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2018年11月27日火曜日

小春日和に誘われて(足利、深高山・石尊山登山)

11月も早下旬になってしまった。連日だらだらと過ごしているので体力がどんどん落ちてくるのが分かる。この間なんぞ駅の階段登っただけで息切れしてしまった。情けないったらありゃしない。

山行きたいなあ。もう谷川岳や八ヶ岳といった高山は雪が降り始めたので無理だろうなあ。第一いきなり出かけても体力がついていかないだろうし。

皮肉なもので高山に雪が降り始めたら、ようやく天候も安定し連続して晴天が続く宿泊登山に適した気候となってきた。また、ちまたでは紅葉のニュースを連日報道している。

やはり温暖化の影響か日本の気候は近年一ヶ月以上秋の訪れが遅くなっているようだ。

どこに行こうかなあ。プランだけはいつも頭に入っているので次々と湧いてくるのだが・・・①奥多摩七ツ石小屋1泊して七ツ石山から鷹ノ巣山縦走②大菩薩嶺から丸川荘1泊③秩父御岳山か四阿山日帰り

行きたいのは文字通り山々だが12月始めに仲間内のゴルフコンペ、次週には恒例となった関西ケチケチ旅行が控えている。そちらの軍資金を用意しなければならないので散財は避けなければならない。


仕方ないから、また足利の低山に訓練登山にいってみようか。ここなら交通費+昼食代で¥1500程度で行くことができる。これで大の大人が1日過ごせるのだ。

囲碁・将棋なら金はかからないのだろうけれど負けると血圧によろしくないし、釣りは無益な殺生になる。

ほかにこんな低額で一日過ごせる方法を山爺は知らない。近場の山歩きとはなんともリーズナブルな趣味ですなあ。

先月の大坊山登山を企画していた時にその奥にある石尊山(486m)・深高山(506m)という山も候補にあげていた。今回はそこを縦走してみよう。

当初は11月21日(水)に出かけようと思い月曜日は家でのんびりしていたところ、天気予報では火曜日が降水確率0%でまれに見る晴天と報道している。0%とは大した自信である。合わせて水曜日は曇で一部雨の報道も、これでは火曜日に行くしかないではないか。

急遽、ザックに道具を放り込み出かける準備を始めた。単独行はこういう点がなんとも自由でいいね。

下表のバス発車時刻に間に合わせるべく早朝に家を出た。普段は10時過ぎまで寝ているので寒くなってきた今日日、起きるのが億劫だった。『いかんなあ、どげんかせんと』とは常々思うのだが人間というものは本来横着に出来ているのだから仕方がありません。(^0^)/



なにせ乗ろうとしているバス便は朝は1本のみ、乗り遅れることは企画中止を意味しているので用心のため1本早い電車で現地に向かう。バスは東武足利市駅の南口から出ています。

発車20分前にバス停に行くとすでに乗客が数人待っていた。

目的地までは直に走れば車で20分もかからないのだろうけれど、なにせ生活の足(名称が、あしバスアッシー)の路線バスだけに足利市内をあっちに行ったり、こっちに戻ったりしながら走り回るので50分もかかる。さすがは生活路線バスで途中で乗客が結構乗り降りしながらバスは進んでいく。



予定時刻より10分遅れの8時40分に目的地到着。こんなに長時間乗って料金は¥200ぽっきり。まあ安いといえば安いねえ。(`ω´)グフフ

降りたのは山爺だけ、あたり一面、田園風景と山が広がっています。さあ、着いたぞ。いいねえ、山爺はこの瞬間が大好きです。

5分も歩くとコンビニがありました。8時過ぎなのに閉まっています。

7ー11(セブン・イレブン)じゃないのかい。思わず苦笑。

さらにしばし進むと猪子峠への分岐点に着きました。ここを左折して20分も歩けば深高山の登山口です。

途中、脇道の道路の真ん中に猫が日向ぼっこをしていたのでちょっかいをだすと。逃げるでもなく山爺を眼見です。当人の縄張り内なのでしょう。『なんだおう、やるのか』とでも言いそうな顔つきが笑えます。

なごやかな気分になったので足取りも軽く車の通行も全然ない峠道をトコトコ歩いていきます。途中で散歩中の村人風おかみさん2人とスレ違い挨拶をかわします。いいですねえ、田舎の人は誠に律儀です。

トンネルが見えてきました。猪子峠トンネルです。このトンネルは心霊スポットで有名らしいです。山爺はこういうこと多少は信心しているのでトンネル内に立ち寄ることは避けました。登山道へはこのトンネルのすぐ左の林道がに入ります。

【山爺の一言メモ】


猪子トンネルの怪奇現象


交通量は少なく比較的見通しも良い場所だが不思議と事故が多発している場所。事故で亡くなった方の霊が現れると言います。



また猪子トンネル手前の脇道を少し進んだところには女性の霊がよく目撃されています。体験者の話ではその女性は猪子トンネルのほうを指さしてじっと立っていたそうです。


んん、手前の脇道って登山道に続く道じゃん。そういえば登山口薄暗くてちょっと不気味だった。そういう訳だったのか。納得。







登山道の入口到着です。晴れているのにあたりは鬱蒼としており薄暗く少々気味悪い。車で来る人はここを利用せず更に林道を遡るので利用者も少なく落ち葉が堆積しています。

15分も歩くとまた林道にぶつかったので明るい林道を進むことにしました。この山道は2回林道とぶつかるみたいです。

二回目の山道にぶつかったので今度は山道に入ります。皆さ~ん。楽だからと、このままどんどん進むと全然違う場所に進んでしまいますよ、ご用心。

上から誰も降りてこないし、下から誰も上がってくる気配もありません。聞こえるのは風の音と鳥の鳴き声のみ。いいねえ、奥多摩や高尾山の喧騒の山とは雲泥の違いです。



     
都内の皆さん。たまには北関東の低山を歩いてみませんか。行列してぞろぞろ歩く山が嫌になりますよ。 

  緩やかな登りが小1時間続いたあと山道が急になりました。傍らにロープもかかっています。確かに時々これに掴まらないと転げ落ちそう。うええ!なんて急なんだ。

体力が落ちてるので息が上がってしまいます。休み休みロープに掴まりながらエッチらオッちら高度を稼ぎます。

人生と同じで辛い時を我慢して歩いているとやがて道が緩やかになり木々が少なくなり前方が明るくなってきました。低山特有の頂上への兆しです。よ~し、頑張んべえ。




10時に深高山の山頂(506m)到着です。周囲は雑木林で視界がよくありません。

木々の間から僅かに山々が望まれます。足利市観光協会さん。雑木林とっぱらってくれないかなあ。せっかくの景観が台無しだよ。

ザックから携帯コンロを取り出してお湯を沸かしてドリップコーヒーを作ります。

コーヒーの香りが山中に流れていきます。ずず~っと熱いコーヒーをすする。『うまいなあ。なんてうまいんだ』山爺至福のひとときです。
ちまたの〇△山の会なんかに入会して山に連れて行かれるとこんなのんびりは出来ないんだろうなあ。『コースタイムが少し遅れてますよ』とか、なんとか言われて列の真ん中に入れられ奴隷のように歩かされる。旅行会社主催の旅行ツアーと同じように余裕0で、どんどこ歩く山の会、真っ平ごめんだね、そんな山歩きは・・・ 

そうは言うものの、あまりのんびりしているといつまで経ってもゴールに到達しない。のんびりといっても20分位しか浪費していませんよ。ねえ皆さん、もっとゆとりの山歩きしましょうよ。山ん中走り回るのだけは止めてくらはい。静寂な山の雰囲気がぶち壊しです。山爺、切なるお願いであります。m(_ _)m 


傍らの茂みを覗くと連日の暖かさで花も浮かれたのでしょうか、なんとヤマツツジの狂い咲きを見つけました。
 
深高山から石尊山までの山道は緩やかで広いので山上の散歩道です。実に快適な





山歩きが楽しめます。折しも紅葉真っ盛り・・・でもないか、ところどころ緑のままのところも!
・・・(´∀`*)ウフフ


この間、後ろからは誰も来ず。石尊山方面からは単独者と夫婦連れの3人しか出会いませんでした。

実に静かな山旅です。12時に石尊山(486m)に到着しました。


ここも雑木林に囲まれて眺望が望めません。木々の間からは周囲の山々が見えるので重ねてお願い。足利市観光協会さ~ん。

この木々なんとかならんかねえ。





激安高度計(¥2000)持参していたのを思い出しザックから取り出してチェックしてみると。492mを指している。6mの誤差だ。やるではないか。made in china !!
山頂であんぱん頬張りながらしばし休憩。時間は12時を回っている。お昼にしようか迷ったがこの先におべんとう広場というポイントがあるようだ。そちらでお昼にしたほうがよさそうなので出発!。 

いきなり険しい岩場を降らされました。いやあ、足利の山はこれだから用心がならない。慎重に降りると石灯籠が!・・んん!なんだ?横に細道がある。ついてゆくと狭い山頂にはふさわしくない大きな神社?が建っていました。



石尊神社奥の院です。狭いところに欲張って大きな社を建てたものだから遥拝場所のすぐ後ろは崖でお祈りするのさえも剣呑です。

正面から撮るとこんな感じでこれ以上さがると崖から落ちてしまいます。きっと荒ぶる神様がお住まいなんだろうなあ。

手短にお祈りを済ませて先を急ぎますが、急ごうにも急峻な岩場が続くので慎重にならざるを得ません。
こんなところでも足を踏み外せば良くて大怪我、下手するの一巻の終わりになってしまいます。 

いやあ、手ごわいぞ石尊山、しかもこれだけ険しいのに鎖が全然ついていないのです。

正面向いて降りられそうもない所が何箇所も現れます。仕方ないので背を向けて3点確保により慎重に下降を続けざるを得ません。



冷や汗かきながらようやく展望の開けたところに到着、おべんとう広場です。ここで大休止を取ることにしよう。

ガスコンロとヤカンを取り出したっぷりと水をそそぎお湯を作ります。


¥780で購入したコンロですが圧電式着火装置もよく動作して1発点火、よく働いてくれます。改めて恐るべしmade in china です。

お湯も沸いたのでカフェオーレを作り定番昼食のサンドイッチ・梅握りを食します。
『う、うまい、旨すぎる』風が語りかけます。・・・んん!どこかで

聞いたようなセリフだが、そんな心境になります。
それにしても良い眺めだ。白日の下、すばらしい展望を眺めながら食べる昼食はなんて旨いんだろうといつも思います。

遠くに薄らと富士山も望めます。景色眺めながらのんびり昼食を食べているとあっという間に30分が経過してしまいました。

しかしながら本音を言うと昼食だけは少し周りに人々が居たほうがいいのかな。たった1人で食べる昼食はちょっと寂しい。 

石尊下のバス停の時間(14時35分)まであと2時間余しかありません。さて、あとどれくらいで下山できるのかなあ。まあ、間に合わなければ小俣駅まで1時間も歩けばいいさ。あわてる必要はさらさらない。
ハイキングにしては急峻な岩場の連続です。3点確保と言うと聞こえはいいけれど四つん這いのカニさん縦歩きです。傍からみたら無様な格好だろうなあ。無様だろうが何だろうが仕方がありません。

山では遭難することが一番無様です。それだけは絶対避けなければなりません。格好にこだわっている場合ではないのです。

ようやく、なだらかなところまで降りてきましたが、まだ油断は出来ません。蹴っ躓いてバランス崩せば転んで大怪我必定、運悪く傍らの崖下に落ちれば・・・・(´・_・`)
大昔の道しるべがありました。昔からこの山は信仰登山がお盛んだったのでしょうね。分かるなあ、あれだけ険しい山を制すれば修行した気にもなるってもんです。

普段の歩行には差し支えないのですがここ1年近く膝痛に悩まされています。限度以上に屈伸するのが辛くなってきました。今回のような足が届かない崖の上り下りはどうしても大きく膝を屈伸しなければならないのですが、これがなんとも辛い。人並みの愚痴だが『ああ、歳は取りたくないものだ』。

ようやく道がなだらかになってきました。危険地帯は過ぎたようです。一休みしていると上の方から人の気配が。

やり過ごそうと下りてくるのを見ているとご夫婦のパーティです。すれ違いに挨拶を交わします。
『こんにちは』

『おや、上の方ですれ違いましたよね?』
『はい!』
こんなたわいのない会話でも山の中では親密感が湧いて会話が弾むから不思議だ。旅行などの観光地で会話しても絶対にこうはいかない。山歩きのみに許される特権だ。

しばらくご一緒させていただき歩きながら会話する。聞けば地元の人らしい。山爺も自己紹介。〇〇市から電車、バスを乗り継いで松田方面から入山したこと。深高山・石尊山を縦走して石尊下バス停から帰る事など。

すると、ご主人から
『ああ、それなら私たち車できているので駅までお送りしますよ』
『いや、いや、バスに間に合いそうだから』

『帰る方向、一緒だから』

本音は実にありがたい申し入れなのでご親切を受けることにした。この御夫婦は山慣れしているのか足取りが早い。山爺は久方ぶりの山歩きに加え幾度の崖越えにより膝痛が起きて歩みは遅れがちになる。山道もなだらかになったとは言えまだ随所に岩が出ているので慎重にならざるを得ない。

とうとう御夫婦パーテイと徐々に間隔が空き始め、遂に視界から消えたしまった。あれ~、最前の乗せていってもらえる話はおじゃんなのかなあ? 

ようやく石尊神社に到着。無事に下山終了です。

神社にお参りして無事下山の感謝報告と家内安全の祈願、おまけに年末宝くじの当選祈願まで行った。傍らに綺麗な南天?の実がなっていました。

神社の石段を降りると小さな駐車場が見えた。件のご夫婦が荷物の整理をしています。

『いやあ、写真撮ったり、神社お参りしていたので遅れました』
これは半分は言い訳で本当は膝痛で遅れるべくして遅れたのです。
『写真?撮るようなところありました?』
『ブログやってるもんでそれに使います』

会話しながら手短に山爺も荷物の収納を済ませ厚かましくも車に同乗させてもらうことにしました。
このあと車中では同じ山の趣味同士のこととて、ご多分にもれず山談義。話も弾みあっという間に足利市駅に到着してしまいました。
 
石尊山でご親切に足利市駅まで車に乗せていただいた御夫婦様、その節は誠にありがとうございました。お名前も聞かず失礼をいたしました。このブログお読みいただいていれば幸いです。よろしかったらコメントお願いいたします。m(_ _)m

【狂歌】

・人気なき 石尊山で2度も会い ご夫婦様の 車相乗り


小春日和に誘われて(足利、深高山・石尊山登山)の項・・・(完)



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