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2022年4月14日木曜日

長林寺からあわぎ山そして温泉へ

 桜も咲き終わり陽気もだいぶ安定してきた。残雪登山に適した期間がやってきた。今の山爺でも挑戦できそうな残雪登山は2000m級が限度、地形を知り尽くした那須連山にでも行こうとプランを練っていた。

4月7日~9日あたりが天候も晴れ続きで良さそうだったので8日に登山し下山後は北温泉にでも泊まろうかと準備を進めていたが、麓の大田原地区は晴天でも那須岳の予報を調べてみて驚いた。

6日に弱い低気圧が本州を通過しオホーツクへ、西高東低、つまり冬型の気圧配置になるようだ。8日の那須岳の天気は晴れでも風速20m超である。おまけにこれまで連日の冷たい雨で那須連山は降雪となり雪崩注意報まで出る始末。だめだこりゃ。

仕方がないから今週末は足利の里山でも鍛錬登山でもしようかと、大きなザックから小さなザックへ荷物を分配する。8日は強風が吹きそうなので9日(土)に出かけることにしよう。

9日早朝に家を出て東武足利市駅で下車、ここから足利市が運営する市バスに乗車する。足利市は財政が豊かなせいか生活基盤の市バスが縦横に走っている。料金もどこまで乗っても¥210とお手軽。7:50発の富田線に乗車した。次発が10時13分と本数が少ないのがイマイチですけどねえ。

8時7分に毛野郵便局前で下車、ここから天満宮にある登山口を目指す。5分ほど歩くと天満宮に到着した。安全祈願をすべくお賽銭を・・・ん、ん。賽銭箱が見当たらない。

そういえば数年前足利両崖山に登った時、祠にお賽銭をあげようとすると賽銭箱がなく注意書きが・・・賽銭泥棒が出没するので賽銭箱は撤去しました。たまたま登ってきた関係者に質問すると、鍵かけても箱ごと壊されたので撤去したと聞いたっけ。

まだ泥棒さん出没しているのかなあ。それにしても神様の稼ぎをくすねるとはなんと大胆な・・今に神罰が下るに違いない。って賽銭盗むくらいだからすでに困窮、神罰下っているか?

(^ω^)

さて、この神社の左側に登山道があるはずだがと回り込んでみると階段がある。それをエッチら登りきると柵が降りていて厳重に針金でぐるぐる巻きにされており通過できない。なんじゃこりゃ。閉鎖?国土地理院の地図には明瞭な登山道が明記してあるのにいったいどういうことだ。?(`ヘ´) プンプン。

仕方がないから神社下の車道まで戻って左側の道を大きく迂回し長林寺へ。

30分も歩くと長林寺に着いた。なかなか立派なお寺でそばに大きな旅館まである。どうやら営業中だ。こんな山奥にどういうわけで??檀家の人々が法事に利用するのかな??。

このお寺の右側から登山道が伸びており、ようやく登山開始となった。

おっといきなりすみれを発見。通り過ぎるところだった。




30分も登ると道了堂という辻に出た。近くにヘリが降りられるくらいの広場がある。昔は寺院が建っていたのだろうか。

この辻を右に行けば朝、挫折した天満宮へ降りる道だな。左に進路をとる。

日差しの当たる場所ではヤマツツジが満開状態だ。

やはり、今頃の低山はかしこに花が咲いており登山者を裏切らない。さっそくオリンパスのセミ一眼で一枚。

今日は愛用のニコン一眼レフは重いので置いてきた。このオリンパス、セミ一眼でもそれなりに撮れるのだけれどピントがどうも甘い。(あくまで山爺の主観です。オリンパスさん、
m(_ _)m)

倒木の真横から一斉に新芽が出て真っ直ぐに伸びている珍百景を見つけた。
いやあ、植物のなんと生命力の逞しいことか。

山爺もあやかりたいですねえ。
高度を上げるにつれ、
ヤマツツジが次々と現れます。

眼福この上なし。やはりニコン一眼を持ってくるんだったと後悔しきり。
早春もだいぶ過ぎてしまいましたが、早春の低山歩き開始に備えて毎日我が家の階段登り降りを10回程度こなして体力作りしていた。
その効果が出たのか息は上がるもののなんとか坂道も歩き続いていられる。

やはりぐうたらはいけないのだなあ。


いつの間にかだいぶ上がってきた。

足利の街並みが見える。山間には山桜が咲いている。いいねえ。ペットボトルで水分補給しながら小休止。


長林寺からツツジ山のコース間に何箇所か健脚者向け・初心者向けコースの選択肢がある分岐点がある。山爺、見栄を張って健脚者向けをチョイスした。

うわあ、なんだあの岩峰は・・・あの険しい岩を超えねばならないのか、初心者コースを選べば良かったと反省の山爺でした。

それにしても健脚・初心者の区分の仕方はどうかと思う。男の大半は見栄張って健脚向け選んでしまうだろう。そしてしくじる。

その点、古人は偉い。男坂・女坂とやんわりした名称を用意しているものねえ。

足利の山は低山にも関わらず至るところに岩峰があるのも魅力だ。この岩山の上り下りさえ問題なく通過出来れば2000m~3000mの山々だって踏破可能だ。

アルプスの山々だってこんな岩山が長く続くだけなのだから。

足利には自分の体力・動体の衰えを見極めるのに良い場所がたくさんある。ここを歩いてみて足元が危なっかしくなったら高峰への山行は諦めようと思う山爺なのである。

足利100名山の一つ、
あわぎ山174mの山頂につきました。少し早いがお昼にしよう。

ガスコンロで素早くお湯を沸かし・・・なぜ素早くかというと、記憶に新しいと思いますが去年の2月に足利の山はタバコの火の不始末で大規模な山火事に見舞われた。

それに懲りて山中に禁煙・焚き火・コンロ禁止の張り紙が多々散見。

しかしコントロールに優れたガスコンロの使用まで禁止は行き過ぎなのではと山爺は思う。
まさに羹(あつもの)に懲りて膾(なます)を吹くを地で行く話ではないか。多くのハイカーにとって山中で携帯コンロを使って調理をするのはこの上ない楽しみの一つなのである。
心無い喫煙者の火の不始末と一緒にされたのでは誠に心外だ。・・で素早くコンロを使ってお湯を沸かしコンロは直ぐにザックの中へといった次第。今日はホットサンド風パン2個とミルクコーヒーの昼食です。誠に美味い、美味すぎる~う。


眼下に鹿島園温泉の建物が見える。今日のもうひとつの楽しみはこの温泉に立ち寄ることである。この温泉はこの付近にはめずらしく湧出量132L/分 40℃の熱さがありPh8の本物温泉なのである。


ツツジ山手前の分岐点から下山すればここから2時間もかかるまい。さて腹も膨れたのでいざ温泉に向かって進軍じゃ。

分岐点に到着。あれえ、下山道が通行止めになっている。朝一の登山道閉鎖といい、ここの通行止めといい、どうなっているんだ。国土地理院の地図にはいずれもはっきりと道が示してあるというのに・・・・
ここしか温泉に降りる道はない。大坊山経由だと大回りとなり温泉は諦めなければならない。

ままよ、国土地理院を信じて通行止めの道へと踏み込む。人が入った形跡がないので山道上は落ち葉の山、滑ること、滑ること。

次に現れたのが急峻な崖のような道、なるほどこれは一般的な道ではないなあ。落ちたら危ない・・というより死ぬわ。

それにしても通行止めとは?遭難騒ぎでもあったのかな。

と、ヤマツツジの大きな塊を発見した。和むう。

降りるに従って道がだんだん不明瞭に、こんな時にはむやみに降りてはいけない。見晴らしのよいポイントでしっかり次の下山ポイントを確認しながら慎重に降りないと、いよいよ深みにはまってしまう。

温泉まであと50mくらのところで道が完全に消え笹薮と茅の真っ只中に、磁石で方向を定めながら薮の中を進軍する。これを通称やぶこぎと言う。

藪こぎなんてやるの何十年ぶりかなあ。

やっとのことで無事、温泉前の車道に飛び出した。やれやれ。

いやあ、肝冷やしたわ。

さて温泉でのんびりしよう。

受付のおばちゃんに山の上から通行止めの道を無理やり下りてきた。と武勇伝を語るも、おや、そうかねとそっけない。料金¥600(安い)を払って温泉で、の~んびりじゃ。

タオルは別途料金(買取)取られるから持っていったほうがいいですよ。

バス停はここから徒歩20分くらい。毛野新町児童公園というのがあります。足利市駅:15時36分 JR富田駅:14時31分 16時44分、本数が少ないのでご用心。

【川柳】
・冷水(ひやみず)の極み 廃道 無茶降りし
・古希過ぎた 翁廃道 突撃す

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2022年4月5日火曜日

カタクリの群落撮影行(佐野三毳山)

ちらほら桜開花の便りが届く。ようやく陽気もよくなり暖かくなるようだ。草花も咲き始めているだろう。どこの里山に行こうか。4月前後はカタクリの花が咲き始める。山爺の近くでは佐野市の三毳山山麓の群落(万葉自然公園カタクリの里)が有名だ。そこに行ってみよう。

カメラ撮影行のために新規に背負式のカメラザックを購入した。2段構造になっており、下段がレンズ収納部で取り外しできるクッションで自在にセパレート出来る構造だ。クッションで守られるのでカメラ・レンズを裸のまま入れられる。

上段はちょいとした備品(シャツ・雨具・ポット)が収納できる 。

80m・105m・300mズームレンズとニコンデジタル・小型カメラを放り込み、上段にサーモポット・カップ・ウインドブレーカーを入れて準備完了。なかなか使い勝手が良さそうなザックだ。

3月30日の朝、8時15分に家を出て一路カタクリの咲いているであろう里山へ。9時30分頃JR岩船駅到着。


身支度を整えて、駅から西へ向かう。あれが目指す三毳山(右画像)ざっと2・5kmの距離だ。楽勝・楽勝、ん?結構あるか。(^ω^)

振り返るとごつごつした岩船山が望める。岩船とは言い得て妙。

天気は上々、気分良く田んぼ道を黙々と歩く。
途中で散歩中の地元らしき数人の爺様とすれ違う。(爺様って、私だってもう同類)

皆さん見知らぬ山爺に、こんにちはと挨拶してくれる。和むなあ。ここには古き良き風習がまだ残っている。

15分も歩いたろうか?前方右手に不自然にこんもりしたヤブが見える。

これはもしかすると古墳?
近づくとヤブに隠れ気味に説明版があった。

なになに、甲塚古墳というのか。直径65m高さ7m、かなりの規模だ。回り込んでみたがヤブだらけで登り口が見当たらない。

6世紀後半~7世紀(飛鳥・奈良時代)に作られた円墳らしい。発掘調査は行われていないって?
こんなに原型を保っているのに未発掘とは学者さんは何をやっているのだ。たぶん私有地だろうから簡単にはいかないんだろうなあ。


図らずもいいものを見つけたものだ。私有地だから登り口もないんだろうな。

なんかもったいない。そのうちブルドーザーで整地されないことを祈るばかりだ。




コンビニを過ぎて喧しい国道をしばらく歩くと慈覚太師(最初、痔核大使と漢字変換・・笑った)生誕の地という案内板に到着した。

あの有名な慈覚太師が岩船出身だとは今回始めて知った。

地図でカタクリの里を検索していたら、たまたま、慈覚太師生誕地とうマークを見つけたので立ち寄ることにしたのだ。


【山爺の一言メモ】

円仁(慈覚大師)・・慈覚大師は諡号(しごう・おくりごう)帝や貴人に対し死後贈る名前

平安時代初期の僧で、最後の第十七次・遣唐僧として唐に渡り、日本の天台宗を大成させた人物。また、最初に朝廷から「慈覚大師」の「大師号」を授けられた高僧。



ただ、こうした輝かしい事績の一方で、円仁には後の摂関家の権力者、藤原良房に結びつき、奉仕した僧-との指摘もある。円仁の生没年は794(延暦13)864年(貞観6年)

円仁 慈覚大師の諡号贈られるが、世俗の権力争いに加担した風評も | 歴史の実像に迫る 歴史くらぶ (rekishi-club.com)

円仁生誕の時使ったとされる産湯の井戸が保存されているが、なんか怪しそう。

それにしても岩船地区はいまでこそ寂れて(地域住民さん失礼!)いるものの先ほどの古墳といい円仁の遺跡といい、更には小野小町終焉(この付近の諏訪岳から老齢を苦に投身自殺)の地との伝承があったりする。有名な僧侶、行基が住職を務めた大慈寺という当時栄えた寺院も現存する。岩船地区は古代には相当栄えていたようですなあ。

ここから国道を歩けば目的のカタクリ里は近いのだが、それでは体力鍛錬にはならない。慈覚大師の史跡からさらに西に進んで山道に入ることにする。

咲き遅れた水仙の花が『どうよ』とばかり咲いているのを見つけた。

こんなに綺麗な花が只で見られるのだから里山歩きは楽しい。
登山口はどこだ?。ローカルの山は標識整備状態が悪いのが常だ。
枝道がいくつもあり何度か間違えて入り込み他人宅の前に出てしまった。

やっと、本道への標識を発見。竹やぶの中にひっそりとそれはありました。これじゃあ見逃すわなあ。

さて山道をのんびりと歩きます。平日なので誰もいません。
聞こえるのは風の音と鳥のさえずりのみ。
小一時間も登るとカタクリ山と称した山頂へ到着。

標高は160m、昔の山爺なら見向きもしない丘だ。

ここから三毳山山頂へはあと700m、反対側の下山ルートを降ればカタクリの里だ。


三毳山の山頂往復したのではいささか時間がかかりすぎる。週末は月一ゴルフも控えているので、体力温存しなければならない。ここは素直にカタクリ里へ降ろう。



30分ほどでカタクリの里へ降り着いた。さすが有名な観光スポット、平日だというのに何十人もの人が行き来している。現実の空間に引き戻された。

カタクリの花は今がさかり、ちょうど良い時に訪れたようだ。

想像していたより花が小さい。個々に見れば地味な花だ。
それが数をなすとこうも美しくなるものか。群落恐るべし。



アップで捉えるとなかなかの色彩です。
ずいぶん歩いたので腹が減った。12時を回ったので東屋で昼食をとることにしよう。

いつものコブ握り・サンド・ミルクセーキで腹を満たす。

一面の花畑の中での食事、なんと豪華なことか。
いやあ、満腹・眼福、こんな素晴らしい群落なら普段の手入れも大変だろうに・・・

これで入園料を取らないのだから不思議だ。

さて、十分に良い絵も撮れたので下山しよう。


両側に桜が咲いている中を歩く。なんか良い気分だ。いやあ、不精しないで出かけてみてよかった、よかった。

ふと、傍らの茂みをみると見慣れた植物が・・・これは?水芭蕉ではないか?

囲いがあるわけでもなく、ごく普通の茂みのなかで雑草のごとく平然と咲いている。



もったいないなあ、カタクリの前には天下の水芭蕉も負けるのか。

それにしても柵作って保護するなり説明板くらい付けても良さそうなもんだが。

観光客は気が付いているのだろうか、ほとんどの人が素通りだ。あ~もったいない。


さて、満腹・眼福・サプライズ、そろそろ帰ろうか。もう一度、あぜ道をぶらりぶらりと・・・

【川柳】

・尾瀬ならば 人気の芭蕉も 佐野じゃ無視 
・カタクリの 陰でひっそり 水芭蕉

家について万歩計を確認・・・2万1千歩・・山爺まだまだやるのお。

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