空梅雨を当てにして残雪の会津駒ケ岳に行きたいなあと思ってプランを練ってはいたのですが本格的な梅雨に入ってしまったので計画倒れになりそうです。
会津駒直下にある駒の小屋は前々から一度行きたいと思っていた山小屋の一つです。自炊客のみを受け入れるランプの灯る素朴な山小屋で土日以外も管理人が常駐しています。土日しか営業していない山小屋が多い昨今、貴重な存在です。
今年の梅雨は空梅雨ではなさそうで天気予報では傘マークがズラリです。と、17日(日)だけが晴れマークが出ています。これはどこかに行かねばなるまいて。山爺の頭の中は常に3~4箇所、山のプランがインプットされているので出かけようと思えば数時間の準備時間があれば十分です。
今月末は川治温泉での同窓会が控えているから経費節約!マイナーだけれども佐野にある三床山~二床山でも行ってみようか。
17日(日)早朝に家を出て途中のコンビニでいつものようにサンドイッチ、赤飯握(梅握売り切れ・・(´ω`))5個入りアンパン+チョコレートなどの甘味菓子を若干購入した。甘味菓子は非常用で食べずに家に持ち帰るつもりだ。どんな低山でも非常食を準備するのが山男としての山爺のこだわりです。
8時前に東武佐野線の田沼駅に到着。少ないながらここから路線バス(午前中2本)がでているので8時17分発の便に乗車して鹿島神社前で下車(自由乗降地区なので乗るときに運転手さんに降車場所をあらかじめ告げておく)すれば4km歩かないで済みます。
www.city.sano.lg.jp/komoku/koutuu/05/pdf/1611_03.pdf
鹿島神社を左に見ながら細い道を進むとやがて左手にソーラー畑が出現し20分ほどで鹿島神社の奥社前の駐車場に着きました。
それにしても最近のソーラー発電設備の普及といったら、山の麓に着くとやたらあちこちで目に付く。平成26年度の統計では6.6%であったらしいが今はそんなもんではないだろう。
山爺が行ったこともあるゴルフ場も何箇所かが閉鎖されてソーラー発電設備所に商売替えしていることでも頷ける。ゴルフ場の運営には何十人もの人件費がかかるが、ソーラー発電設備は作ってしまえば人手が不要で金儲けが出来る。さもありなんだなあ。
まあ、発電力が不安定なソーラーがこの先、今の火力などに100%とって変わることはありえない。バブルと一緒でどこかで行き詰まるはずなんだがねえ。そのとき損をする人々が出なければいいのだが・・と思いながらも心の片隅ではそのうち泣きを見る奴が出るゾ。と、どこかで期待している節があるへそ曲がりな山爺であります。
駐車場には4台ほど車が止まっており1組(男女4人?)のパーティが出発準備中でした。
山爺:『天候が思わしくない中よく出掛けてきましたね』
他人:『今日しか好天が望めないので急遽出掛けました』
山爺:『考えることは一緒だ!お互い好きですねえ』
一同:(笑)(笑)
4人組が出て行ったあとは神社に静寂が戻ってきました。
さて神社にお参りしてぼちぼち山爺も出発しよう。三床山へは沢コースと尾根コースの2通りのルートを選択出来る。晴れていれば涼しい沢ルートを選ぶところだが連日の雨で悪路なのは必定、ここは尾根ルートを取るしかあるまい。
雨上がりのせいか一段と山の匂いがするような気がする。いいなあ、この香りは本当に元気がもらえる。いざ、一路三床山に向けて出発だ。
なだらかな道がしばらく続きます。道は狭いながらしっかりと続いており足元が雨露で濡れる心配はなさそうです。
このまま山頂まで続けばよいのですが、そうは問屋が卸さない。
麓で見た三床山でもわかるように山頂付近はもっこりとした山形なので必ず急傾斜が現れるはずだ。
やがて、来ました、来ました、急傾斜が現れました。いやあ、半端じゃありません。南アルプスの尾根道のようなしんどい急な道がずうっと続いています。
時折、山道の左側が開けるのが救いです。片方の手で山道の横の木に掴まりながらもう一方の腕でストックを押し上げ、ひいひい言いながら高度を稼ぎます。お金も山も稼ぐのはしんどいわ~!!
ただし、南アルプスのようなでかい山と違い、たかが低山ふぜいです。そんなに長時間の急傾斜が続くわけではありません。
30~40分も格闘すれば山頂に着くところが低山の良いところです。
やがて前方の木々が明るくなって人の声も聞こえて来ました。
三床山山頂(334.9m)に到着です。三床山は少し変わった山頂で登山道が行き止まりで反対側には道がありません。袋小路です。
天候はイマイチですがなかなかの展望を得ることができました。
今まで見えなかった東側の展望も開けてゴールド佐野CCがよく見えます。
今月購入した新兵器、10倍の単眼鏡を取り出し覗いてみるとカートが走り回り、プレーヤーのスイング姿まで確認できました。おお、これはよく見えるわい。
ああ、あの人は今小さな池を目の前にして真剣に悩んでいるのだろうなあ。
しかし、ここから見ると人もカートも誠にちっぽけな存在で迫力ゼロ!。
ゴルフも天上から覗くと動きが滑稽に見えます。なんか自分が神様になったような気分がします。
時間はまだ10時、昼食にはちょっと早いので倒木にシートを掛けてベンチとし携帯コンロとヤカンを取り出し珈琲プレイクと洒落込みます。いやあ、山頂でアンパン囓りながら飲む珈琲の美味いことと言ったらないねえ。どんな喫茶店もここの味にはかないません。これやるため山登りしているといっても過言ではない
山頂へは次々と登山者がやってきますが、5分も滞在すると去って行きます。
それにしてもせっかくの山頂なのにどうしてせかせかと皆さん次に進むのかね?
せっかちだなあ。って俺がのんびりし過ぎるのかなあ。
まあ山好きには歩くことそのものが好きな人と山の雰囲気が好きな人と2通りいると思うが・・
前者は体力の許す限りどんどん先に進み長距離を歩いたことを自分への励み(自慢)とする。
なんとか山の会といった団体の多くはこんな人の集まりのようです。
後者はのんびりと写真を取りながら休憩をたっぷり取って山中でまったりするのが好みの人。集団活動にはまったく不向きなので単独者が多い。・・もちろん山爺は後者です。
いやあ、小一時間ものんびりしてしまった。汗も引っ込んだし次、行ってみよう。元来た道を50mほど戻ると分岐点があり二床山へは指導摽が右を指示しています。
二床山への下りも急で左右は岩混じりの痩せ尾根で気を抜けません。ここで落ちたらまずアウト。ストックを頼りにゆっくりと慎重に降下してゆきます。
ようやく鞍部(山と山の間の低いところ)に到着。左から道が延びて来ていますが鹿島神社から沢コースを取るとここへ出るようです。
さらに進むと小三床山方面への分岐にやって来ました。右にゆけば小三床山を経由してつつじ山からカタクリ群落をぐるりと回るコースです。カタクリの時期も過ぎてしまったしオーバーワークになりそうなので今回大回りになるこのコースは遠慮しておこう。
ああ、あの右側の斜面を登ってきたわけだ。通りできつかった訳だ。傾斜がゆうに30度以上はありそうです。
今歩いてきた三床山~痩尾根がよく見えます。
途中で出会った男2人組のパーティが
『この山は面白いですよ。何回来ても飽きないです』
と言っていたが、その言葉も納得のコースのようだ。
1時間くらいで山頂を極められ展望の利く痩尾根縦走が楽しめる。また体力に合わせて長短ルートが選択出来るし、カタクリやつつじ山という地名があるので花も豊富な地域があるのだろう。
また、このへんの山々は幸い、山中をドタバタ走り抜ける無粋なトレラン族の侵略は受けていないのがいいねえ。しかし何が楽しくて顔歪めて苦しそうに山中を走り回るんだろうか?山爺には理解の外である。
11時30分二床山(325m)に到着、狭い山頂だ。ここで昼食休憩。
食事をしていると両側から何組かのパーティが通り過ぎていった。
おいおい山頂だよ。休まないのかい!。そんなに急いで何処に行くんだい。ずーと磐城平の方までゆくんか。この洒落がわかった人は文学通です。
【山爺の一言メモ】
磐城平云々・・大正時代の詩人、山村暮鳥(1884~1924)の雲という詩です。
おうい雲よ、ゆうゆうと馬鹿にのんきさうぢやないか
どこまでゆくんだ ずつと磐城平の方までゆくんか
―――「雲」
なんかのんびりとした雰囲気がよく表現されていて山爺のお気に入りの詩の一つです。
特に”のんきそうぢゃないか”のちに点点がいいねえ。
腹ごしらえも終わったので先に進みます。高松山までは20mほど下ることになります。
高松山(303m)に到着しました。ここも狭い山頂です。さすがの山爺もここは通過点としました。ここを過ぎるとめぼしいピークはなくなり標高差200mをひたすら下山することになります。
道もなだらかで岩場はなくなりました。楽になった代わりに展望が望めなくなってしまいました。
山林から竹林へと様子が変わり再び平らな道が続く山中を歩きます。
まもなく里に出るでしょう。
周りが明るくなり見慣れたソーラー畑へ降りてきました。鹿島神社へは左へ左へと歩いて行けば良いはずです。ソーラー畑を突っ切って13時過ぎに無事、鹿島神社へ戻ってきました。
15時17分の路線バスがあるのですがここの路線バスは午後便は原則1時間前に予約しなければ乗れません。(誰も予約者がいないと欠便するらしい)バスの時間まで間があるし田沼駅までは4kmくらいだ。平らな道なら今の山爺には楽勝です。
【川柳】
・休息も 取らで 山人 どこへ行く
・山趣味も 真摯に向かう 熟団塊
・コースタイム 金科玉条 山の会
【山爺の一言メモ】
【山爺の一言メモ】
金科玉条
黄金や珠玉のように善美を尽くした法律や規則の意、人が絶対的な拠り所として守るべき法律・規則のこと。転じて”金科玉条のごとく守る”として融通のきかないことへの揶揄として用いることわざ。
梅雨の間隙をついて・・・三床山から二床山への項 完
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