順はGooglemapで検索済み・・10分も歩けば行けるようだ。
柿生駅は私鉄沿線を絵に書いたような小さな駅だ。駅前を出てすぐに右折して道なりに進むとやがて下り坂に・・
花あるくらし 家庭に敬愛と和楽の花を咲かせよう と説法が書いてあります。
敬愛は分かるが和楽とはなんだろう。和楽って何となく分かるが説明せいと言われると自信がない。・・日光和楽踊り・・そうじゃあないだろう。
改めて辞書引くと和楽とは互いに打ち解け楽しむこととありました、なるほど、家族とはかくあるべきなんでしょうなあ。
さて、羅漢とは一体に何者なのか皆さんご存知か?
【山爺の一言メモ】
羅漢・・阿羅漢の略
簡単にいうとお釈迦様の弟子で悟りという最高の境地に達した者達の名称で上位の順に
・十大弟子・・最も優れた10人の弟子で釈迦の身の回りの世話を任された
・十六羅漢・・釈迦から仏教を守り伝えるよう頼まれた16人
・五百羅漢・・その他大勢の弟子達
の三通りある。
つまり羅漢さんは大日如来や菩薩・観音といった仏様ではなくお釈迦さまの弟子のことで人間です。数ある中(500人もいた)には落ちこぼれも居たに違いない。ここ浄慶寺はそんな落ちこぼれの羅漢さんが沢山いるので見ものです。
境内の案内図です。境内は寺の本堂と小高いところに火伏せの神様の秋葉大権現、この2つの建物しかありません。寺院の規模としては小さいですね。案内板の下に道祖神のような石仏と注射をする者とされる者の模様を描いた羅漢像があります。
紫陽花の下で酒盛りしている羅漢さん・・実に楽しそうに酒酌み交わしている。落ちこぼれ弟子に違いない。
頭に両手を載せて悩み事でもあるのか冴えない表情の羅漢さん。
顔つきからすると小坊主さんかな?幼い頃より悩み事を抱えるとは偉いですね。
こちらはすでに出来上がっているお二人のようでおどけて踊っているしょうもない人達です。
後輩どもの生臭ぶりに活を入れるべく先輩は範をたれねばならない。先輩は辛いねえ。
『・・・という訳だよ』
『うん、うん、そうだったのか』
パソコン勉強中なら偉いが怪しいサイトを見ているのかもしれないなあ。
表情が考え中だからやはりパソコンの勉強中と思いたい。
苔が付いていないので最近の創作かなあ。もしかして大谷翔平を模したものかも??
食道楽の3人衆です。
紫陽花に見惚れる羅漢さん。修行はそっちのけ・・酒呑んでないだけましですなあ。
何処も同じで懸命に働いているのは立場の弱い者ばかり。
浄慶寺の全景です。
奥に見えるのは火伏せの神を祀る秋葉大権現です。
スポーツマンの次は芸術です。絵の修行に励んでいる羅漢さんがいました。
筆で輪郭の確認中・・笑えるなあ。
何とも下世話な生活ぶりですねえ。
お釈迦様のため息が聞こえそうだわ。
メガネをかけインテリ然とした羅漢さんがレコード鑑賞してます。
知的な風貌からするとクラシックファンかな?
ところが抱えているジャケットをよく見ると名曲あじさいと書いてあります。
まさか、アリスの紫陽花の歌じゃあないだろうねえ。
小坊主さんが一生懸命に雑巾がけしてます。
ここ浄慶寺の石像群で前向きに生活していたのはこの小坊主さんと経典を読み上げていた先輩?羅漢の2人のみでした。
仏様が静かに見守っているにはいますがこのお寺では一体何を主張しようとしているのでしょうか。人生は一度きりクソ真面目に生きるも、楽しく生きるも・・どちらを選ぶかはあなた次第ですとでも言っているようです。
境内所狭しとよく手入れされた色々な紫陽花が何気なく咲いています。
何処ぞの観光寺のように順路の囲いがあるわけでもなし、入場料を取るわけでもない、自由に観覧ができました。
こりゃあ、お賽銭を弾まないわけには行きません。
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